書評(憲法)

【書評】『憲法 事例問題起案の基礎』〜憲法の答案の書き方が分かる!憲法が苦手な人は必読!!〜

(この記事はプロモーションを含みます。)

今回は憲法 事例問題起案の基礎の特徴や評価をまとめて書評を書いていきます。

かなり薄い書籍ではありますが、かなり有益な憲法の参考書なので、司法試験受験生や予備試験受験生で憲法が苦手な人は必読です!

なおこちらの書籍はアガルートアカデミーにて『「憲法 事例問題起案の基礎」解析講座
』という講座が提供されていますので、併せて利用すると効果的です。

ちなみに【2019年4月1日まで】アガルートアカデミーの司法試験・予備試験の全講座が10%OFF(一部講座は30%OFF)なので、気になる方はチェックしてみるのをお勧めします。

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Contents

『憲法 事例問題起案の基礎』 岡山大学法科大学院公法系講座 編著

今回紹介するのは、岡山大学出版会から出版されている憲法 事例問題起案の基礎です。

『憲法 事例問題起案の基礎』

『憲法 事例問題起案の基礎』は他の方も評している通り、受験生にとって定番の憲法参考書『「憲法上の権利」の作法』をコンパクトにまとめたような参考書です。

最近、司法試験や予備試験受験生界隈では注目を集めている憲法の参考書なので、ご存知の方も多いかと思います。

まず本書の「はじめに」を参照すると、「『ホームラン答案』とは言わず、せめて司法試験で他の科目の足を引っ張らないレベルの答案を書けるようになることを目標にして作成した」と書かれていますが、その通り、本書の内容は憲法初〜中級者や憲法が苦手な人にすごく参考になるものです。

簡潔にいうと、司法試験で求められる憲法の論文答案を作成するためのマニュアルとも言えるような内容となっています。

かなり司法試験の論文試験を意識して作成されているので、憲法の答案の書き方に悩んでいる方には非常に有益です。

レベルとしては、憲法を一通り学習して答案作成に取り掛かるくらいの脱初学者〜中級者向けの参考書といったところでしょう。

本書の構成第1章〜第9章まで、それぞれの内容は以下の通りです。

第1章は原告・被告・私見の答案の流れなど、憲法答案作成の一般論

第2章が自由権の合憲性審査方法、第3章が積極的権利に関する合憲性審査方法、第4章が平等権の合憲性審査方法

第5章と第6章はそれぞれ適用違憲と処分違憲、第7章で文面審査の方法

第8章は政教分離の合憲性審査方法

第9章は委任立法・条例に関する合憲性

このように、人権の各分野につき、合憲性の審査方法について解説しています。

第1章で原告・被告・私見の書き分けについて解説されていたり、第5章と第6章で適用違憲と処分違憲の審査方法が記載されていたりと、受験生が一度は戸惑うであろう憲法答案作成上の要点について解説されているのが特徴的です。

総ページ数は98頁と非常にコンパクトなボリュームになっていますので1日あれば十分読み終えることができます

本書で基本的な憲法論文答案の書き方を押さえつつ、『「憲法上の権利」の作法』や『憲法の急所』などを利用しながら実際に答案を作成していくと憲法の論文試験に対する不安感も薄くなるかもしれません。

ボリューム的にも負担は少ないので憲法に苦手意識のある方は一度読んでみると参考になります。

『憲法 事例問題起案の基礎』の良いところ

当事者主張型の憲法答案の書き方が理解できる

司法試験憲法論文問題の出題形式として定番となっている(平成30年は出題形式に変化がありました)原告の主張・被告の反論・私見という三者形式の答案作成方法について解説がされています
このような当事者主張型の問題は三者の立場からの書き分けが求められるため、答案の書き方が難しいと思う方も多いでしょう。
他の科目のように論証パターンを使うことも難しいので、答案の書き方を押さえることが重要になるのですが、『憲法 事例問題起案の基礎』はその点がメインで書かれているのが非常に良いところです。
憲法論文答案の書き方がいまいち分からない方は本書を読んでみるとかなり参考になると思います。

憲法の答案を書く上での悩みどころを解説している

法令違憲・適用違憲・処分違憲の書き分け、違憲審査基準の設定方法、審査基準論と三段階審査の関係など、司法試験や予備試験受験生が憲法の答案を書く際に一度は気にするであろう事項について簡潔に解説されています
法科大学院での授業を踏まえて作成されただけあって、かなり学習者の悩みどころを押さえた内容となっている印象。

「憲法の答案の書き方」に着目した実践的な参考書

本書は学者執筆書籍の中でも試験との関係では非常に実践的な参考書となっています。
上記記載の点と重複しますが、とにかく「憲法答案の書き方」に焦点を絞って解説されているので、特に憲法論文試験に苦手意識を抱えている人にとっては非常に役に立つ内容となっています。
『「憲法上の権利」の作法』も受験生定番の素晴らしい参考書ではありますが、本書の方がコンパクトにまとめられていますので、まずは本書を使用してみるのが良いと思います。
本書で憲法答案の書き方についてイメージをつかんだ上で『「憲法上の権利」の作法』や『憲法 解釈論の応用と展開』などの参考書や『憲法の急所』や『憲法事例演習』などの演習書を使用して、実際に答案作成に取り組んでみると良いでしょう。

コンパクトで読むための負担が少ない

総ページ数98頁と法律系参考書の中でも特にボリュームの少ないものになっていますので、時間の少ない司法試験や予備試験の受験生でも負担なく読めるのがポイントです。
確かに内容としては『「憲法上の権利」の作法』ほど詳細ではないのですが、基本的な憲法答案の書き方のポイントを押さえるくらいは本書でも十分です。
1日あれば読み終えられる程度のボリュームなので、一度読んでみるくらいはしてもいいかもしれません。

『憲法 事例問題起案の基礎』のイマイチなところ

あくまで憲法が苦手な人におすすめ(憲法好きには物足りない)

『憲法 事例問題起案の基礎』では、憲法の論文答案の書き方が分からない方を対象としていますので、憲法が得意で論文試験でも問題ないという方にとっては物足りない内容だと思います。
コンパクトではなくボリュームの多い憲法の参考書が好みの方は『「憲法上の権利」の作法』や『憲法 解釈論の応用と展開』を利用してみると良いでしょう。

本書のみでは憲法答案を書けるようにはならない(答案作成の実践を積む必要アリ)

『憲法 事例問題起案の基礎』では違憲審査基準の設定方法や三者間形式の答案の書き方などが学べるので、すごく憲法の論文問題を解いて答案作成をしたいという意欲は上がります。
しかし、実際に事例問題を踏まえて解説しているわけではありませんので、やはり本書を参考にしながら司法試験過去問など事例問題をたくさん解いてみることが必要となります。
あとでご紹介しますアガルートの講座を利用するのもアリです。

統治機構分野の答案の書き方は学べない

『憲法 事例問題起案の基礎』は新司法試験で出題される憲法論文問題の答案の書き方がメインであると思いますので、基本的には人権分野の違憲性審査の方法が解説されています。
そのため、あまり新司法試験での出題のない統治機構分野の論文答案の書き方は学ぶことができません
平成30年の司法試験では憲法の出題形式が変更されたことが受験界で話題にもなりましたが、その変更を踏まえると今後統治機構分野の出題も考えられますし、予備試験ではすでに出題されることもあります。
本書は基本的人権の論文問題対策を念頭に置いた使用が良いように思われます。

アガルートで分析講座が販売されているので利用してみましょう

最初にも記載していますが、アガルートアカデミーにて『憲法 事例問題起案の基礎』の分析講座
が販売されています。

本書の解説のみならず、司法試験・予備試験の問題(各1問)を利用して本書の想定する答案作成方法が学習できます。

なお、本講座講師が作成したオリジナル答案を用いて解説されるので、具体的な答案例を参考にできる点が良いところです。

憲法に苦手意識を持っている方はチェックしてみると良いかもしれません。
ちなみに、『刑法事例演習教材
』や『事例演習刑事訴訟法
』など他の科目でも同様に市販の演習書や参考書を用いた分析講座があるので合わせて見てみるのをお勧めします。【「憲法 事例問題起案の基礎」解析講座】<講座価格>

14,800円(税込) ➡︎ 13,320円(税込)※2019年4月1日まで

 

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ちなみに【2019年4月1日まで】アガルートアカデミーの司法試験・予備試験の全講座が10%OFF(一部講座は30%OFF)なので、気になる方はチェックしてみるのをお勧めいます。

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『憲法 事例問題起案の基礎』はこんな人におすすめ

・憲法論文試験に不安を抱えている
・憲法論文答案の書き方が分からない
・憲法初〜中級者
・司法試験・予備試験受験生

なお、過去の書評一覧は⬇︎こちら⬇︎にまとめていますので、ご覧ください。
【書評一覧】法律本の書評を総まとめ〜基本書・参考書・問題集・予備校本など〜

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