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司法試験や予備試験の合格を目指すにあたって、必ず必要になるのが判例知識です。
判例の知識を基礎として、短答試験や論文試験の問題を解いていくことになるので基本ですので、司法試験・予備試験受験生にとっては、判例学習がかなり重要な位置付けにありますね。
もっとも、判例学習と一口に言っても、何を使用して、どのような勉強方法で進めていけば良いのかわからないという悩みを抱える方もいるかと思います。
私自身、受験生時代には、判例の学習方法について、手探りで進めていたため不安が大きかったという経験があります。
そこで、本記事では、司法試験一発合格者の私が、自身の経験を踏まえて、判例学習のポイントややり方など、判例の勉強方法をまとめるとともに、判例学習におすすめの判例集等の教材を紹介していきます。
司法試験・予備試験の合格を目指して勉強している方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
判例学習をする際の4つの重要なポイント
判例を勉強する際には以下の点が重要なポイントになります。
①判例の結論を覚える
②判例の論理構造を理解する
③判例の規範を覚える
④判例の具体的事実関係を把握する
上記の4つのポイントを押さえつつ判例を学習するというのが、判例学習を効率よく進めるためのポイントになります。
試験で問われる判例知識は上記の点に集約されますので、判例学習の際にも上記の点を意識することが大切です。
そして、判例集を読む等、判例学習を進めていくと、上記の4点のうち、自分に足りないものが見えてくるはずですので、不足知識を補うように勉強をしていくと良いかと思います。
試験対策としての判例を勉強する際の注意点
試験対策の観点から判例学習の注意点をまとめたいと思います。
上記の判例学習の4つのポイントは試験対策という意味でも重要ではあるのですが、司法試験や予備試験に合格するという目標にとってより重要になるのが、試験の内容と判例の勉強内容を一致させるという点です。
つまり、短答試験や論文試験、いずれの対策をするのかという点により、上記の勉強ポイントの優先度が変わりますので、それを注意しておきましょうということ。
・司法試験や予備試験の短答試験では、特に①と②が重要。
・司法試験や予備試験の論文試験では、特に③と④が重要。
短答試験では、規範を正確に覚えておくことや具体的な事実関係を正確に把握することはそこまで求められず、むしろ、判例の結論や理由付けの理解によって解ける問題が多いです。
一方で、論文試験では、判例の理解を前提として、具体的な事例問題に対して、正確に暗記した規範を提示したうえで、それを当てはめるという答案作成の力が必要となります。
このように、短答試験と論文試験では、求められる判例知識に違いがあるので、その差に応じて重視するべきポイントを変える必要があります。
判例の勉強方法【短答編】
それでは、ここからは判例の勉強方法について、具体的なやり方を示していきたいと思います。まずは、短答対策としての判例学習について書いていきます。
短答試験対策としての判例勉強法
司法試験や予備試験の短答試験突破のための判例知識の勉強方法としておすすめなのは、判例集の事案概要と判旨の部分を読み込むことです。
判例集の一般的な構成は、「事案概要→判旨→解説」という流れですが、このうち、「解説」部分に目を通す必要はありません。
なぜなら、解説部分では、判例の論理を詳しく説明する、論点における主要な学説を紹介する等が記載されているのですが、その内容が短答試験に直結することはほぼないからです。
それよりも、まずは短答試験で被数の知識となる、判例の結論や論理を頭に入れるために、事案の概要と判旨部分を読み込んだほうが効率的です。
短答試験対策としておすすめできる判例集等
ここからは、司法試験に一発で合格した私の経験を踏まえて、短答試験対策として、おすすめできる判例集等の教材を紹介していきます。
短答試験に不安を抱えている人は、下記で紹介する判例教材を使用するのがおすすめです。
【判例集】『判例プラクティス』
『判例プラクティス』シリーズは、大量の判例が掲載されている判例集です。
他の判例集と比較しても、掲載されている判例の数は圧倒的に多いのが特徴的ですが、その代わりに解説は比較的薄いものとなっています。
短答試験対策としては、解説よりも掲載判例数の方が重要なので、その意味で非常に短答試験向きの判例集と言えます。
『判例プラクティス』にしっかりと目を通しておけば、判例知識が不足して短答試験で点を落としてしまうことは防げるはずです。
【判例集】『判例百選』
『判例百選』は、判例集の中でも一番メジャーで使用率の高いものです。
『判例プラクティス』よりも、解説が充実していて、学説への言及もしっかりとなされています。
掲載判例数も多いので、『判例百選』の事案と判旨を読み込んでおけば、短答試験対策としての効果は抜群です。
『判例百選』は論文試験用としても効果的なので、判例集の中からどれか一つを選ぶのであれば『判例百選』をおすすめします。
【判例集】『最新重要判例』
『最新重要判例シリーズ』は、『判例百選』や『判例プラクティス』と同じように、各科目の重要判例をまとめて、解説付きで掲載している判例集です。
非常にコンパクトにまとめているのが特徴的で、短期間に多くの判例に触れるのにピッタリな作りになっています。
他の判例集よりも解説が薄いと感じる面はありますが、短答試験を考えると、如何にして短時間で多くの判例を復習できるのかという点の方が重要なので、短答試験には適している判例集かと思います。
【基本書】『基本○○法』
『基本○○法』シリーズは、受験生に大人気の基本書シリーズです。
特徴的なのが、学者が執筆している基本書にしては珍しく、判例や通説の立場から解説している点です。
他の基本書よりも判例への言及が多いので、判例知識を蓄えるのに最適な基本書です。
【参考書】『択一六法』
『択一六法 司法試験&予備試験対策シリーズ』は、司法試験・予備試験・司法書士試験・行政書士試験等の法律資格試験で出題される条文知識を一冊にまとめている参考書です。
『択一六法 司法試験&予備試験対策シリーズ』の中にまとめられているものには、判例知識も含まれていて、判例のマークが付されているため、各条文の中で関連する判例を頭に入れるにはピッタリです。
条文知識と判例知識を結び付けながら一挙に勉強できるため、短答試験対策としてとてもおすすめできます。
【短答過去問集】『短答過去問パーフェクト』
司法試験や予備試験の短答試験の問題は、判例をそのまま選択肢に含ませていることが多いです。
なので、司法試験や予備試験の過去問集を何周も回していくと、それだけでもかなりの判例知識が身に付くこととなります。
短答試験のために判例の勉強をしようと考えている人は、短答過去問集を何度も解きなおして知識を定着させましょう。
個人的におすすめな短答過去問集は、『司法試験&予備試験 短答過去問パーフェクト』です。解説も充実で問題数も豊富なのでかなり有用です。
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【六法】『判例六法』
『有斐閣判例六法』は、『ポケット六法』や『デイリー六法』と並んで使用率の高い法令集ですが、他の二つと大きく異なる特徴は、条文ごとに関連する判例を掲載している点です。
条文を引きながら、そのまま判例を読むことができるという優れもので、受験生の中でもかなりの人気を誇っています。
とくに、幅広い条文知識と判例知識が求められる短答試験の対策として非常に効果的でおすすめです。
判例の勉強方法【論文編】
では次に、論文試験対策という面から判例の学習方法について書いていきたいと思います。
論文試験対策としての判例勉強法
司法試験や予備試験の論文試験対策としておすすめの勉強法は、自分の苦手論点や頻出論点の重要判例の判旨と解説を判例集で読み込むというものです。
論文試験だと、幅広い判例知識よりも、重要論点に的を絞った深い判例理解の方が重要になるため、上記のような学習方法が良いというわけです。
論文対策としての判例勉強法の具体的なやり方としては、
「問題集を解いて苦手な論点や答案を書けない部分を把握する→苦手部分の判例を判例集で読み込む→判例の規範を暗記する」
という流れで行うといいです。
論文試験対策としておすすめできる判例集等
以下では、論文試験対策向きのおすすめ判例教材を紹介していきたいと思います。
論文試験に不安を感じている人は、ここで紹介するものを使用してみることを強くおすすめします。
【判例集】『判例百選』
『判例百選』は上記でも紹介した通り、受験生の中で一番使用率の高い判例集であり、短答試験対策としても論文試験対策としても使える万能教材です。
とりあえず判例教材に困っているのであれば、まずは『判例百選』を購入するところからですね。
正直、司法試験や予備試験の論文試験に必要な判例知識は、ほぼ『判例百選』から得ることができます。
なお、下記で紹介する判例集は、あくまで各科目で判例知識に不安があるとか高レベルの判例理解を得たいという人におすすめです。
【判例集】『精読憲法判例』
『精読憲法判例』は、憲法の重要判例を全文(判例によっては、補足意見や反対意見も)掲載している判例集です。
憲法の論文試験では、幅広い判例知識よりも、深い判例理解の方が重要になるので、『精読憲法判例』で超重要判例の全文を読み込むことが有効です。
『判例百選』だと、判旨部分が少ないので、本当に重要な判例に関しては、『精読憲法判例』で全文に目を通しておいたほうが無難です。
【判例集】『ケースブック行政法』
『ケースブック行政法』は、重要論点ごとに理解必須な重要判例をまとめて掲載している判例集です。
行政法の『判例百選』では、正直、司法試験や予備試験の合格の観点からは無駄な判例も掲載されているので、『ケースブック行政法』で超重要なメイン判例のみを深く学習することが効果的です。
また、『ケースブック行政法』は事実概要も詳細に記載されています、判旨の引用も詳細なので、論文試験で拾う必要のある事実を頭に入れることができるというメリットもあります。
【判例集】『判例刑法総論』・『判例刑法各論』
『判例刑法総論』、『判例刑法各論』は刑法の各分野における重要判例を掲載している判例集です。
刑法の論文答案で重要になる、あてはめの際の考慮要素を整理するには最適な判例集です。
『判例刑法総論』、『判例刑法各論』に掲載されている刑法総論・各論の判例をしっかりと読み込めば、論文試験で判例知識の点で後れを取ることは無くなると思います。
ただ、全ての判例を読むのはかなりハードなので、問題集を解きながら、自分の理解が足りていないと感じた論点に関する判例だけをピックアップして読むのが良いかと思います。
【判例集】『判例教材 刑事訴訟法』
『判例教材 刑事訴訟法』は刑事訴訟法の各論点に関する判例を掲載している判例集です。
判旨を長めに掲載しているため、判例の論理構造を理解するのに適した使用になっています。
また、最高裁判例のみならず、高裁や地裁等の裁判例も収録されているのが特徴的です。最高裁判例は結論だけを述べていることが多かったりする一方で、裁判例は理由づけを丁寧に記載していることが多いので、かなり勉強になります。
『判例教材 刑事訴訟法』についても、全ての判例・裁判例に目を通すよりも、自分の苦手な論点の判例に絞って読み込むのがおすすめです。
【判例集】『ロースクール民事訴訟法』
『ロースクール民事訴訟法』は多くの法科大学院で指定教材とされているほど有名な判例集です。
民事訴訟法の重要判例が多数掲載されているうえに、民事訴訟法の重要論点に関する設問が設定されていて、掲載している判例や文献に目を通すことが解答できるような作りとなっています。
正直、『ロースクール民事訴訟法』はハイレベルすぎて司法試験や予備試験のレベルを超えている気もしますが、やり込むことで民事訴訟法の判例知識で他の受験生に差をつけられることは無くなるので、取り組む価値は非常に高いです。
判例学習におすすめな教材一覧
最後に、上記で紹介したものなど、司法試験一発合格者の私の経験を踏まえて、司法試験や予備試験の対策として特におすすめできる判例学習教材を一覧でまとめておきたいと思います。
以下で紹介するものを使用しておけば、判例知識で周りの受験生に引けを取ることはなくなると思います。
判例学習おすすめ教材一覧
『判例百選』
『判例プラクティス』
『有斐閣判例六法』
『基本○○法』
【憲法】『精読憲法判例』
【刑事訴訟法】『判例教材 刑事訴訟法』
【行政法】『行政判例ノート 第4版』
【行政法】『ケースブック行政法』
【民事訴訟法】『ロースクール民事訴訟法』
※『判例百選』、『判例プラクティス』、『最新重要判例シリーズ』は、いずれか自分の好みのものを選んで使用するといいと思います。その他、自分の苦手科目や重点的に勉強したい科目があれば、上記のものを購入するとかなり力が付くのでおすすめです。