書籍紹介(法律系)

刑法のおすすめ基本書・参考書・演習書など【司法試験一発合格者が推薦】

(この記事はプロモーションを含みます。)

今回は刑法の基本書や判例集などの書籍のうちおすすめできるものをご紹介していきたいと思います。

初学者、法学部生、司法試験・予備試験受験生、法科大学院生など、刑法学習者それぞれの段階におすすめな刑法の基本書や演習書などをまとめていきますので、刑法学習の参考になれば嬉しいです。

特に、司法試験合格を目指すためにおすすめできる刑法の書籍、という視点からまとめていきます。

 

Contents

司法試験・予備試験の受験生におすすめな刑法の基本書ランキング

【1位】 『基本刑法』

ランキング1位 『基本刑法総論』『基本刑法各論』

とにかく解説が圧倒的に分かりやすく丁寧な刑法のおすすめ基本書。
法科大学院生・司法試験受験生・予備試験受験生など刑法学習者のほとんどが今では『基本刑法』を使用していると思われるくらいに人気のある定番基本書
ケースとして短い事例が記載され、それを使いながら解説しているため、具体例をイメージしながら刑法学の抽象論を学習できる。
刑法が苦手な人でもとりあえず『基本刑法』をメイン基本書として利用しておけばよし
『基本刑法』の特徴として、判例・通説をベースに解説していて、著者独自の見解や少数説からの記述は控えめになっている。
また論文答案の書き方など試験対策を意識した内容があるのもポイント。
司法試験や予備試験では判例・通説の見解がとにかく大切になるので、受験予定の人は『基本刑法』がダントツでおすすめ

 

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【2位】 『山口刑法』

 

ランキング2位 『山口刑法』

 

現在、刑法学会の中では圧倒的な権威を有している山口厚先生による基本書
山口厚先生は司法試験や予備試験の受験を目指す人ならば一度は名前を聞いたことがあるだろう著名な学者だが、現在は最高裁判事として司法実務に携わっている。
その大先生による基本書ということでやはり司法試験受験生の中での使用率も高い
『基本刑法』と比べると難解な記述があったり、山口説をメインとした内容となっているので、試験向き度は比較的落ちる
もっとも、論理的一貫性があることや判例への批判的見解も学べる点は本書のメリット
刑法理論を抽象的に学習していくことに苦痛を感じないのであれば刑法の理解が深まるためおすすめ。
刑法が得意な人や刑法の学習が進んでいてさらにレベルアップしたい人におすすめできる。

 

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【3位】 『西田刑法』

 

ランキング3位 『西田刑法』
刑法の基本書の中でも『西田刑法』の使用率はそこそこ高い。
もっとも、現在ではランキング1位の『基本刑法』と2位の『山口刑法』の使用率が圧倒的に高い状況なので、それらと比較するとそれほどでもない。
現在は、西田先生の後を継いで新進気鋭の刑法学者である橋爪隆先生が筆を執り改訂版が出版されている。
内容面はかなり平易で分かりやすい解説になっていることと、論文答案で必須となる保護法益や要件の定義がきっちり記載されていることが高評価。
司法試験や予備試験との関係では、文言の定義が記載されているため自分の答案や論証作成の素材として使いやすい
判例など具体的な事例を数多く挙げていることも受験生向きなところ。
『基本刑法』で「分かりにくい」と感じるなら、一度『西田刑法』に目を通して見ると良いかもしれない。

 

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初学者におすすめな刑法の基本書・参考書・演習書

ここでは法律初学者に向けておすすめな刑法の基本書・参考書・演習書をまとめます。

具体的には以下のような方におすすめな本です。

  • 全く刑法を勉強したことない人
  • 法学部1〜2年生
  • 法科大学院生(未修生)

刑法の学習をこれから始める人やまだ学習開始から間もないという人はここで挙げている刑法の基本書や参考書などを使用して、刑法学の全体像や基本的な知識を頭に入れることをおすすめします。

 

【入門書】 『伊藤真の刑法入門』

 

 

刑法のみならず法学の入門書としては、まずは『伊藤真の〇〇入門シリーズ』を利用する人が多いと思いますし、実際にかなり基礎的な知識を端的に解説しているのでおすすめできます。
初学者が一から刑法の学習を始めるのであれば、学者が執筆した基本書を使用するよりは予備校から出版されている入門書を使用した方が効率よく学習できます。
本書は刑法の書籍の中でもかなり薄くてボリュームが少ないので、刑法の基礎をざっと学ぶのにはうってつけの入門書です。
なお、もしも司法試験受験を見据えて、刑法学習初期の段階で学者執筆の基本書をガンガン読んでいきたいのであれば、刑法のおすすめ基本書ランキング1位に選んだ『基本刑法』を使用することをおすすめします。

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【基本書】 『伊藤塾 呉明植基礎本シリーズ Go!シリーズ』

 

こちらも伊藤塾から出版されている刑法の書籍ですが、学部生など法学初学者にはかなりおすすめな入門書です。
特に良い点は、記述が最小限の量で抑えられていて非常にコンパクトということと、各論点につき重要度に応じたランクづけ(A、B、Cという感じ)がなされていることです。
このおかげで重要な部分はしっかり読んで、重要度の落ちる部分はさらっと流し読みするというメリハリをつけられます。
特に初学者の段階で全てを詰め込むのはハードルが高いので、しっかり理解するべき基礎基本が一目で分かる作りの『Go!シリーズ』は使いやすいです。
あと、論文答案作成に役立つ論証パターン集が付されているのも、答案のイメージが掴めていない段階の初学者には便利な点です。

本書について詳しくは下記の記事をご覧いただけると参考になります。

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【判例集】 『刑法判例50!』

 

初学者向けの判例集としては『刑法判例50!』がおすすめできます。
あとで紹介する『判例百選』などの判例集も良いのですが、初学者の段階だとまずは主要論点の判例だけがまとめられた『刑法判例50!』を利用した方が刑法の学習が楽に進みます
『判例百選』は司法試験や予備試験の短答試験でしか出題されないような重要度の低い判例も収録されていたりします。
なので、刑法初学者はまず重要判例のみが掲載されている『判例50』を利用して、その後にあとで紹介する基本書や『判例百選』を利用して刑法知識を広げていくのがおすすめです。

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中級者以上におすすめな刑法の基本書・参考書・演習書

ここでは中級者以上におすすめな基本書・参考書・演習書をまとめます。

  • 予備試験受験生
  • 法学部3〜4年生(ロースクール受験生)
  • 法科大学院生(既習生)

刑法中級者になると司法試験や予備試験を意識する必要があります。特に論文試験で各論点につき自分の立場から法的三段論法に沿って答案を作成していくことをイメージする必要があるので、その観点から試験向きの基本書や参考書や演習書などを選びました。

 

【基本書】 『基本刑法I 総論』『基本刑法II 各論』

 

判例・通説をベースに解説されている人気ナンバーワンの刑法基本書です。
中級者になるとある程度網羅性があり試験向きの基本書を利用するのが良いと思いますが、まさに本書は網羅性・分かりやすさともに素晴らしく司法試験や予備試験受験生向きの基本書と評価できます
判例・通説を基軸に解説されていて著者独自の見解や少数説からの記述は少ないため、その分かりやすさも相まって「学者が作った予備校本」とも称されるほどです。
刑法の基本書に悩んでいるのならとりあえず『基本刑法』を選んでおけば間違いないというくらいおすすめ。

なお、『基本刑法』については下記の記事で詳細を書評としてまとめていますので、ぜひご覧になっていただけると参考になります。

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【演習書】 『ロースクール演習刑法』

 

 

本書は『受験新報』という法律雑誌の演習問題がベースとなっているようですが、解説が明快で分かりやすい点と解説の最後に答案作成上の注意点が記載されている点が法律試験受験生などの学習者に非常に有益な特徴です。
問題のレベルはそれほど高すぎるわけではないので初学者が使用するのも良いですが、特に試験を意識して勉強している中級者の方にはとてもおすすめできる刑法の演習書です。
学説の対立には深く入り込まず判例や通説に沿って解説が進みますので試験対策向きの演習書と評価できますし、実際にロースクール生や司法試験・予備試験受験生の中でも使用したことがある人は多いです。
残念な点は網羅生に欠けるところですが、重要論点についてはある程度押さえられているので、刑法の学習が相当進んでいる人以外はそれほど気にする必要もないと思います。
刑法の演習書の中ではトップクラスにおすすめできます。

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【参考書】 『工藤北斗の合格論証集』

 

 

こちらは「アガルートアカデミー」という法律資格予備校の代表かつ講師の工藤北斗先生が作成された論証集です。
論文試験で必要となる「論証」をパターン化してまとめた書籍で、規範・理由づけ・あてはめという法的三段論法に則った論証の形が把握できます
「論証」の形が掴めていない学習初期段階の人でも論文試験の論証方法が理解できるというメリットがあるのに加えて、判例中心の論証で最新判例まで反映されているのでかなり答案作成の参考になります。
とにかく、論文答案を書けるようになる、という観点からすると非常に使い勝手の良い参考書ですし、実際にロースクール生など司法試験受験を目指している人の多くが本書を使用しています
本書の論証を参考に自分なりにアレンジしつつ答案作成や論証パターンの作成を行うのがおすすめです。

なお、「アガルートアカデミー」では『2019 司法試験 論証集の「使い方」』という講座がありますのでそちらを併せて受講するのも良いかもしれません。

アガルートアカデミー」については下記の記事で評判や特徴をまとめていますので、ご覧いただけると参考になると思います。

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【判例集】 『刑法判例百選』

 

法学を専攻にしている方なら知らない人はいない『判例百選』シリーズの「刑法」です。
刑法試験対策のための判例集としては本書で十分こと足りると思いますし、司法試験受験生や予備試験受験生の中でも使っていない人はいないと言っても過言ではないくらいメジャーな判例集です。
判例集に困ったら『判例百選』を持っておけば失敗することはないのでおすすめできます。
解説が短めの判例集が好みなら『判例プラクティス』や『最新重要判例250 刑法』もありますが、多くの刑法学習者は『判例百選』を使っているのでこちらを選ぶのが無難だと思います。
少なくとも司法試験や予備試験との関係では『判例百選』さえ潰しておけば刑法の判例知識で他の受験生に遅れをとることはありません

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上級者向けのおすすめな刑法の基本書・参考書・演習書

ここでは中級者を超えて上級者レベルに達した人に向けておすすめの基本書・参考書・演習書などを紹介していきます。具体的には以下のような人に参考にして頂けたら良いと思います。

  • 司法試験受験生
  • 刑法が得意&好きな人
  • 学問的な視点から刑法を学習したい人

基本的には司法試験受験レベルになっている人に向けて、さらなるレベルアップのために役に立つと思われる書籍をまとめていきます。刑法が苦手な人は中級者向けのおすすめ基本書などを何回も読んで頂ければ十分だと思います。

【基本書】 『山口刑法』

 

前述の刑法おすすめ基本書ランキングで2位に選ばせていただいたのですが、刑法の学習がかなり進んでいる上級者にとっては一番おすすめできるかもしれません。
学説の有力説や判例に対する批判的見解まで学習したい人は『山口刑法』をまずは一読して、その後他の学者の基本書に進んでいくのが良いでしょう。
正直、司法試験や予備試験を考えるともっと分かりやすい『基本刑法』があるのでそちらで十分だと思われますが、主要な学説の理解をするのは例えば短答試験などで役に立つので無駄にはなりません。
一通り刑法の起訴知識を身につけたと余裕を感じる人は『山口刑法』に目を通して見ても良いと思います。

なお二冊に別れている『山口刑法総論』『山口刑法各論』もありますが、こちらの方が詳細である一方でレベルが高く難解かつ読むのに負担があるので、これらは司法試験受験生のうち余力のある人以外にはあまりおすすめしません。

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【判例集】 『判例刑法総論』『判例刑法各論』

 

こちらは刑法判例集の決定版とも言える書籍です。
山口先生や西田先生に加えて佐伯先生や橋爪先生など、刑法学会の権威が勢揃いして判例集の作成がなされているため、その信頼性や学問的価値の高さはかなり担保されています
各分野の重要判例が揃っているので、判例研究を徹底的に行いたいという方には非常に力になりますが、全て読むのにはかなり忍耐力を要するかもしれません。
本書を完璧に読むことができれば、判例理解の点では他の学習者に劣ることはなくなると思います。
判例知識を徹底的に頭に叩き入れたいという方におすすめできます。

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【論文】『刑法総論の悩みどころ』『刑法各論の悩みどころ』(法学教室連載)

 

こちらは書籍ではないのですが、『法学教室』という法律雑誌に橋爪隆先生が連載されていた『刑法総論の悩みどころ』、『刑法各論の悩みどころ』という論文です。
正直、レベルは高いし全部合わせるとボリュームも多いので読むのはハードですが、司法試験や予備試験で出題頻度の高い刑法の重要論点についてとにかく論理的に解説されています。
簡単な事例を使いながら、判例の立場を解説・学者の見解や橋爪先生の考え方が明快に示されているので、非常に勉強になります。
司法試験受験生は自分の苦手あるいは理解できていない部分だけでも一度読んでみることをおすすめします

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刑法事例演習教材

 

 

『刑法事例演習教材』は司法試験刑法論文問題のネタ本とも噂され、その影響もあり多くの司法試験受験生や予備試験受験生に使用されている刑法の定番演習書です。
問題の質が高く、刑法総論・各論の論点が満遍なく出題されます。
もっとも、本書の特徴として解説が非常に薄く、これだけで問題に対する理解がしっかりできるのかというとかなり難しいかもしれません。
なので、多くの方は数人で自主ゼミを組んで答案作成・検討したり、「アガルートアカデミー」の『「刑法事例演習教材」解析講座』という講座などを受講して本書を使用しています。
個人学習のために使うとしても本書の問題に対して答案を作成して、本書の解説を読むと同時に『山口刑法』などを使って論点の理解を深めるのが良いでしょう。
司法試験受験までに一度は本書に掲載されている事例問題を解いておきたいところですが、刑法の論文問題に対して答案を作成できる力がつくまでは他の基本書を使用するのをおすすめします。

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まとめ

司法試験の合格を目指すのであれば、一番おすすめな基本書は使用率がトップの『基本刑法です。とりあえず、刑法の基本書選びに悩むのであれば『基本刑法』を使うのが良いです。

あとは判例百選』もほぼほぼ必須アイテムになるので持っておくべきです。

他はロースクール演習刑法』あるいは『刑法事例演習教材』のいずれかを使用して問題を解きながら、理解が足りていない論点を上記の基本書や判例集で調べていけばOKです。

その他の書籍に関してもおすすめではありますが、とりあえず必須なのは『基本刑法』・『判例百選』・何か演習書で、その他は自分の実力や試験までの時間に合わせて使用していくのがおすすめです。

 

最後までご覧いただきましてありがとうございました。皆様の基本書や参考書選びのお役に立てて入れば幸いです。

当ブログでは他にも様々な法律学習に役立つ情報を発信していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。