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今回は、弁護士が扱う案件の中でも特に多い家事事件に役立つ実務本、『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』について、特徴や評価をまとめて書評を書いていきたいと思います。
一般民事を扱う法律事務所に所属している弁護士にとっては,離婚や相続などの家事事件は定番の案件になりますが、『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』はそんな弁護士にとって非常に有益です。
個人的に、家事事件で調停条項案や示談書・合意書などを作成する際に参考にする書籍と言えば『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』というくらいには、お世話になっている書籍です。
そんな私の感想を踏まえつつ、この記事では『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』の良い点・イマイチな点などの評判や情報を書いていきます。
一般民事や家事事件の案件を扱う法律事務所に就職予定の司法修習生の方や独立希望の若手弁護士の方にとって非常に役立つと思いますので、ぜひとも本記事の内容を参考にして頂けると嬉しいです。
Contents
『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』の情報
今回紹介するのは、司法協会から出版されている『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』です!!
著者は、弁護士の星野雅紀先生です。
監修として、東京簡裁判示の河野清孝氏、東京家裁調停委員の野上康雄氏、司法書士の鈴木龍介先生、佐々木摩弥子先生が入っています。
『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』の特徴と評価
『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』は、離婚や相続といった家事事件の分野の調停条項例を掲載している条項例集です。
弁護士の先生が著者となり、そのうえで家庭裁判所の判示や調停委員、司法書士の先生までも監修に入っていますので、信頼性は抜群でしょう。
全体で約180頁あり、離婚関係が約80頁、相続関係が約100頁あります。
その全てで調停条項例を扱っていて、離婚や相続の基本的な条項例もあれば、少し珍しい事例で使う条項例も豊富に掲載されているので、家事事件の調停条項例はほぼ全て網羅していると言っても過言ではありません。
条項例の中には、「コメント」としてポイント解説されているものもあり、なぜその条項例になっているのかが分かるような工夫もあります。
一方で、家事事件の調停条項例をまとめて掲載しているものであって、具体的な法律の解説や手続きの解説は無いので、その点を勉強したいという人は他の書籍に頼る必要があります。
調停条項例を幅広く掲載している本書は、家事事件を扱っている弁護士にとっては非常有益な実務本と言える上に、価格が2000円以下という手軽さも相まって、非常にコストパフォーマンスの高い書籍と評価できます。
本書一冊あれば、家事事件における、示談書や合意書、調停条項案の作成で困ることはほぼ無いと思いますので、家事事件を扱う可能性のある弁護士の方には、ぜひおすすめしたい一冊です。
『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』の良いところ
まずは、『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』の良いところを書いていきます。
家事事件の調停条項例が網羅的に掲載されている
『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』の特徴は、家事事件の調停条項例がかなり豊富に掲載されている点です。
離婚や遺産分割などの基本的な調停条項例も掲載されていますし、比較的マイナーな事例での調停条項例も掲載されていて、網羅性はかなり高いと言えます。
家事事件を扱っていると交渉で離婚協議書や示談書や合意書を調停では調停条項案を作成する業務が生じることはよくあります。
その際に参照する書籍として、様々なパターンを想定して条項例を掲載している本書は、家事事件を担当する弁護士にとって非常に有益です。
専門家による監修で信頼性が高い
『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』は、弁護士が著者となり、監修として家庭裁判所の裁判官、調停委員、司法書士の先生も付いていますので、信用性が非常に高い書籍になっていると言えます。
著者の星野雅紀先生は、もともと家庭裁判所の所長であったという点も実用性の高さを担保しているポイントと言えます。
まさに、家事事件のスペシャリストと言えるような方々が著者や監修になって作成されていますので、これ以上に実用的で信頼できる条項例集はなかなか無いと思います。
家事事件に関わる弁護士、それ以外にも離婚協議書や遺産分割協議書などの合意書を作成する行政書士や司法書士などの専門家にとって、適正な条項作成に役立つ実用的な参考書として非常に高く評価できる一冊です。
『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』のイマイチなところ
つぎに、『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』のイマイチなところも書いていきます。
家事事件の条項例以外の情報はほぼ掲載されていない
『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』は条項例の掲載に特化している実務本です。
一般的な実務家本では、家事事件などの法律解説や手続きの説明をしているのに加えて、一部、和解条項案や合意書の書式を掲載するという形式のことが多いです。
一方で、本書では、そのような解説はほとんど記載されておらず、あくまで条項例を掲載しているのがほぼすべてという形になります。
その意味では、本書は、和解案や調停条項案や合意書等の作成時に、辞書的に条項の記載例を探すという使い方がメインになるでしょう。
もしも家事事件について一から勉強したいと考えているなら、本書に頼るのではなく、解説本を使用するべきで、本書はサブ的に使用するのが良いです。
条項例の趣旨や文言の意味などは自分で学習する必要がある
『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』は条項例が豊富に掲載されている一方で、なぜその条項例の文言になっているのかという点を細かく解説しているわけではありません。
もちろん、一部「コメント」という形でポイント解説をしている条項例もありますが、全てにコメントや解説がついているわけではありません。
殆どの条項例は、当然条項を読めば意味内容は分かると思いますが、もっと条項例を深堀したいという場合には、他の書籍などを使用して知識を補完する必要があります。
自身が作成した条項例の意味内容やその条項が入っている理由などを依頼者から質問されて答えられないと恥ずかしいので、もしも不安という人は、調べたい部分があれば他の書籍等を使用して、調べるようにしましょう。
『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』はこんな人におすすめ
・司法修習生
・一般民事を扱う法律事務所に就職した人
・若手弁護士
・家事事件の案件を扱う弁護士
調停条項例を網羅的に掲載している弁護士向けの本で、家事事件を扱う弁護士にとっては参照することが多いので非常にお勧めです。離婚や相続の案件を受ける可能性があるという弁護士の方は、ぜひ『すぐに役立つ 調停等の条項例集 -家事編-』を購入して手元に置いておくのをお勧めします!