こんにちは

今回は『Law Practice(ロープラクティス)刑法-第3版-』の特徴や評価をまとめて、書評を書いていきたいと思います。

ロープラクティスシリーズ』は比較的有名な問題集なので、使用したことがあるという方も多いことが推察されます。

学者執筆の問題集の中ではかなり特徴的なので、将来的に司法試験受験や予備試験受験を考えている方には、本書評を通じて自分の学習に取り入れるかどうかの参考にしていただければ幸いです。

なお、過去の書評一覧は⬇︎こちら⬇︎にまとめていますので、ご覧ください。
【書評一覧】法律本の書評を総まとめ〜基本書・参考書・問題集・予備校本など〜


『Law Practice(ロープラクティス)刑法』の情報

今回紹介するのは2017年10月に出版された『Law Practice(ロープラクティス)刑法-第3版-』です!!



著者は、佐久間修教授、高橋範夫教授、松澤伸教授、安田拓人教授の4人です。

『Law Practice(ロープラクティス)刑法』の評価と特徴

Law Practice(ロープラクティス)刑法』は「ロープラクティスシリーズ」の一つ。

ロープラ」と略されて呼ばれることも多いです。

「ロープラクティスシリーズ」は刑法の他にも以下の科目で出版されています。

Law Practice(ロープラクティス)民法I 総則・物権編-第4版-
Law Practice(ロープラクティス)民法II 債権編-第4版-
Law Practice(ロープラクティス)民法III 親族・相続編
Law Practice(ロープラクティス)民事訴訟法-第3版-
Law Practice(ロープラクティス)憲法-第2版-
Law Practice(ロープラクティス)行政法
Law Practice(ロープラクティス)商法-第3版-


『Law Practice(ロープラクティス)刑法』の特徴を一言で表すと、大量の問題を通して刑法の基本論点をテンポよく学習できる問題集です。

基本問題56問
発展問題11問
合計67問が出題されています。

基本問題については、刑法総論と刑法各論の問題がそれぞれ26問、30問
発展問題については、それぞれ5問、6問

というように刑法総論・刑法各論共に万遍なく出題されています

このように、『Law Practice(ロープラクティス)刑法』は、多くの問題を通して刑法の各論点について軽く学習していく作りになっています。

本書の構成としては、「基本問題」と「発展問題」の2部構成。

問題のレベルは全体的にはそれほど難しくなく、出題される問題はほとんどが実際の判例の事案を簡潔にした短めのものばかり

基本問題は、刑法総論・各論の重要基本論点ばかりが扱われていて、少し刑法の学習をした人なら十分分かるようなレベルの問題になっています。

基本的には、1問題につき1論点という形で構成されていて、各論点についてテンポよく学習できます。

一方で、発展問題については、少し問題が長くなり(1、2ページほどの長さ)、論点としても複数の論点が絡んでいるちょっと複雑な問題になります。

また、かなりマイナーな問題(危険の引き受けなど)も一部含まれています。

もっとも、基本問題よりは難しくなっていますが、発展問題のレベルもそれほど高いものではありません。

なので、本書は基本的に刑法初学者〜中級者向けの問題集という感じです。

初学者の方はまずは基本問題だけをささっと読んで、余裕があれば発展問題に手を出すのが良いかと思います。

本書の解説は非常に短め(2〜5ページほどの長さ)なので、一問にかける時間はとても少なく済みます。

解説の内容としても、主要な学説を紹介するのと、関連判例に軽く触れる程度で済まされています。
 
なので、かなりテンポよく学習できる点は魅力的ではありますが、一方で、学説や判例の検討をしながら刑法理論をじっくり学習したいような方には向きません

刑法の各論点の主要学説や判例の考え方を短時間で復習する、あるいは、初学者の方が書く論点を一通り問題形式で学習するというのが良いかと思います。

また、問題集ではあるので事案形式の設問が出題されているのですが、解説で問題に対する解答(事案へのあてはめ)までは詳細に書かれていません。

「本問では〜〜〜となるであろう」というような、ざっくりしたあてはめの解説しかされていないものがほとんど(問題へのあてはめまで触れられていないものもあります)なので、問題を解く力をつけることは期待しない方が良いでしょう。

本書は問題演習というよりは、基本論点の主要な学説や判例を確認する程度の使用になると思います

『Law Practice(ロープラクティス)刑法』の良いところ

論点を一つ一つ事例形式で確認できる
 
『Law Practice(ロープラクティス)刑法』では、1問題につき1論点が基本となっています。
なので、どの論点がどのような事案で問題になるのかを確かめながら読み進めることができます
初学者が刑法の各論点を具体的な事案との関係で学習していくのに非常に役に立ちます。
また、自分の苦手な分野や確認したい論点があれば、その部分だけを読むという方法も簡単にできるのも良い点です。
普通の問題集だといろんな論点が一つの問題にまとめて出題されることが多いので、自分の必要とする知識だけをピンポイントで確認できるのがとてもオススメなところです。


短時間で大量の論点に触れられる
 
『Law Practice(ロープラクティス)刑法』の一番特徴的なのは、多くの問題が掲載されているがその一つ一つが短めの問題と解説で済まされていることです。
テンポよく読み進めることができ、あまり負担が大きくありません。
いろんな論点を確認的に学習したい方にとっては、短時間で大量の論点に触れることのできる本書は有益な書籍だと思います。


判例の立場を確認するのに便利
 
前述のように、自分の知りたい論点をピンポイントで学習できるため、判例の立場を確認するのに役立ちます
また、本書の事例問題はほとんど判例と同様の形で出題されているので、その意味でも判例の考え方を復習するのにぴったりです。
さらに上記に加えて、各問題につき、参考判例が挙げられているので、その判例を自分調べることをすれば当該論点についての判例の立場を一通り確認できます。

『Law Practice(ロープラクティス)刑法』のイマイチなところ


事案分析能力や処理能力(答案作成に必要な力)はあまり身に着かない

『Law Practice(ロープラクティス)刑法』は問題がすごく短く単純なので、特に深く考えさせるような問題は少なくなっています。
複雑な問題もあまり無く、その点では、事案分析能力や事案を処理する能力を鍛えることには適さないと言えます。
司法試験の問題を見ると刑法はかなり長文で複雑な事案の処理が求められる傾向にあるので、本書の問題のレベルでは太刀打ちできません。
司法試験を見据えて勉強するなら『刑法事例演習教材』や『実戦刑事実体法』などで複雑な事案への対応力を付ける必要があります。

関連記事:【書評】『刑事実体法演習』〜長文・複雑・難易度高めの刑法問題が特徴的な演習書〜


じっくり学習したい方にとっては物足りない解説

ロープラクティスシリーズは全部解説が薄めに作られています。
短時間で多くの事例に触れたいという方には、テンポよく読むことができるので良いのですが、じっくり深い学習をしたい方には物足りない解説になっています
特に、刑法は学説の対立も激しく、理論面もかなり精緻に検討する必要があります。
その点からすると、本書では深い理解ができないので、司法試験や予備試験を考えると不十分な内容になってしまうでしょう。
もっと深い学習をしたいのであれば『事例から刑法を考える 第3版』など難しめの問題集を使用するのをお勧めします。
本書を利用するなら、初学者や中級者の方が刑法の基本論点を軽く学習するというのが良いと思います。
試験対策には向かない

本書の解説では、特に答案の書き方や答案作成上の注意点に触れているわけでもなく、解答例のようなものもないので、あまり自分の答案作成の参考にはなりません
その意味で、本書はあまり試験向きの問題集ではないでしょう。

『Law Practice(ロープラクティス)刑法』はこんな人におすすめ

・初学者で短めの問題を通して刑法の学習をしたい人
・短時間で読める学者執筆の問題集が好みの人
・判例や主要学説をテンポよく学習したい人
・知りたい論点をすぐに確認しやすい問題集が欲しい人

なお、その他の書評一覧は⬇︎こちら⬇︎にまとめていますので、ご覧ください。
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