書評(行政法)

【書評】『読み解く合格思考行政法』〜最頻出論点をマスターできる行政法問題集〜

(この記事はプロモーションを含みます。)

こんにちは

今回は、行政法の問題集の中でも非常に実用的で受験生におすすめできるものとして、『読み解く合格思考 行政法』について特徴や評価をまとめて書評を書いていきたいと思います。

行政法の参考書・問題集選びに悩んでいる方はぜひ参考にしていただければ嬉しいです。

Contents

『読み解く合格思考行政法』の情報

今回紹介していくのは、辰巳法律研究所が出版している『読み解く合格思考 行政法』です!!

 

『読み解く合格思考行政法』の特徴と評価

読み解く合格思考 行政法』は平成27年予備試験・平成28年司法試験合格者の橋本卓斗氏が著者の行政法の参考書(&問題集)です。

読み解く合格○○シリーズ」は下記の通り、各科目で出版されていますが、どれも予備試験・司法試験合格者が著者となっています。

合格者が著者となっており、学説等の細かい知識よりも試験に役立つ実用的な内容を中心としているため、非常に受験生思いの作りと言えます。

行政法以外の科目については、下記の記事で書評を書いていますので、そちらも併せて参考にして頂ければと思います

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本書は、全体として4部構成で成り立っています。

第1部では、「はじめに」として、司法試験や予備試験の概要、勉強の方法、本書の使い方を書いています。

第2部では、「行政法を知る」と題して、司法試験や予備試験の行政法の論文問題を解くための思考過程や論文試験で確実に必要になる訴訟類型と類型ごとの要件がまとめて記載されています。

各類型の要件が一覧のようにまとめて書かれているので、特に初学者の人はまずはここを頭に入れる必要があります。

試験前にパッと短時間で要件を確認するという使い方もアリですね。

第3部では、「予備試験・司法試験に備える」と題して、行政法の最重要論点の解説、過去問を使用した問題演習、各論点の論証集等、実践的な内容を扱っています。

第3部は大きく分けて2つのパートがあります。

一つは、処分性・原告適格・行政裁量という行政法の論文試験における、最頻出論点についての解説

それぞれの論点の基礎知識や重要判例を説明した後に、練習問題として実際の過去問(処分性・原告適格・行政裁量の設問のみ)を使用して問題の解き方を説明しています。

なお、参考答案例が掲載されていますので、問題演習としても有益です。

もう一つは、行政法の重要論点の論証集

上記の最重要論点の他に司法試験や予備試験での出題が多い論点につき、簡単な論証や定義を一覧でまとめて載せています。

第4部では、「予備試験・司法試験を解く」と題して、予備試験の過去問3題(平成23・25・27年)と司法試験の過去問4題(平成24・26・28・29年)を扱った問題演習を行います。

それぞれの問題につき、解説・参考答案例・合格答案例(コメント付き)が掲載されていて、初学者の人でも答案例を参考にしながら学習しやすい作りになっています。

レベルとしては、司法試験や予備試験の過去問を扱っているため、初学者には少々難しめかもしれません。

ですが、解説も分かりやすく、答案例も複数掲載されているため、行政法の学習を一通り終えた人であれば手を出してみるのもありです。

『読み解く合格思考行政法』の良いところ

ここから読み解く合格思考 行政法』の良いところを簡単に伝えたいと思います。

答案例が豊富に掲載されている

読み解く合格思考 行政法』の中で、特に高評価な点は、司法試験や予備試験の過去問に参考答案例のみでなく、合格者の合格答案例も掲載されているところです。

答案例が付いている問題集はそれほど多くないのですが、答案例があると、それを参考に自分の答案を添削できるため非常に役に立ちますね。

また、本書では、合格者が実際に本番で書いた再現答案も載っているため、どれくらいのレベルの答案を書けば合格(上位合格)できるのかを認識することもできます

本番では時間制限があるため、参考答案例のような高いレベルの答案を書くことは困難ですので、合格者の答案を一つの目安とするのが良いかと。

また、合格者の答案も2つずつ掲載されていますので、両者を見比べてみると合格に必要な水準をより鮮明に理解できます。

 

行政法の中で特に試験で重要な論点に的を絞った構成

司法試験や予備試験の行政法の論文試験は、他の科目と比較して、出題論点が非常に偏っているという特徴があります。

具体的に言うと、処分性・原告適格・行政裁量からの出題が極めて多くなっています

なので、受験生としては、処分性・原告適格・行政裁量の3部門は、最低限確実に点を取れるようになる必要があります。

読み解く合格思考 行政法』は特に処分性・原告適格・行政裁量に特化して解説し、その他は司法試験や予備試験の問題演習がほとんどとなっています

このような構成は、行政法の論文試験を念頭に置いていて、最低限のレベルを確実にものにするのに最適な作りであると評価できます。

 

『読み解く合格思考行政法』のイマイチなところ

ここからは逆に、読み解く合格思考 行政法』でイマイチな点を挙げていきたいと思います。

全体の問題数が少ない

読み解く合格思考 行政法』は第3部で処分性・原告適格・行政裁量から各1問ずつ、第4部で予備試験3問、司法試験4問の合計10問が掲載されています。

どれも、予備試験や司法試験の問題を使用しているため、問題のクオリティに関しては言うことなし。

ただし、合計10問という問題数の少なさが、問題集としてはイマイチなところですね。

司法試験や予備試験の勉強の中心は問題演習になるので、触れる問題数はできる限り多くしたいところですが、本書だけでは全然足りないため、他の問題集も使用することは必須となります。

 

最頻出論点以外の論点をほぼ学習できない

読み解く合格思考 行政法』の残念なところの一つは、処分性・原告適格・行政裁量という行政法の最頻出論点の解説に注力されており、その他の重要知識(手続法など)はほぼ扱っていない点です。

確かに、行政法の論文試験は上記3点からの出題に偏っているのですが、その他の論点について問う設問も必ずありますので、本書だけでは物足りない面があることは否めません。

本書は網羅性が足りない分、他の問題集も併せて使用することで知識の補完をする必要があります。

最重要論点は本書をメイン、その他の重要知識は他の問題集をメインに使用するという区別が良いかもです。

下記の記事で行政法の基本書や問題集の中からおすすめのものを厳選して紹介しています。本書に加えて、下記の記事で紹介している教材を使用すれば司法試験の合格には十分な学習内容になると思いますので、ぜひ参考にしてみてください

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『読み解く合格思考行政法』はこんな人におすすめ

読み解く合格思考 行政法』は下記のような人におすすめな書籍となっています。

・予備試験受験生

・司法試験受験生

・処分性、原告適格、行政裁量という超頻出論点をマスターしたい人

・参考答案例、合格者の答案例を参考にしたい人