こんにちは

今回は予備試験の行政法の問題を解説している『実戦演習 行政法―予備試験問題を素材にして』について書いていきたいと思います。

予備試験では行政法まで手が回っていない人が多いのですが、本書は予備試験の問題を素材とした問題集なので予備試験対策として非常におすすめできます。

今回の記事で『実戦演習行政法』の評価と特徴、良い点やイマイチな点をまとめていきたいと思いますので、参考にしていただけたら幸いです。

『実戦演習行政法ー予備試験問題を素材にして』土田伸也著 弘文堂

今回紹介するのは『実戦演習行政法ー予備試験問題を素材にしてー』です!!


著者は中央大学大学院法務研究科教授の土田伸也氏です。

『実戦演習行政法ー予備試験問題を素材にしてー』の評価と特徴


予備試験の行政法問題を素材とした問題集
 
初学者向けの行政法の問題集として非常に好評の『基礎演習 行政法 第2版』の著者である土田伸也教授が執筆しているだけあって、図解や表も使いながら丁寧で分かりやすい解説がされています。
なお『基礎演習行政法』も⬇︎で書評を書いているのでぜひ読んでください。 
【書評】『基礎演習行政法』〜行政法初学者が基礎を固めるためにおすすめな演習書〜 

『実戦演習行政法』の取り扱い問題は平成23年から29年までの予備試験行政法問題7問。

構成としては
問題➡︎解説(基礎編・応用編・展開編)➡︎出題趣旨➡︎参考答案
という流れになっています。

解説は基礎編・応用編・展開編の3段階で行われています。

基礎編は処分性や原告適格や訴訟類型ごとの要件など行政法の基礎知識について解説されている。この部分は初学者でも分かるくらい丁寧な解説がされているため、初学者が読むと非常に勉強になります

応用編は基礎編で扱った基本的知識を前提として予備試験の問題の解説を行っています。 
要件の確認、問題となる論点、事実のあてはめといった具体的な試験問題を実際に解くために必要となる作業を解説していきます。

展開編では、出題とは直接関係があるわけではないが、関連する論点や判例などについて補足的な解説をしています。
純粋に予備試験の解説を求めているのであればこの部分は読む必要ないでしょう。

本書のレベルとしては予備試験問題を扱っているので非常に簡単というわけではない。
 
でも、司法試験を目指すレベルの人からすると決して高いわけでもないです。
 
解説も基本知識を丁寧に説明しているし、問題の参考答案まで付いているので初学者の勉強にも十分役に立つでしょう。
 
なので、総合的には初学者〜中級者向けの問題集と言えます。

行政法の試験に頻出の重要論点を取り扱っている点、参考答案が付いている点を考えると、非常に試験対策向きの問題集と評価できます。

もしも『実践演習行政法』を読んでもなかなか理解できないようであれば、まずは『基本行政法 第3版』などの基本書で重要論点の部分だけでもある程度理解しておくと良いでしょう。
【書評】『基本行政法 第3版』〜行政法の試験対策向けのおすすめ基本書〜 

『実戦演習行政法ー予備試験問題を素材にしてー』の良い点


・予備試験の問題を解説している
 
『実践演習行政法』は題名からも明らかな通り予備試験の過去問を題材とした問題集です。
予備試験問題の解説は少ないので貴重な1冊と言えます。
特に予備試験は行政法が勉強不足になりがちなので、それを補完するには非常に有益ですね。
予備試験受験を予定している人の予備試験行政法の論文試験対策としてはピッタリです。
 

・参考答案例付きの問題集
 
『実践演習行政法』は各問題の解説の最後に参考答案例が付いています。
参考答案例では設問で問われていることが端的に示されているためかなり勉強になりますし、何より答案の書き方を具体的にイメージできるのでとても良いポイントです。
特に予備試験問題の参考答案は少ないので予備試験受験生には非常に有り難いですね。
 

・バランスの取れた解説
 
基本知識の解説は勿論のこと、問題を解くために考えるべきことやあてはめまで具体的に解説されているのは良い点です。
学説や判例の解説が中心になってあてはめの解説が薄いという問題集もある多く存在する中で、本書は全体的にバランスの良い解説になっています。
初学者も予備試験受験者も自分の勉強で必要な部分を中心に読めば良いので、かなり使い勝手の良い問題集だと思います。

『実戦演習行政法ー予備試験問題を素材にしてー』のイマイチな点


トピックに偏りがある
 
予備試験問題を扱っているため予備試験に出題されている論点にしか触れることができません。
なので、もっとたくさんの論点に触れたいという人は 『事例研究行政法』や『ロースクール演習 行政法』などを使った方が良いです。
とはいえ、行政法で超重要論点の処分性、原告適格、訴えの利益、裁量処分などは当然予備試験でも出題されていて、本書でも解説されているためそこまで不十分ではありません。
 

問題数が少ない
 
平成23年から29年までの7問しか収録されていないため、問題集としてはかなり問題数が少なめになっています。
予備試験対策としては過去問を扱っているため有用なのですが、司法試験やロースクール入学試験を考えると物足りないですね。
なので、本書だけでなく前述したような問題集を使用して多くの問題を解いていくのが良いです。

こんな人におすすめ


・予備試験受験予定の人
・一通り行政法を勉強した人
・基礎演習行政法をやり終えた人
・基本論点を中心に解説している問題数を探している人

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