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法科大学院に入ると授業のレベルがすごく高くなります。
なので、基本書や参考書を揃えることがまずは大事になります。
でも、どの基本書を使うべきなのか、基本書や問題集の選択に迷っている人も多いと思います。
そこで今回は法科大学院生が使っている定番の基本書や問題集をまとめていきます。
ロースクールに入学予定だったり将来司法試験を受ける予定の人は参考にしてみてください。
Contents
憲法の基本書・参考書・問題集
●憲法の基本書
まずは憲法の基本書から紹介です。
芦部憲法
憲法の定番基本書といえば、芦部憲法ですね!!
おそらく法科大学院生のみならず学部生も持っているレベルの基本書だと思います。
憲法は芦部憲法を読まないと始まらないと言っても過言ではありません。
とりあえず、持っていない人は持っておくべき本です。
憲法学読本
憲法学読本は比較的持っている人も多く、芦部憲法と併用して使う人もいるので紹介させていただきます。
芦部憲法よりも詳しく丁寧に記述しているので、芦部憲法では物足りないとかもっと詳細な説明が欲しい人にはいいかもしれないですね。
憲法の基本書としてはかなりスタンダードでクセのないものなので、憲法学読本をメイン基本書として利用するのもアリです。
基本憲法
『基本憲法I 基本的人権』は近年新しく発売された非常に好評の基本シリーズの憲法(基本的人権)です。
基本的人権のみを扱っているので、統治分野や平和主義などの憲法総論については触れられていません。
なので、基本的には短答よりも論文試験向きの基本書になっています。
判例をベースに解説していくスタイルと論文問題のアプローチ方法についてまで記述されている点が非常に高評価です。
司法試験や予備試験を目指すなら憲法の基本書は『基本憲法I 基本的人権』に決めても良いでしょう。
なお『基本憲法I 基本的人権』についてはレビュー記事を書いているので、詳しくはぜひそちらを参考にしてください。
レビュー記事:【書評】『基本憲法I基本的人権』〜憲法事例問題を解くための基本書〜
●憲法の参考書
ここからは憲法の参考書を紹介していきます。
「憲法上の権利」の作法
「憲法上の権利」の作法は持っていない人がいないレベルで人気の参考書です。
論文の答案を作成する上で非常に役に立つことが書かれているので、論文対策としてかなり重宝します。
法科大学院入学の際に購入をお勧めしますね。
憲法 解釈論の応用と展開
憲法 解釈論の応用と展開は憲法の論点について解説している参考書なのですが、内容がかなり高レベルで理解するのが大変です。
でも、有名で評価もかなり高い書籍なので、ほとんどの法科大学院生は軽くくらいなら読んだことがあるのではないでしょうか。
憲法が得意で試験で得点源にしたいのならオススメですよ。
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●憲法の問題集
ここからは憲法の問題集を紹介していきます。
憲法ガール
憲法ガールは司法試験の過去問をベースに解説している問題集です。
小説のようにストーリー仕立て形式で進んでいくかなり独特な問題集なのですが、解説が素晴らしくて答案例まで付いていて非常に役に立つのでおすすめです。
憲法は特に司法試験の問題形式が独特なので、自主ゼミなどで過去問の検討は欠かせません。憲法の過去問検討は憲法ガールを用いてするのがいいです。
民法の基本書・参考書・問題集
●民法の基本書
民法の基礎 (1) 総則 第3版 | ||||
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高度な内容&わかりやすい説明というかなり優れた基本書です!
民法総則の分野ならロースクール生の中でも圧倒的なシェアですね。
本格的に民法総則を勉強するなら『民法の基礎(1)総則』をお勧めします。
民法の基礎〈2〉物権 | ||||
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こちらも上記と同じシリーズの物権の基本書です。
総則も素晴らしいですが、物権も非常に素晴らしい内容となってますね。
法科大学院生の中でも、物権の軸となる基本書は当然これ!という感じになってます。
補論や発展学習という形で普通の解説にプラスした解説がされているのですが、その内容が高度ではありますがすごくためになります。
債権総論 第三版 | ||||
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債権総論の基本書の鉄板ですね!
かなりボリュームがあってハードな基本書ですが、詳細な解説が特徴の優れた基本書だと思います。
正直、通読するのは非常に難しいと思いますので、調べ物用として利用するのがいいでしょう。
債権総論でわからないことがあれば、まずは本書を参照してみるべきですね。
基本講義 債権各論〈1〉契約法・事務管理・不当利得 (ライブラリ法学基本講義) | ||||
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基本講義 債権各論〈2〉不法行為法 (ライブラリ法学基本講義) | ||||
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これも、債権各論では定番の基本書です。
基本書にしては薄めの本なので、通読することもできなくないです。
内容的には、ちょっと薄いかなぁと思うときもあるのですが、司法試験合格には必要十分な内容となっていると思います。
債権法改正についても触れられている親切な基本書ですよ。
●民法の問題集
事例で学ぶ民法演習 | ||||
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民法の問題集といえば『事例で学ぶ民法演習』という感じですね。
本書は基本事例を中心に簡単な解説及び基本事例を少し修正した応用的な内容という構成になっています。ロー生の中でも持っている人がとても多い問題集です。
民法は定番の問題集というのはあまりないかもですが、この本が一番持っている人が多いものだと思います。
初学者から上級者まで使えると思うのでおすすめですよ。
刑法の基本書・参考書・問題集
●刑法の基本書
基本刑法I―総論[第2版] | ||||
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基本刑法II 各論 第2版 | ||||
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最近は刑法の基本書といえば『基本刑法』というくらい定番な感じになっていますね。
ロースクール生のほとんどがこれを使っているのではないでしょうか。
判例・通説ベースで分かりやすく簡潔な解説が特徴。分かりやすさNo.1!!
刑法が苦手な人でも苦なく読み進めることができると思うので、刑法を勉強するならとりあえず本書を使うのがいいですよ。
『基本刑法』についてのレビュー記事を書いているので、詳細はぜひそちらを参考にしていただければと思います。
レビュー記事:【書評】おすすめな刑法の基本書〜『基本刑法I―総論』『基本刑法II—各論』〜
刑法 第3版 | ||||
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こちらは著名な刑法学者の山口厚さんの基本書です。
法科大学院生の中でも持っている人はそこそこいるといった感じです。
刑法の基本書は『基本刑法』がわかりやすくて圧倒的な人気なのですが、こちらはそれと比べて詳細な解説が特徴ですね。
刑法が得意な人や得点源にしたい人はこれを使って勉強するのもいいと思います。
ただ内容が高度なので司法試験のためにはやりすぎ感もあります。
●刑法の問題集
刑法事例演習教材 第2版 | ||||
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こちらは持っていない人がいないレベルの問題集です。
おそらく刑法の問題集では一番有名で持っている人が多いものだと思います。
司法試験のネタ本とも噂される問題集で、この問題集に掲載されている問題(論点)が組み合わされて出題されることが多いと話題。
内容は、解説が比較的薄くて、正直一人で勉強するには向きません。
本書の問題について、自主ゼミなど他の人と一緒に答案を書いてみて検討するという使用方法がおすすめです。
良質な問題が掲載されている良書ということは間違いないので、持っておくべき問題集ですね。
民事訴訟法の基本書・参考書・問題集
●民事訴訟法の基本書
基礎からわかる民事訴訟法 | ||||
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法科大学院生の間ではかなり人気の民事訴訟法の基本書です。おそらく民事訴訟法の基本書を一つだけ選ぶのならこの本がいいのではないでしょうか。
柔らかい口調でコンパクトにまとめられているタイプの基本書なので使いやすさは高いと思います。
でも、比較的内容が薄い部分も多いので、本格的に勉強するなら後述の『重点講義民事訴訟法』を併用して使うのがいいでしょう。
重点講義民事訴訟法(上) 第2版補訂版 | ||||
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上記の『基礎からわかる民事訴訟法』は事例を用いたわかりやすい説明が特徴の基本書ですが、それに対して本書は民事訴訟法の理論について深く勉強するための基本書です。
持っている法科大学院生も多いですが、基本的には辞書的に利用することになると思います。
民事訴訟法の司法試験問題はかなり難しいので、本書で民事訴訟法の判例・学説を深く理解できると他の学生に差をつけれるでしょう。
●民事訴訟法の問題集
Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕 | ||||
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民事訴訟法の問題集でシェア率が高いのはLaw Practice民事訴訟法です。Law Practiceシリーズの中で一番持っている人が多いものが民事訴訟法ですね。短い問題を大量に解いていくような感じですが、正直司法試験のためにはこれだけでは不十分だと思います。主に初〜中級者向けの問題集です。本書で基本事項について固めた上で、司法試験の過去問を解きながら判例百選と教科書で勉強していくのがいいでしょう。
基礎演習 民事訴訟法 第2版
長谷部 由起子 弘文堂 2013-03-13
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基礎演習民事訴訟法も利用している法科大学院生は非常に多いです。
民事訴訟法は特に理論面の理解が大切になるのですが、本書では学説や判例の考え方をしっかりと解説しているので非常に有益な問題集です。
また、内容は基礎的なものから発展問題まであるので、民事訴訟法を一通り学んだことがある方ならどなたにもお勧めできます。
刑事訴訟法の基本書・参考書・問題集
●刑事訴訟法の基本書
刑事訴訟法 | ||||
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刑事訴訟法といえば酒巻刑訴でしょう。
多くのロー生がこれを使って刑事訴訟法を勉強しています。
かなり高レベルな基本書なので、読み進めるのはきついかもしれませんが、これを読めば間違いなく力がつきます。
中〜上級者向けの書籍なので刑事訴訟法が得意な人はいいかもですが、苦手な人は後述のリーガルクエストを使用する方がいいです。
捜査と証拠法の重要論点の解説だけ本書を利用するとかでもいいと思います。
刑事訴訟法 第2版 (LEGAL QUEST) | ||||
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こちらはリーガルクエストの刑事訴訟法です。
リーガルクエスト全般に言えることですが、解説がコンパクトにまとめられているのが特徴です。
そこまで刑事訴訟法が勉強できていない人はリーガルクエストを使って基本的な事項を習得するのがいいと思います。
これと判例百選を使えばかなり知識は身につくので十分だと思いますが、もっと深いレベルまで勉強したいのなら酒巻刑事訴訟法を使いましょう。
●刑事訴訟法の問題集
事例演習刑事訴訟法 第2版 (法学教室ライブラリィ) | ||||
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いわゆる古江本です。これはかなり有名ですね。
刑事訴訟法の問題集といえばこの本という感じです。
法科大学院生で持っていない人がいないくらいメジャーな書籍です。
内容はかなり高度ですが、会話形式で進行していくので比較的親しみやすいのではないでしょうか。
この本が理解できれば刑事訴訟法が得点源にできると思います。
逆に、みんな持っているので、持っていないと他の人に対して遅れを取ってしまう恐れがあります。刑事訴訟法を勉強するならこの本だけは必ず読んでおくべきと言ってもいいくらいの問題集ですね。
会社法の基本書・参考書・問題集
●会社法の基本書
会社法 第4版 (LEGAL QUEST) | ||||
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会社法の基本書といえばリーガルクエストといえます。
この本の特徴は分かりやすくてコンパクトな解説。会社法は細かい知識を覚える必要がある科目なので、コンパクトにまとめられている解説が非常に役に立ちます。
法科大学院生のシェア率も圧倒的ナンバーワンです!
会社法の基本書はリーガルクエスト会社法を選ぶのが無難ですね。
会社法-第2版-田中亘
基本的にはリーガルクエストが人気で分かりやすいので、そちらを使えば十分だと思うのですが、ここ最近は田中亘さんの『会社法』もじわじわとシェア率を上げています。
リーガルクエストよりもしっかりとした解説なので、もしも論証で理由づけに困ったるするのであればこちらを使うのもいいと思いますよ。
あっさりとした解説がいいなら『リーガルクエスト会社法』
詳細な解説がいいなら田中亘『会社法』
という感じ。
●会社法の問題集
事例で考える会社法 第2版 (法学教室ライブラリィ) | ||||
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会社法問題集の定番です。
ほぼ全てのロースクール生が持っている問題集。
問題は比較的難しいものもありますが、解説が丁寧で実務的なのが特徴ですね。
会社法はこれをやればかなり力がつくと思うので、法科大学院生にはオススメの会社法問題集ですよ。
自主ゼミとかでも使っている人は多いと思います。
行政法の基本書・参考書・問題集
●行政法の基本書
基本行政法 第3版 | ||||
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こちらは行政法の定番基本書です。
後述の櫻井・橋本『行政法』とシェアを二分している感じですね。
法科大学院生のほとんどはこのどちらかを使っていると思います。両者を比較すると、『基本行政法』の方がどちらかというと初学者向けの内容でわかりやすくなっています。
行政法が苦手だったりあまり勉強ができていない人はこちらをおすすめします。
基本行政法はレビュー記事を書いているので、ぜひ詳細はそちらを参考にしていただければ嬉しいです。
関連記事:【書評】『基本行政法 第3版』〜行政法の試験対策向けのおすすめ基本書〜
行政法 第5版 | ||||
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前述した通り、『基本行政法』と並んでロー生に人気の基本書です。
通称「サクハシ」と呼ばれています。
解説がわかりやすくてすごくいい本だと思いますが、若干難しい部分もあるので、行政法を得意科目にしたい人向けといえます。
『基本行政法』と甲乙つけがたいのですが、しっかりとした基本書がいい人はこちらにするといいでしょう。
●行政法の参考書
行政法解釈の基礎: 「仕組み」から解く | ||||
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本書は「サクハシ」の橋本先生が書いている本です。
法律の解釈方法や個別法の読み方を丁寧に解説しているので、論文試験を解くのに有益な情報が詰まっています。
行政法は捉えどころのない科目で問題を解くのが難しいのですが、本書を使えば基本書では分からないような論文問題を解くコツがわかるかと思います。
かなりいい参考書なので特に行政法が少し苦手な人に是非読んでいただきたいです。
●行政法の問題集
曽和 俊文,野呂 充,北村 和生 日本評論社 2016-11-14 売り上げランキング : 85753
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行政法の問題集のど定番です。
行政法は比較的手薄になる科目だと思いますが、おそらくほぼ全ての司法試験受験生がこの問題集を使って勉強しているでしょう。
それくらい定番の問題集。
問題が長めで解説が丁寧なのと、コラムで論文問題に役立つ情報を書いているのがいいところですね。
行政法の論文対策をするなら『事例研究行政法』を使うのが無難ですね。
基礎演習 行政法 第2版 | ||||
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こちらは事例研究行政法よりもかなり簡単な問題集です。
法科大学院に入学してから本格的に行政法の勉強を始める方も多いかと思いますが、そんな行政法初学者にめちゃくちゃオススメです。
解説がびっくりするほど分かりやすくて、しかもポイントがちゃんと整理しているので非常に読みやすい。
行政法最初の1冊目の問題集に困っているなら、とりあえず基礎演習行政法を購入しておけば絶対に損はないはずです!
なお、基礎演習行政法はレビュー記事も書いているので、詳細はぜひそちらをご参考にしていただけると嬉しいです。
関連記事:【書評】『基礎演習行政法』〜行政法初学者が基礎を固めるためにおすすめな演習書〜
要件事実
紛争類型別の要件事実―民事訴訟における攻撃防御の構造 | ||||
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要件事実の鉄板教材です。
司法研修所から刊行されたもので、法科大学院生の要件事実の勉強はこれを中心に行われます。通称「ルイケイベツ」と呼ばれているものです。
要件事実を勉強するならこれは必須だと言われているのでみんな持っているのですが、解説がかなりあっさりしていて、正直この本だけで理解するのは難しいでしょう。
なので、補完的に後述の『民事裁判実務の基礎〈上巻〉』を使用するべきです。
完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉 | ||||
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これもほぼ全ての法科大学院生が持っている書籍です。
『紛争類型別の要件事実』だけではまず間違いなく要件事実を理解するのが難しいので、この本を使って足りない部分を勉強する人が多いです。
内容は紛争類型別の内容を詳細に解説しているような感じで、わかりやすいのとコラムが面白いというのが売りですね。
要件事実は必須の知識なので、これを持っておくとかなり便利だと思いますよ。
以上、法科大学院生が使っている定番基本書・参考書・問題集まとめでした!
ここで紹介しているものは法科大学院生の中でシェア率の高いものばかりです。
他にもいい参考書等はたくさんあるので、いろんな本を比べてみてください。
もしも基本書や問題集の選択に迷うことがあれば、ここに紹介しているものを使うのが無難だと思います。
ぜひ参考にしてみてください!! !