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こんにちは
今回は、『エクササイズ刑事訴訟法』について特徴や評価を書いていきたいと思います。
刑事訴訟法の問題集に悩んでいる人は是非参考にしてみてください!
なお、過去の書評一覧は⬇︎こちら⬇︎にまとめていますので、ご覧ください。
【書評一覧】法律本の書評を総まとめ〜基本書・参考書・問題集・予備校本など〜
Contents
『エクササイズ刑事訴訟法』 粟田 知穂著 有斐閣
今回紹介するのは『エクササイズ刑事訴訟法』です。
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著者は検察出身の慶應義塾大学法科大学院教授、粟田 知穂氏です。
『エクササイズ刑事訴訟法』の特徴
1.エクササイズ刑事訴訟法の構成について
問題パートと解説パートが完全に区別されているという構成に関しては一長一短という感じで、そんなに気にするほどでもないですね。
2.エクササイズ刑事訴訟法の難易度について
『エクササイズ刑事訴訟法』の問題の特徴は長文の事例問題という点にあります。
長さでいうと大体2ページから3ページくらいが丸々事例問題となっている感じになっています。
でも問題文がすごく長いというのはありますが、出題論点はほとんど基本的なものだし、問題も長い割にはそこまで複雑なものではないので、事例問題の難易度自体は中の中〜中の上くらいだと思います。
3.エクササイズ刑事訴訟法の解説について
エクササイズ刑事訴訟法の解説は、とてもコンパクトかつ必要最小限、という感じです。
解説のほとんどは、判例を中心にして問題文への当てはめを書いているという形になっています。
学説や判例の対立がある論点についても、判例を紹介してさらっと学説も触れるだけ、という感じですごくシンプルに解説をしています。
『事例演習刑事訴訟法 第2版 (法学教室ライブラリィ)』のような深い議論や高度な解説を期待している人にとっては、本書の解説はあっさりしすぎていて拍子抜けするかもしれません。
でも、とにかく問題を解きたい、という人は本書くらいコンパクトに解説してある方が、何回も何回も問題を解くことができるのでいいかもしれません。
あと、本書の解説の特徴として、当てはめ重視、という点もあります。
学説の言及は少量に留められているのに対して、問題文への当てはめの解説についてはある程度具体的に書かれています。
問題文が長いこともあって使える事実関係も多いので、どんな事実が重要なのか、規範の当てはめとしてどの事情を考慮していくのか、という点に関しては詳細に書かれているので、その点では司法試験向けの本といえます。
『エクササイズ刑事訴訟法』の良い点
・事例問題への「慣れ」を養える
司法試験でも予備試験でも、最近の刑事訴訟法の論文試験は総じて事例問題が出題されます。そんな中で、事例問題へのアプローチを学ぶことができる演習書として『エクササイズ刑事訴訟法』はかなり優れたものと評価できます。当てはめで使える事実までしっかりと書いてくれているので、コンパクトな解説でも十分答案作成の役に立ちます。事例問題への対応力をつけるためには、本書のような問題集を何回も解いていくのが良いでしょう。
・薄くて何周も回せる演習書
法律系の演習書(特に学者執筆)は解説が深くて「そんなことまで考えないといけないのか?!」といったことまで議論しているものもあります。それに比べて本書の解説は基本的な知識や重要判例・学説の紹介という程度に留められているので、全問題を消化するのにそれほど時間を食うことがありません。効率よくアウトプットの力を鍛える問題集としてかなり有用だと思います。
・問題数が少なめ
『エクササイズ刑事訴訟法』は問題文が長いとはいっても、全16問でかなり問題数自体は少ないです。なので、どうしてもあらゆる論点を網羅しているわけではないので、たくさんの論点を消化したい人は『事例研究』など、他の問題集も解いていく必要があります。
・刑事訴訟法の深い理解には不十分
これまでに書いてきましたが、本書の解説はかなりコンパクトであまり細かい学説の対立等には触れていません。なので、刑事訴訟法の議論を深くまで知りたいという人や、試験対策よりも学問的興味のある人は本書だと物足りないと感じるでしょう。
『エクササイズ刑事訴訟法』の使い方
こんな人におすすめ
・何周も周回できる演習書を探している人
司法試験受験生や合格した人の中でも『エクササイズ刑事訴訟法』を使っている人は多いですし、かなり優れた演習書なので、購入を迷っているのなら絶対に買った方がいいと思いますよ!!
購入して損することはないです!!
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