こんにちは

今回は私のオススメの刑法の基本書の書評を書いていきたいと思います。

刑法の基本書は色々あるのですが、個人的にはこれが圧倒的におすすめです。

ぜひ、刑法の基本書に悩んでいる方は参考にしてみてください。

『基本刑法I―総論』『基本刑法II—各論』

今回紹介していくのは日本評論社から出版されている基本刑法I―総論』『基本刑法II—各論』です!

基本刑法I―総論[第2版]

大塚 裕史,十河 太朗,塩谷 毅,豊田 兼彦 日本評論社 2016-03-22
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基本刑法II—各論

大塚 裕史,十河 太朗,塩谷 毅,豊田 兼彦 日本評論社 2014-10-16
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説明:著者は大塚裕史、十河太朗、塩谷毅、豊田兼彦の4人による共同著作

      基本シリーズの刑法で、総論と各論の2

      基本シリーズは現時点では他に『基本憲法』『基本行政法』が出版済み

      判例ベースで構成されている 
関連記事:【書評】『基本行政法』〜行政法の試験対策向けのおすすめ基本書〜 


評価と特徴

評価:95点

特徴:学者の基本書は自説を中心に判例等を紹介しながら各論点の解説しているのが一般的ですが、この書籍は判例と通説を中心に解説していくスタイルなので著者の自説を語るのは控えられています。


司法試験では基本的に判例の立場を勉強しないといけないので、判例と通説の立場を中心に勉強したい司法試験受験生や法科大学院生にはとてもオススメですね。


実際、法科大学院生のシェアは圧倒的ナンバーワンです。


山口厚さんの基本書も人気ですし、おそらく刑法学者の中では一番有名で権威のある学者(最高裁判事)なので、かなり優れた本であることは間違いないのですが、かなり理論的で難解な本なので読むのに苦労すると思います。


山口厚さんの本については、基本的には中・上級者向けでしょう。


それに対して、『基本刑法』については著者の大塚裕史さんを中心として解説がとにかく分かりやすくてガンガン読み進めることができます


なので、初学者から上級者の方まで幅広くオススメすることができる本です。


正直、そこら辺の予備校本を使うくらいなら基本刑法を買った方がいいです。


法律基本書としてはかなり珍しいのですが、予備校本よりも分かりやすくまとめられた学者の本です。


それもあって、学者の書いた予備校本という評価もされるくらいです。


司法試験の受験を考えている人で持ってない人はいないレベルなので、持ってないとかなり不安になるかもです(笑)


良い点

とにかく分かりやすくて読みやすい

  学者が書いた刑法基本書の中では圧倒的に分かりやすいです。おそらく、全く勉強していない人が他の基本書を読むと刑法が嫌いになると思いますが、これはスラスラ読めるので最初に読むものとしては一番いいと思います。


判例と通説を中心に構成されているので試験的には非常に有益

  司法試験や予備試験では判例の立場を踏まえつつ問題を解いていくということが求められます。なので、判例を中心に構成されている基本刑法は非常に有難いものです。扱っている判例の多さも魅力的なポイントです。


重要論点という形で試験的に重要な点をまとめている

  基本刑法の解説は、まず基本事項の確認をしてその後に重要論点の検討をする、という形式で行われます。論点の確認だけしたい人はその部分を読めばいいし、逆に基本事項を全体的に確認したいのであれば最初の方だけ読めばいいです。このように、構成も分かりやすいし、試験的に重要な論点はそれぞれ別枠でも解説されているのでとても使いやすいです。


コラムに答案を書く際の注意点まで書かれている

  基本刑法ではコラムの中で試験で答案を書く際の注意事項にも触れていたりします。これがとても役に立ちますし、予備校本っぽいなぁ、と感じさせるとこですね(笑)


最終章で論文対策について書かれている

  基本刑法総論の最終章には論文対策についても書かれています。かなり実践的で司法試験受験生にとっては有益です。学者からの答案作成上の注意は他の基本書ではされていないので、この本特有のメリットです。


残念な点


分厚いので持ち運び大変

  分厚いですけど意外に軽いです(笑)でもやっぱり厚いし総論と各論揃えると嵩張りますね。もしも気になるようならKindle版もあるので、そちらを購入すると便利ですよ。


深みのある議論はされていない

  基本的に判例ベースでコンパクトにまとめられている感じなので、全体としてレベルはあまり高くないです。司法試験合格くらいなら基本書は『基本刑法』で十分だと思いますが、もっと深く理解したい方は、他の基本書もこれと併せて使うと良いでしょう。


共同著作、判例中心ということで所々統一感に欠ける印象がある

  複数で書いているので仕方がないところはあるかもですが、全体としての統一感については欠けていると思ってしまいます。やはり、理論的一貫性は1人の学者が書いたものの方が優れているかもです。


理由付けが薄い部分がある

  判例の理解をコンパクトにまとめるというコンセプト故にといった所からでしょうか、理由付けが薄いと感じることもあります。試験的にはそれほど問題となりませんし、他の基本書も薄い部分はあるので、大きなデメリットというわけではありませんが、適宜問題集や参考書で保管する必要があります。


総評

刑法勉強するならとにかくこれ買っとけ、って感じの本です。


おそらく、刑法の基本書の中では最良のものでしょう。


ほんと、分かりやすいし試験向きに作られてるので重宝します。


司法試験的には刑法の基本書はこれだけ購入しておけば大丈夫でしょう。


もしも、刑法が大好きとかめっちゃ得意ですということなら、山口厚さんの『刑法』が良いと思いますが、そうでもない人(特に司法試験合格が目標の人)は『基本刑法』と判例集を読んで問題集や過去問を解いていけば十分だと思います。



最期までご覧いただきありがとうございました。

みなさんの参考になって入れば幸いです。