こんにちは

今回は 『事例で考える会社法-第2版-法学教室ライブラリィ』について、評価や特徴をまとめて書評を書いていきたいと思います。

『事例で考える会社法』は法科大学院生や司法試験受験生の中ではかなり定番の会社法問題集で、使用している人も非常に多いです。

なので、『事例で考える会社法』が気になっているという方や、法科大学院生や司法試験受験予定の方に是非本書評記事を参考にして頂けると嬉しいです。

なお、過去の書評一覧は⬇︎こちら⬇︎にまとめていますので、ご覧ください。
【書評一覧】法律本の書評を総まとめ〜基本書・参考書・問題集・予備校本など〜


『事例で考える会社法 第2版』 法学教室LIBRARY

今回紹介するのは『事例で考える会社法-第2版-法学教室ライブラリィ』です!!



著者は、伊藤靖史先生、伊藤雄司先生、大杉謙一先生、齋藤真紀先生、田中亘先生、松井秀征先生の6名となっています。

『事例で考える会社法 第2版』の評価と特徴

『事例で考える会社法 第2版』は『法学教室』での連載を書籍化した問題集です。

その特徴を一言で言うと、問題・解説ともにレベルの高い問題集。 

問題数は全25問

そのうち最初の6問については、著者の方が書いた参考解答例が付いている

解答例については6問だけにしか付いていないのは残念ですが、 それでも参考にできる解答があるのは学習の役に立ちます。

本書の構成としては、2頁〜4頁ほどの長文事例問題が出題され、論点が箇条書きで示され、論点や関連知識について解説が行われるという流れで進みます。

問題のレベルは、4頁ほどの長文で非常に難しい事例問題もあれば、2頁ほどの短めの問題や基礎的な知識を問う問題も出題されます。

全体としてみると、問題のレベルはかなり高めだと思いますが、基本知識の確認のような問題もあるにはある。

ただ、ほとんどの問題が難しい&解説も高度の内容になっているので、会社法初学者が使用するのは厳しいところがあります。

なので、本書は基本的に、会社法中級者〜上級者向けの問題集になります。

学部生や予備試験受験生は本書を使用する必要はそれほどないと思います。

使用するとすれば、法科大学院に進学後や予備試験に合格して司法試験を受験予定の段階が良いでしょう。 

また、問題の内容としては、利益相反取引や役員等の任務懈怠責任など、試験的に超重要論点を多く扱っているほか、持分会社などあまりメジャーではないところからも出題があります

それほど論点の網羅性はありませんが、重要論点はしっかり抑えているという感じ。

また、かなり細かい論点まで問題として出題されていたりするので、その点からも本書の問題集としてのレベルの高さが窺えます。

解説については、先述の通り、学説や著者の見解が厚く示されており、かなり高度な内容になっています。

判例や通説の立場に対する問題点の指摘など、かなり鋭い見解が示されているのでしっかり読むと様々な発見があるかもしれません。

また、解説者によって説明の分かりやすさにバラツキがあると感じられることもあります。

ある程度会社法をしっかりと勉強したという方なら非常に勉強になると思いますが、あまり得意ではない方には難しすぎるかもしれません。

会社法が得意ではない方は『事例研究会社法』や『ロープラクティス会社法』で基礎知識をつけた後で本書に進むと良いでしょう。

理論面を深く学習するよりもしっかりと基礎を固めたいという方であれば『ひとりで学ぶ会社法』がおすすめなので、そちらを済ませてから本書を使用すると良いかもしれません。
関連記事: 【書評】『ひとりで学ぶ会社法』〜会社法の条文に慣れるために最良の問題集〜

ちなみに、資格スクエアという法律予備校では、『事例で考える会社法』など司法試験受験生がよく使用する演習書を使用した答練講座や演習書を使用した講義が用意されています。

演習書を使用した予備校講座が気になる方は是非ご覧ください。
>>>『事例で考える会社法』を使った演習書答練講義を確認する

『事例で考える会社法 第2版』の良いところ

高度な解説で会社法を深く学習できる
 
本書の一番の魅力は、問題や解説のレベルが非常に高いということでしょう。
もちろん、初学者や会社法が苦手な人からするとマイナス面もあるのですが、会社法を深く理解するための問題集としてはぴったりです。
全てを読むとなるとかなりの忍耐力が必要かもしれませんが、しっかりと理解しながら読了することができれば非常に会社法のチカラがつくと思います。
本書を使用する場合は、まずは『リーガルクエスト会社法』や『会社法-第2版-田中亘』などの基本書やその他の問題集で基礎を固めた上で、本書に取り掛かると良いでしょう。


司法試験受験生の中で使用率が非常に高い

『事例で考える会社法』はその問題・解説のレベルの高さから、法科大学院生などの司法試験受験生の中で使用率が非常に高い会社法の問題集です。
司法試験ではかなり長文の問題が出題されますし、そのレベルは言うまでもなく非常に高い。
なので、本書のように長文で難しめの問題集を解いておくととても心強いです。
ちょっと司法試験レベルを超えているのでは、、、と思われるような問題や解説もありますが、それでも司法試験に安心して臨める状態にするにはうってつけです。
司法試験受験生のうち、多くの人は本書を一度は読むと思いますので、差をつけられないようにするという意味でも一読はした方が良いかもしれません。


6問だけだが参考解答例が付いている

『事例で考える会社法』には、学者執筆の問題集としては珍しく?問題に対する参考解答例が付いています
解説だけだと答案にどう直して良いのか分かりづらいところがあるので、参考解答例が付いているのは非常に有難い。
参考解答例は非常に長いのでこのまま自分の答案にするのは難しいかもしれませんが、それでも答案作成の参考にはなります
また、解説の内容を整理して読むことができるという意味でも、参考解答例は理解の役に立ちます。
ただ少し残念なところは、参考解答例は最初の6問にしか記載されていないこと
残りの問題は自分の力で一から答案を考える努力が必要になります。

資格スクエアの演習書答練講義を利用すればその他についても合格者による答案例が見れます。
>>>『事例で考える会社法』を使った演習書答練講義を確認する

『事例で考える会社法 第2版』のイマイチなところ

問題(解説者)によって解説の質に差がある

『事例で考える会社法』は問題ごとに解説している学者が異なります。
そのため、解説者によって分かりやすかったり難しかったりと、解説の質にバラツキが見られます
読む人によっては、解説が合わないということもあるので、その点は少し覚悟が必要かもしれません。
とはいえ、本書に手を出せるくらい会社法を学習した人であれば、多少解説が難しくてもじっくり読めば理解できないこともないと思いますので、それほどマイナスということもないかもしれませんね。

 
司法試験や予備試験とに関係ではオーバースペックな面もあり

本書評において何度も述べてきたように、『事例で考える会社法』は問題・解説共に非常にレベルが高いです。
そのため、全てを理解するとなると司法試験や予備試験などの法律系資格試験との関係では、完全にオーバースペックでしょう。
もちろん、学問的探究心から読むのであれば良いのですが、試験対策として利用するのであれば、あまり深入りしすぎないようにメリハリをつけた学習が必要かもしれません。
自分の試験対策にとって必要な知識だけをうまく拾い上げるという工夫をするのが良いかと思います。


初学者が手を出すと挫折するかも

『事例で考える会社法』は初学者が使用するにはあまりに難易度が高すぎます
会社法を一通り学習したばかりくらいの人が手を出すと、全然勉強にならない上に、会社法に対する苦手意識が芽生えてしまうかもしれません。
本書を使用するのであれば、他の書籍等で会社法の知識をじっくりと見につけた後に取り組むと良いでしょう。
少なくとも、学部で学習している段階の方や予備試験受験予定の人はまだ手を出さなくても良いと思います。
本書は法科大学院に進学後、あるいは、予備試験合格後に手を出すのが無難です。

『事例で考える会社法 第2版』はこんな人におすすめ

・会社法を深く理解できる問題集が欲しい人
・参考解答例付きの学者執筆問題集を読みたい人
・司法試験に安心して臨めるだけの会社法の力をつけたい人
・会社法中級者〜上級者
・法科大学院生

なお、その他の書評一覧は⬇︎こちら⬇︎にまとめていますので、ご覧ください。
【書評一覧】法律本の書評を総まとめ〜基本書・参考書・問題集・予備校本など〜


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