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こんにちは
今回は比較的新しい司法試験解説書の『憲法起案演習 司法試験編』について書いていきたいと思います。
購入をご検討の方は是非参考にしてみてください！！
なお、過去の書評一覧は⬇︎こちら⬇︎にまとめていますので、ご覧ください。
【書評一覧】法律本の書評を総まとめ〜基本書・参考書・問題集・予備校本など〜
Contents
『憲法起案演習 司法試験編』渋谷秀樹著 弘文堂
今回紹介するのは『憲法起案演習 司法試験編』です。
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渋谷 秀樹 弘文堂 2017年12月06日 売り上げランキング : 397500
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本書の著者は、東大法学部卒で現在は立教大学大学院法務研究科の教授の渋谷秀樹さんです。
弘文堂から出版されている、比較的新しい司法試験問題の解説書です。
『憲法起案演習 司法試験編』の特徴
本書は、司法試験の問題を中心に解説している演習書です。
取り扱っている問題は、平成１８年（２００６年）〜平成２９年度（２０１７年）まで司法試験の問題１２問とサンプル問題（２００４年）の１問になっています。
司法試験の問題の解説本だと『憲法ガール Remake Edition』や『司法試験論文過去問LIVE解説講義本 木村草太憲法 (新Professorシリーズ)』があるが、本書は平成２９年度の問題まで取り扱っているので、他の司法試験解説本よりも多くの問題を解説している点が特徴的です。
本書の構成は、まず最初に憲法の問題を検討する際の検討プロセスなど一般論が２０頁ほど書いてあって、その後司法試験の問題検討へと入っていくという流れで、全部で４５０頁を超えるボリュームになっています。
それぞれ、司法試験の問題が引用され、その後、著者による事案の検討及び論点解説がなされて、最後に参考答案として著者による起案例が載っているという構成になっています。
解説も答案例もかなり特徴的になっているので、本書が合わないという人も多いかもしれません。
『憲法起案演習 司法試験編』の良い点
・独特な答案例と解説なので読み物としては面白い
本書の解説と答案例は他の司法試験解説書や演習書と比べてかなり独特なものになっています。なので、司法試験受験生が司法試験合格のために読むにはあまり向かないかもしれません。ただ、司法試験の問題について独特な視点からコメントをしている箇所もあって、解説や答案も内容が個性的になっているので読んでいて面白いと思えるものになっています。
・細かい論点まで解説されている
問題解説で検討される事項がとても詳細で些細な論点に思える場所についても著者のこだわりが現れています。問題とは直接関係のないことについても解説されていたりするのですが、そのおかげで復習としても有益だったりします。純粋に司法試験の問題についての解説だけを知りたい、という人にはデメリットにもなりうる点ですね（笑）
『憲法起案演習 司法試験編』のイマイチな点
・かなり個性的な答案例で汎用性に欠ける
本書の答案例は著者の独自色がかなり強く、いわゆる予備校的な答案からはかけ離れたものになっています。答案というよりは評論に近いものになっているので、司法試験受験生にとって答案の書き方の参考には向かないと思われます。答案を書くことよりも、解説を中心にして司法試験の問題分析についての参考例にはなるかもしれません。
・解説が高度で理解に時間がかかる
本書の解説は内容が高度で一読ではイマイチ理解できない場合があったりすると思います。しかも、解説においても著者独自の見解が強く反映されているので、一般的な見解と著者の見解をしっかりと切り分けて読み進めていく必要があります。そのため、本書を読み進めていくのはかなり忍耐力を有する作業になるかもしれません。
『憲法起案演習 司法試験編』の評価
あくまで個人的な意見ですが、本書は司法試験の解説書ではあるものの、あまり司法試験の役には立たないのではないかと思われます。
ただ、使い方にもよるとは思います。答案構成の参考にしたい場合はあまり適さないと思いますが、司法試験の問題を通じて憲法の知識を深めたいと思っているのであれば読んでみてもいいのではないでしょうか。
なので、司法試験受験生よりは純粋に憲法が好きで深くまで勉強したいと思っている人にはお勧めできるかもしれませんね。
本書の使い方としては、あくまで学者目線の司法試験解説としての一例と割り切った上で参考にするのがいいと思います。
こんな人におすすめ
・新しめの司法試験解説書を読みたい人
・普通の司法試験解説に飽き足りたという人
・学問的な目線から司法試験の問題を検討したい人
・予備校的ではない参考答案を読みたい人
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