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こんにちは
今回は司法試験や予備試験受験生の中でも高評価の会社法問題集『事例研究会社法』について、評価や特徴をまとめて書評を書いていきます。
個人的には会社法の問題集の中ではかなりおすすめできるものなので、特に会社法に対して苦手意識のある方に参考にしていただけると嬉しいです。
なお、過去の書評一覧は⬇︎こちら⬇︎にまとめていますので、ぜひご覧ください。
【書評一覧】法律本の書評を総まとめ〜基本書・参考書・問題集・予備校本など〜
『事例研究会社法』小林量・北村雅史 編著 日本評論社
今回紹介するのは日本評論社から出版されている『事例研究会社法』です!!
ちなみに、『事例研究会社法』はKindle Unlimitedの対象書籍になっていて、Kindle Unlimitedに登録すれば月額980円で読み放題(他にも多数書籍があります)なので、普通に購入(約3000円)するよりもお得に読めます。
※Kindle Unlimitedとは月額980円で『事例研究会社法』などの電子書籍が読み放題になるサービスです。
『事例研究会社法』の評価と特徴
『事例研究会社法』は基本論点中心のオーソドックスな問題集で、司法試験や予備試験の受験生にも大変人気のある演習書です。
まず本書の構成は、
基本問題14問
発展問題12問
合計26問となっています。
問題のレベルとしては、基本問題はどれも会社法の重要基本論点に関するものばかり。
1ページから2ページほどの短めの事例問題が出題され、そのどれもが基本的な知識を問うものでオーソドックスな問題です。
発展問題については、基本問題よりは多少細かい知識を聞く問題が増えるものの、それほど高度なレベルというわけではありません。
なので本書は会社法初学者〜中級者向きの問題集といえます。
問題の内容は、司法試験や予備試験でも重要になるような問題ばかりなので、試験との関係ではかなり使える問題集です。
解説は分かりやすくてテンポも良いのであまり会社法が得意ではない方でも十分使いこなせます。
また、解説の途中にはコラムとして関連事項に関しての説明があるのですが、このコラムも試験との関係で重要なことが解説されているので、本書を利用するのであればコラムまで読む方が良いでしょう。
会社法の問題集としては『
事例で考える会社法-第2版-』が司法試験や予備試験受験生の中では定番ですが、『
事例研究会社法』も人気は高い問題集です。
どちらもオススメな会社法の問題集なのですが、両者の違いとしては、
『事例で考える会社法』は問題も解説も非常に高度で難しい、
一方で、『事例研究会社法』はかなりオーソドックスで典型論点を端的に解説している
という特徴がそれぞれあることです。
なので、会社法が得意な方は『事例で考える会社法』を使用しても良いとは思いますが、会社法に苦手意識があるのであれば、まずは『事例研究会社法』を使用して典型論点をしっかりと学習してから『事例で考える会社法』に進むのが良いでしょう。
司法試験や予備試験を受験する上で、自分のメインとなる問題集を設定することになるとは思いますが、個人的には『事例研究会社法』はかなり使いやすいのでおすすめです。
『事例研究会社法』の良いところ
・試験で重要な論点中心の問題で受験生に人気
『事例研究会社法』の一番良い点として、問題のほとんどがオーソドックスな重要論点ばかりである、ということが言えます。
「全部取得条項付株式を用いた株主の締め出し」の問題などはちょっとマイナーかなぁ、というところですが、それ以外に関しては基本的に論文試験でよく問われる問題ばかりです。
なので、司法試験や予備試験の受験を考えている人にはかなりオススメできます。
また、問題が重要論点メインという点だけでなく、後述のとおり解説も優れている問題集なので、会社法の問題集としてはかなり受験生に人気があります。
本書を使えば、基本的な知識の演習はある程度事足りるので、特に会社法に苦手意識を持っている方はメインの問題集として本書を使用するのをおすすめいたします。
・解説が分かりやすい&テンポが良い
『事例研究会社法』は解説が秀逸で、重要論点の解説が無駄なくテンポが良い上に非常に分かりやすくなされています。
特に判例や通説を中心に解説していて著者の独自の見解は控えめになっているのも、学者執筆の問題集としては使いやすいことの要因になっています。
また、解説ではあてはめまでしっかりフォローされているので、その点も問題に対する解答の方向性がしっかり示されていて学習しやすいポイントです。
ところどころ記載されているコラムも内容的に重要な記載が多く、できる限りちゃんと読んでおくことをおすすめします。
・会社法初学者でも使いやすい問題集
『事例研究会社法』は内容的には問題も解説も簡単な部類なので、会社法初学者でも十分挫折することなく学習できると思います。
『事例で考える会社法』とは異なりあまり理論面を深く掘り下げていないのに加えて、解説も判例や学説の立場をメインにしているので、会社法最初の問題集としてはぴったり。
会社法初学者が一通り学習し終えたらまず『は事例研究会社法』を使用して問題演習に進むと良いです。
その上で、ある程度会社法の知識が身についてきた段階で『事例で考える会社法』を使用して理論面を深く思考するのが良いでしょう。
『事例研究会社法』のイマイチなところ
・解答例が付いていない
『事例研究会社法』の惜しいところは、参考解答例が全く付いていないことです。
解説は優れているのですが解答例が記載されていないので、会社法初学者は答案作成のイメージを掴みにくくなっています。
答案作成に関しては予備校本を使用して感覚を養うこととして、本書では会社法の事例問題に慣れながら知識を習得していくことになるでしょう。
・問題の数が少なめ
『事例研究会社法』は全部で26問しか掲載されていないため、問題演習書としては絶対数が少なめになっています。
一応典型論点は万遍なく出題されてはいるのですが、本書では扱っていない論点も当然存在するので、本書のみでは試験対策としては演習量が足りません。
おすすめなのは、本書をメイン問題集として、『事例で考える会社法』を難しめの問題を解く用として、その他の『
新論文の森 商法』などの予備校問題集で問題の数を確保するという方法です。
『事例研究会社法』はこんな人におすすめ
・会社法初学者〜中級者
・会社法に苦手意識のある人
・オーソドックスな問題を扱っているおすすめの問題集を探している人
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