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こんにちは
今回は、家族法の基本書の中でも特に初学者にオススメできる『家族法 — 民法を学ぶ 第3版』の特徴や評価をまとめて書評を書いていきたいと思います。
司法試験や予備試験の学習をしている方の中でも、家族法を手薄にしている人は多いと思います。
でも、短答式試験ではもちろんのこと、論文式試験でも家族法からの出題はありますので、その対策として『家族法 民法を学ぶ 第3版』で家族法の全体像を押さえておくのが非常にオススメです。
家族法の基本書探しに悩みを抱えている人は、ぜひ本記事の内容をご参考にして頂けると良いかと思います。
Contents
『家族法 民法を学ぶ 第3版』 窪田充見 有斐閣
今回紹介していくのは、有斐閣から出版されている『家族法 — 民法を学ぶ 第3版』です!!
著者は、神戸大学大学院法学研究科教授の窪田充見先生です。
『家族法 民法を学ぶ 第3版』の特徴と評価
『家族法 民法を学ぶ 第3版』で一番目を引く特徴は、ユーモラスな表現で分かりやすく解説されている点です。
法学の基本書、、、となるとかたくて抽象的な表現で解説されている印象があるかと思いますが、本書は全くそんなことがありません。
もちろん、法学の基本書なので法律の文言等の抽象度の高い単語も出てくるのですが、それを具体例や比喩を挙げつつ非常に丁寧に解説しています。
時にユーモアを交えた記述も出てきて(多くはありませんが)、法学の基本書とは思えないくらいの読みやすさがあります。
なので、本書の対象者としては家族法初学者〜中級者くらいかと思われるところ。
全体では500頁を超えるボリュームになっているにもかかわらず、それほど苦痛を感じることもなく通読することができるでしょう。
本書は、元々『法学教室』という雑誌で掲載されていた連載論文を書籍化したものということで、各項目で家族法のテーマ(例えば婚姻の成立とか親権とか)を扱っています。
本書を通読すれば家族法の全体像が把握できるように構成されていますので、基本的には通読することが前提となるかと思います。
簡単な設例が記載されていることも多く、具体的な事案をイメージしながらの学習もできます。
ところどころコラムという形で、詳細な解説だったりよくある疑問に対する回答なども掲載されていますので、それも学習の一助になります。
巻末には家族法と租税法が関わる問題について慶應義塾大学教授の佐藤英明先生とコラボした特別講義が収録されています。
司法試験の租税法選択者でない限り、試験対策としては読む必要性は低いと思いますが、興味のある方は(50頁ほどなので)読んでみても良いかもしれません。
『家族法 民法を学ぶ 第3版』の良いところ
ここからは『家族法 民法を学ぶ 第3版』の良いところについて簡単に挙げていきたいと思います。
丁寧に噛み砕いた解説
全てがそうであるわけではありませんが、本書ではところどころで冗談めいたことが記述されていて、思わずクスッとくることもあるかもしれません。
また、学者執筆の基本書にありがちな、難解で抽象的な記述もそこまで多くなく、むしろ非常に噛み砕いて解説してくれています。
このように、学習者が挫折することなく理解できるような工夫が散見されるのが、特に初学者にはオススメできるポイントです。
短答試験&論文試験の対策にぴったり
本書は司法試験や予備試験の短答試験&論文試験、両方の対策として有益な基本書です。
細かい条文にも触れて解説している点で短答式試験に使えますし、頻出論点(法定代理人の利益相反など)は判例に触れつつ丁寧に解説している点で論文式試験に使えます。
もちろん、論文試験となると答案を書かなければならず、その答案作成法については学習できません。
その意味では論文試験対策としては不十分なのですが、論文試験で出題されやすい論点把握の意味ではかなり使えるという評価です。
家族法の論点が論文試験で大々的に問われることは少ないので、本書を通読していれば論点把握は十分と思われます。
具体例豊富で理解しやすい
前述の点とも重なりますが、本書が学習者に理解しやすい内容となっている一因として、具体例や具体的な数字を挙げて丁寧に解説している点があります。
例えば、相続分の計算では「設例」で具体的な数字を出して、解説として「一般論→設例の事案の場合の具体的な結論」という流れが取られています。
「特別受益って何?」とか「遺留分の計算が分からない!」とかの疑問ができるだけ生じないように丁寧に解説しているのがポイントです。
具体的な事実を挙げて説明されているので、かなりイメージを掴みやすい解説となっています。
『家族法 民法を学ぶ 第3版』のイマイチなところ
ここからは『家族法 民法を学ぶ 第3版』のイマイチなところを簡単に挙げていきたいと思います。
ボリューミーな内容
『家族法 民法を学ぶ 第3版』は全体で500頁を超える量になっていまして、普通に読むだけでかなり時間を食われることとなります。
さらに本書の構成(例えば、第〇〇講で解説したように、、、というような)上、通読向きの内容となっていますので、「まずはサクッと全体像を知りたい」という方には少々負担が感じられるかもしれません。
とはいえ、他の基本書と比較してボリューム面では同じくらいですし、読みやすさ的にはむしろ本書の方が優れていると思いますので、読破にかかる負担は基本書の中ではかなり小さいかと思います。
論文試験の答案作成については全く触れていない
論文試験対策にもなるとは言いましたが、それでも本書では論文試験での答案作成についてコラム等でも特に触れることはされていません。
最近では、司法試験や予備試験の受験生が読むことを意識して、答案作成上のアドバイス等をコラムや巻末で記載している基本書や問題集がありますので、それらと比べると学習者としては少々残念と感じるかも、、、
とはいえ、家族法はメインとなるのは短答試験であり、論文試験はそこまでメインで問われることは多くありません。
それに、家族法を学習している人はおそらく民法総則や物権等の学習をしたことのある人が多いと思いますし、民法の答案作成についてもある程度は知っている状況と考えられます。
なので、本書でわざわざ答案作成について触れる必要性があるかもビミョーなところです。
答案作成について知りたい方は、予備校本などを使用するのがいいかと思われます。
『家族法 民法を学ぶ 第3版』はこんな人におすすめ
・家族法初学者〜中級者
・通読用の家族法基本書を探している人
・読みやすい基本書が好みの人
・短答対策もできる基本書を探している人
『家族法 — 民法を学ぶ 第3版』は短答対策としても論文対策としても有用な家族法の基本書です。基礎基本から丁寧に分かりやすく解説しているので、特に初学者にはおすすめできます。家族法の基本書にお悩みであれば、本書を選択することをお勧めいたします。
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