書評(行政法)

【書評】『現代行政法』橋本博之著〜行政法初心者向けの入門基本書〜

(この記事はプロモーションを含みます。)

こんにちは

今回は『現代行政法』橋本博之著の評価と特徴について書いていきたいと思います。

『現代行政法』が気になっている人や行政法のテキストを探している人は、ぜひこの書評を参考にしていただけたらと思います。

Contents

『現代行政法』 橋本博之著 岩波書店


今回紹介するのは岩波書店から出版されている『現代行政法』です。

 

著者は現在慶應義塾大学法務研究科教授の橋本博之氏です。

 

『現代行政法』の評価と特徴


行政法の基本書としては一番メジャーな『行政法 第5版』通称「サクハシ」の著者の一人、橋本博之氏が単独著者のテキスト

 

『現代行政法』は分類的には一応基本書に該当するかもしれませんが、詳細な学説の説明や細かい知識についても記述されているわけではないので、どちらかというと参考書的に考えるといいです。

 

内容的にはそれほど難しいものではなく、むしろ行政法の全体像をコンパクトにまとめて解説しているという感じです。

 

なので、行政法初学者がさらっと行政法の勉強したいという場合におすすめできます。

 

司法試験や予備試験には少々レベルが低すぎるかもしれません。

 

少なくとも、短答試験に対応するには本書は情報量が少なすぎると思われます。

 

というわけで、初学者が最初に行政法を勉強していくなら本書を使うのもいいと思いますが、中級者以上となれば『基本行政法 第3版』や「サクハシ」などの基本書を使うのをおすすめします。

行政法初学者の方はまず『現代行政法』で全体像を把握した後に、上記の基本書と『基礎演習 行政法 第2版』を使いながら学習していき、最終的には『事例研究行政法』を解いていくという流れで学習していくのがいいと思います。

『基本行政法』と『基礎演習行政法』のレビューも書いていますので⬇︎こちら⬇︎からどうぞ
【書評】『現代行政法』橋本博之著〜行政法初心者向けの入門基本書〜

【書評】『基本行政法 第3版』〜行政法の試験対策向けのおすすめ基本書〜

 

『現代行政法』の良いところ


行政法の全体像がコンパクトにまとめられている
主要論点については解説されており、基本判例も重要部分については引用されている。基礎知識については本書でも十分学ぶことができます。しかもかなりコンパクトにまとめられているのも本書のポイントで、行政法初学者が行政法の全体像を把握するにはぴったりです。

 

 

解説がわかりやすくて初学者向け
定番基本書「サクハシ」の橋本教授が初学者に向けて解説しているだけあって解説はかなりわかりやすいです。学者執筆の法学書は総じて細かいことまで書かれていて、読むとすぐにいっぱいいっぱいになるということがありがちですが、本書は簡単な解説で済ませているので初学者でも挫折なく読むことができます

 

読みやすくて通読に時間がかからない
橋本教授の説明自体がすごくわかりやすくて、各項目ごとの解説も最低限に抑えられているので、読むのに時間がかかりません。なので、本書を使えばかなり短時間で行政法の全体を確認できます
基本書は通読が辛いのですが、本書なら簡単に読み終えることができるので、行政法を勉強していくならまずは本書を使って短時間でなんとなく理解しておくというのはいいかもしれません。

 

『現代行政法』のイマイチなところ


全体的に解説が薄め
『現代行政法』は解説が全体的に薄めです。行政法の基本的知識や考え方だけ記載されている感じなので初学者にはいいのですが、ある程度行政法を勉強した人にとっては物足りない内容になるでしょう。
論点の解説が最小限に抑えられているので、論文試験対策としても不十分かもしれません。

 

短答知識は学べない
『現代行政法』では基本的な知識の解説がメインでされていて、細かい知識や条文、判例の紹介はあまりされていません。なので、司法試験や予備試験の短答対策には適していません。あくまで基本知識の把握や確認のために使うというのがメインになるでしょう。

 

こんな人におすすめ


・学部生
・行政法初学者
・さらっと全体像を確認したい人
・コンパクトにまとめられている参考書が欲しい人