こんにちは

今回はNewえんしゅう本〈4〉民事系商法の書評を書いていきたいと思います。

商法の勉強をしていて演習書を探している方は、この記事で『Newえんしゅう本〈4〉民事系商法』の特徴や評価をまとめていきますので、是非参考にしてみていただけたら嬉しいです。

『Newえんしゅう本〈4〉民事系商法』 辰巳法律研究所


今回書評を書いていくのは、辰巳法律研究所から出版されているNewえんしゅう本〈4〉民事系商法です!!

Newえんしゅう本〈4〉民事系商法

辰已法律研究所 辰已法律研究所 2016-04-01
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『Newえんしゅう本〈4〉民事系商法』の評価と特徴


『Newえんしゅう本〈4〉民事系商法』は辰巳法律研究所から出版されている予備校本

旧司法試・験予備試験過去問を中心に構成されている問題集です。

旧司法試験が平成14年〜22年
予備試験が平成23年〜27年
と旧司法試験と予備試験の問題を多く取り扱っています。

問題の数が多く一つ一つの解説が短めなのが特徴的です。

問題数は全部で40問
それぞれ4ページ程の答案構成例と4ページ程の軽めの解説がついています。

問題→答案構成→解説→出題趣旨という流れの構成

問題のレベルとしては、司法試験や予備試験の過去問を中心としているので少しレベルが高いかもしれません

ただ、使われている論点は主要論点が中心なのですごく実践的な演習書になっています

なので、基本的には中級者向けの問題集だと思います

とはいえ、会社法を一通り勉強した方であれば十分使うことができると思います

答案例ではなく答案構成がついているのと解説がすごく短いところから、使い方としては問題を自分で解いてその答えを軽く確認するという感じになるでしょう

本書を使うとしたら問題演習によるアウトプットが中心となると思います。

逆に商法(会社法)の知識を深く学習して身につけるというインプット型の勉強には向いていないでしょう。

インプットを中心に勉強したいという方は、『会社法』や『会社法 第4版 (LEGAL QUEST)』などを使って調べる、あるいは『事例で考える会社法 第2版 (法学教室ライブラリィ)』を利用するのをお勧めします

『えんしゅう本』はあくまでたくさんの問題に触れるために使うのが良いと思われます。

短期間で大量の論点に触れたいという時に役立つので、試験前や直前期にサラッと主要論点の確認をするのという使い方が良いです

『Newえんしゅう本〈4〉民事系商法』の良い点


問題数が多い
 
『えんしゅう本』では収録されている問題が全体で40問と多めになっています。
20〜30くらいの問題数の書籍が多い中で、40問も取り扱っているのは良い点ですね。
それぞれの問題に複数の論点が含まれていますので、『えんしゅう本』の問題を全てやることができれば、かなりの問題に触れることができると思います。


主要論点は網羅している
 
問題数の多さによるところも大きいですが、『えんしゅう本』は試験で頻出の主要論点を一通り網羅しています。
特に、利益相反取引など試験的に超重要論点については複数の問題で触れられていますので、問題演習を通して重要論点に対する慣れを養うことができます。
設立・株式・取締役の責任・株主総会・計算・資金調達・組織再編・商法総則・手形法というように、商法のあらゆる分野から問題が出題されているので、とにかくたくさんの問題をこなしたいという方にはオススメできる問題集です。


旧司法試験や予備試験の問題を中心に構成している
 
本書の特徴は問題が旧司法試験や予備試験のものを多く使っているところにあります。
他にもオリジナル問題があるのですが、基本的には過去問を素材にしているものが多いです。
なので、試験でどのように問われていたのか、どの論点が頻出なのか、といったことを把握するのにも向いています。
出題趣旨があるものはちゃんと引用されているので、過去問検討という意味合いでも利用できるかもしれません。
 

商法総則や手形法の問題もそこそこある
 
司法試験等では会社法の出題が多いので、市販の問題集もやはり会社法の問題を中心にして、商法総則や手形法を全く扱わないものもあります。
そのような中で、本書では商法総則が2問、手形法が6問(論点の一部に含んでいる問題も含めるともっとあります)と他の問題集と比べると多めに扱っています。
わりと手薄になりがちなので、商法総則や手形法の問題をしっかり収録してくれているのはありがたいですね。

『Newえんしゅう本〈4〉民事系商法』のイマイチな点


答案例はついていない(答案構成・答案の流れだけ)
 
『えんしゅう本』には予備校出版の問題集としては珍しく、答案例がついていません。
例えば、『商法 (伊藤塾試験対策問題集-予備試験論文 7)』『司法試験予備試験 新・論文の森 商法<第2版>』のように、予備校が出版している問題集は参考答案がついていることが多く、答案の書き方をイメージすることができます。
しかし、本書は答案例の代わりに答案構成がついているだけです。
なので、具体的な答案の書き方を学ぶというよりも、答案の流れをサラッと把握するという使い方になります。
答案例がついているものが良いという方は、上記のような他の予備校出版問題集を使う方が良いと思います。


解説が物足りない部分もある(全体的に薄い)
 
解説が基本的な知識や判例の確認程度にとどまります
なので、主要論点は特に問題ないと思いますが細かい論点や現場思考型の問題の解説はかなり物足りない感があります。
例えば、「結論はいずれでも良いが自分なりにきちんと理由づけがなされている必要がある」、というような感じで、特に論点の解説をすることはなく自分なりに考えて答えを出せと突き放すような部分があります。
解説のほとんどは主要学説と判例を引いてくれるのですが、たまに上記のような物足りない部分があり、それはたいていの場合は現場思考型の論点なのでそこまで詳細な解説の必要性はないかもしれません。
しかし、ちょっと物足りない解説を不満に思うような方であれば、教科書や他の問題集で補完して勉強する必要があるかも。

こんな人にオススメ

・主要論点にたくさん触れたい人
・とにかく問題を解きまくりたい人
・試験直前の総復習用問題集を探している人
・商法中級者

Newえんしゅう本〈4〉民事系商法

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