法律学習

【法科大学院VS予備校】どちらが司法試験・予備試験に合格しやすい???

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法科大学院に通っている人や法科大学院に進学しようと考えている人の中には、予備校講座の利用を考えている人もいるかと思います。

法科大学院の講義を中心に勉強した方がいいのか、法科大学院の講義よりも予備校講座をこなすことを重視した方がいいのか。

このように、法科大学院の学習と予備校講座の学習のいずれに力を入れるべきなのか悩むこともあると思います。

この記事では、司法試験に一発合格した私自身の経験を踏まえて、法科大学院と予備校の講義のどちらの方が司法試験や予備試験の合格に近づけるのかという点について書いていきます

司法試験や予備試験の合格を目指しているけど勉強の方向性が定まらないという人は、ぜひ本記事の内容を踏まえて何に力を入れるべきか考えていただけるといいかなと思います。

Contents

【結論】圧倒的に予備校を利用した方が合格に近い

結論から言ってしまうと、司法試験や予備試験に合格するには、予備校を利用するのが一番効率的だと思います。

法科大学院の講義よりも、予備校の講座の方が司法試験や予備試験向きな面が多いです。

以下では、予備校の講座の利用がなぜ司法試験や予備試験の合格の近道になるのかという点を示していきます。

司法試験や予備試験の対策に特化している

法科大学院の勉強と予備校の勉強の一番大きな差は、司法試験を意識した内容の講義であるか否かという点にあります。

法科大学院は答案指導が制限されているため、受験に直接役立つ講義を受ける機会はそれほど多くありません。

一方で、予備校では、指導内容にそのような制限がなく、予備試験や司法試験の合格を目指した対策講義をしています

答案指導できるかどうかという点の違いは、司法試験や予備試験の受験生にとってはかなり大きな問題です。

例えば、法科大学院では中間テスト・期末テストといった定期試験がありますが、ここで作成した答案に成績が付くだけで、答案添削もありませんし、模範答案のようなものは一切示してくれません。これは答案指導になるため禁止されているわけです。

でも、これでは、「自分の答案にダメなところがあるのは分かったが、どう書けばよいのか分からない」という状態になってしまいますね。

答案指導が禁止されている点が司法試験や予備試験の受験生にとって法科大学院の一番残念なところ

一方で、予備校では、答案指導はダメ、というような変な縛りは一切ありません

論文対策講座では、しっかりと模範答案が示されるため書き方の参考にできますし、答練講座などでは講師や合格者からの答案添削を受けることも可能です。

このように、法科大学院と予備校では、受験生の一番求めている答案指導が許されているかどうかという点で大きな差があるのです。

 

司法試験や予備試験の受験科目以外の勉強がない

法科大学院と予備校との間には受けなければならない講義の科目に違いがあります。

法科大学院では、民法や刑法などの法律基本科目の他、要件事実や刑事実務等の実務科目や経営学、法哲学等の一般教養科目も一定の単位取得する必要があります。

正直、予備試験受験生にとっては、一般教養科目はそんなに重要ではありませんし、司法試験受験生にとっては、実務科目さえ合格には必要ありません。

これに対して、予備校では、予備試験講座であれば法律基本科目に加えて、予備試験で出題される範囲内の実務基礎科目と一般教養科目の講座だけにとどまります。

つまりは、法科大学院では、試験に出題される可能性のない科目まで勉強する負担を強いられるのに対して、予備校では、試験に出題される可能性のある範囲で講義を受けるだけでよいとなっているのです。

このように、法科大学院のカリキュラムには、司法試験や予備試験の合格という目標からすると無駄と思えるものも含まれている点で、予備校講座よりも残念という評価になってしまいます。

※これはあくまで司法試験や予備試験の合格という目標からすると無駄と言えるということです。実務科目は、司法試験に合格した後で必ず学ぶ必要がありますし、一般教養も身に付けておくことに損はありません。

 

予備校講座の質、種類が向上している

まず挙げられるのが、近年の司法試験や予備試験の予備校講座は、質・量ともに急激に向上している点です。

少し前は、司法試験や予備試験等の法律資格の予備校と言えば伊藤塾と言えるような独占状態でした。

現在でも、伊藤塾は実績・人気ともにトップだと言えますが、その他の予備校もかなり急成長しており、実績や人気で伊藤塾を猛追している状況にあります。

特に、資格スクエアアガルートアカデミーは、予備校界隈の中では非常に歴史の浅い予備校ではありますが、伊藤塾と比較して、低価格なのに受講できる講座の種類が豊富で手厚いサービスになっているというコスパの良さから受験生からの人気急上昇中

ちなみに、資格スクエアは予備試験の論文1位合格者を輩出するという実績を出したことで話題になりました。資格スクエア受講生の予備試験の合格者数も100名を超えているため、若い予備校ながら実績的にはかなり成長していると言えます

各予備校の入門講座の料金目安を簡単に示すと、下記の通りです。

・伊藤塾:約100万円〜
資格スクエア:約80万円
アガルートアカデミー:約80万円
・LEC:約100万円

※各予備校とも受講するコースにより価格が異なります。また、入門コースに含まれる講座の種類は予備校により異なるので、各予備校の公式サイトでコースの内容を見比べてみることをおすすめします。

近年では法律予備校同士が、受講生に選んでもらうためにサービス向上により競争しているので、講座の質も量もかなりレベルの高いものとなっているという印象です。

最近は、オンラインで手軽にバラエティに富んだ質の高い講座を受講することができるようになっているため、法科大学院の講義を受けるよりも、予備校講座を受講した方が圧倒的に効果的ですね。

法科大学院の方が優れている点

上記の通り、司法試験や予備試験受講生にとっては、予備校の講義は非常に優れているのですが、法科大学院にも良いところはありますので、それを紹介したいと思います。

有名な学者に直接指導してもらえる機会がある

法科大学院では学者が各講義を担当することになるのですが、有名な学者から直接指導を受ける機会がある点はかなりいいところと評価できます。

基本書や論文だけではなかなか理解できないような事項を、講義の中でかみ砕いて説明してくださることもありますし、判例との整合性についてまで解説されたりと、基本書+αの内容を直接指導してもらえるのが大きい。

ただし、当然ながら、各法科大学院によって所属している学者は異なるため、自分の好きな学者の講義を受けるというのは難しいです。

自分がどうしても直接指導してもらいたい学者がいる場合には、わざわざその学者が所属している法科大学院に入る必要がありますが、果たして、一人の学者から指導を得るためだけにそこまでするべきなのかというのは疑問、、、

将来的に特定の分野で学者になりたいという人であれば直接指導を求めて大学院を決めることもあるかもしれませんが、そもそも法科大学院は学者より弁護士などの実務家になりたい人が入る場所ですので、一人の学者に固執して入ることに大きなメリットはありません。

あくまで、自分の入る大学院に有名な学者や好きな学者がいるなら、講義を受けてみるくらいの感じになるかと思います。

 

学説問題や複数見解論述型の問題に強くなる

法科大学院では、判例や学説の立場や少数説など複数の見解をソクラテス方式で問われる講義がされることがよくあります。

正直、司法試験や予備試験で合格答案を書くには、一部科目を除き、基本的に判例の立場と通説さえ押さえていれば足ります。

一部科目として、憲法、刑事訴訟法、近年は刑法がありますね。これらの科目では、判例の立場の他に複数の異なる結論となる見解を問う問題が出題されますので、判例に加えて主要な学説を押さえることが必要。

学説問題や複数見解論述型を問う科目に関しては、法科大学院のように複数見解を学ぶ講義には効果的な面も大いにあります

もっとも、このような法科大学院の講義の恩恵を受けられるのは一部科目に限られるというのが残念な点ではあるのですが、、、

 

大学院内の施設を使い放題

法科大学院生の特権として、大学院の施設が使い放題になるというのがあります。

図書館、PC、自習室、グループ学習室、ロッカー、など大学院の施設はかなり整っています。図書館で法学書籍や法学雑誌を読みまくれるし、グループ学習室で自首ゼミを開催することも可能。

もちろん、大学院の違い(例えば国立か私立か等)によって、施設の充実度も異なるとは思います。

しかし、どこの大学院であれ、学生が勉強に集中できるだけの施設は完備されていますので、司法試験や予備試験の合格を目指している人にとっては非常に有難い環境だと言えます。

予備校だと、せいぜい個別のブースが設置されているだけなので、ちょっと物足りない気も、、、

しかも、最近人気の高まっている資格スクエアやアガルートアカデミーは、オンライン型の予備校なので、自習室や個別ブースなどの設備は基本的にありません。

PCやスマホでどこでも手軽に学習できるのはオンライン予備校のメリットではありますが、やはり法科大学院が有する図書館やグループ学習室などの設備は、司法試験・予備試験受験生にとっては非常に魅力的だと思います。

 

【まとめ】司法試験や予備試験の合格を目指すなら、予備校講座の利用を強くおすすめします

以上の内容をまとめますと、司法試験や予備試験の合格をゴールとするなら、法科大学院の授業よりも予備校の講座を受講して集中的に勉強した方が近道であるということになります。

なので、法科大学院生や法科大学院に進学予定の人には、予備校講座の利用を強くおすすめ致します。

法科大学院にも、上記で紹介したように良い点はたくさんあるのですが、そのメリットはいずれもかなり限定的なものにとどまります

司法試験や予備試験の合格を本気で目指すのであれば、多くの人が受講する予備校講座を自分も利用した方が絶対に良いです。

法科大学院の講義だけに集中するのではなく、司法試験や予備試験の合格を見据えて、予備校講座もうまく利用してみましょう。

ちなみに、以下の各記事で個人的におすすめな予備校や司法試験一発合格者の私自身が受講していた講座を紹介していますので、ぜひそちらも参考にして頂けると幸いです。

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