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司法試験や予備試験受験生の中には、「どんな教材を使用するのがいいのか」「何を意識して勉強すればいいのか」「具体的に勉強内容はどうしたらいいのか」という疑問を抱えることがある人もいるかと思います。
そこで、本記事では、司法試験に一発合格をした私の経験を踏まえつつ、司法試験の合格に役立つ教材や勉強のポイントを科目ごとにまとめていきたいと思います。
ここでまとめた内容を参考に学習をして頂ければ、合格レベルに到達することも十分可能であると思いますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
Contents
【憲法】の教材・勉強のポイント・勉強内容について
まずは憲法の教材や勉強内容について書いていきます。
【憲法】の教材や予備校講座について
司法試験一発合格者の私が、憲法の教材や予備校講座の中で、司法試験に合格するのにやることをおすすめしたいものは下記のものとなります。
・憲法学読本(基本書)
・憲法-事例問題起案の基礎-(参考書)
・憲法の急所(参考書&問題集)
・憲法ガール Remake Edition(論文過去問集)
・憲法ガールII(論文過去問集)
・憲法判例百選I
・憲法判例百選II
・全短答過去問パーフェクト憲法(短答過去問集)
・入門講座(伊藤塾、資格スクエア、アガルートアカデミー等)
・重要問題習得講座(アガルートアカデミー)
憲法のおすすめ本については下記の記事などでもまとめていますので、こちらも併せて参考にしていただければと思います。
関連記事:【司法試験一発合格者が選出】憲法のおすすめ基本書・参考書・問題集・判例集などの本一覧
【憲法の勉強のポイント】答案の書き方と判例通説の理解が大切
憲法の学習は「憲法の基本的論点(学説判例等)を押さえる」「答案の書き方(流れ)を身に付ける」という2点が最低限必要になります。
これら2点さえ出来てしまえば、あとは判例をひたすら読んで問題演習(過去問)をこなしていくだけで、合格点を十分狙えるレベルになります。
憲法は苦手意識の強い人が比較的多く、また書き方もしっかりと身に付けられてない人もいるため、相対的に上の答案を書きやすい科目。
なので、まずは憲法の基本的な知識をある程度身に付けて、その後は問題演習をこなしつつ答案の型・流れを掴んでいくと良いです。
【憲法の具体的な勉強内容】過去問演習が最重要
基本的知識の習得については、基本書&判例集が勉強の中心になります。基本書に関しては、資格スクエアやアガルートアカデミー等の予備校入門講座を受講することでも代替可能。
後者の答案の書き方については『憲法の急所』の序章部分で非常に分かりやすくまとめられているため、それを参照にすると良いです。『憲法-事例問題起案の基礎-』も憲法の論文答案を書く際に参考になる情報を提供しているので読むことをおすすめします。
問題演習については、憲法では特に過去問演習が重要になるため、『憲法ガール』等の過去問解説本を使用しながら実際に答案を書いてみるのがおすすめ。
あとは、出題確率は低めですが、「統治機構」の分野についても論文試験で問われる可能性ありなので、網羅性のある問題集(『憲法事例演習』等)あるいはアガルートアカデミーの『重要問題習得講座』で問題演習しておくと安心できます。
【行政法】の教材や予備校講座について
次に行政法の勉強について書いていきます。
【行政法】の教材や予備校講座について
行政法は下記の教材や予備校講座を使用するのが良いかと思います。
・基本行政法
・サクハシ行政法
・基礎演習行政法
・事例研究行政法
・行政法ガール
・ケースブック行政法
・行政法判例ノート
・司法試験過去問
・入門講座(伊藤塾、資格スクエア、アガルートアカデミー等)
・重要問題習得講座
※『ケースブック行政法』と行政法判例ノートはいずれか一方だけでもいいかもしれません。ただ、『ケースブック行政法』が少数の重要判例を長めに掲載しているのに対して、『行政法判例ノート』は多くの判例を簡潔にまとめて掲載しており、両者は特徴が異なるので、両方とも使うというのもアリです。
上記の教材等を使用すれば、司法試験や予備試験の合格レベルの知識は十分身につけることができます。
なお、行政法についても下記の記事等でおすすめ書籍について詳細を紹介していますので、そちらもご覧ください。
関連記事:【司法試験一発合格者が推薦】行政法のおすすめ基本書・参考書・問題集など
【行政法の勉強のポイント】最頻出論点を確実に理解する
行政法の勉強のポイントは「超頻出事項を確実に押さえる」「あてはめの仕方をマスターする」という2点が重要になります。
まず1点目の「超頻出事項を確実に押さえる」については、司法試験行政法の論文試験で一番重要な事項と言っても過言ではありません。
行政法の論文試験では処分性・原告適格・訴えの利益・行政裁量が最頻出の論点であり、毎年のように出題されています。
ここで何も書けないということになってしまうとそれだけで合格水準を下回ってしまう可能性があるので、とにかくこれらの最頻出論点はしっかりと答案を書けるようにしましょう
また、これらの頻出事項は司法試験・予備試験の受験生であれば当然のように基本事項くらいは答案に書けるようになっているため、ただ単に規範とあてはめを何となく書いたような答案では、おそらく良い評価は取れません。
行政法の問題に付属している法律や条令の構造を把握し、根拠法令を的確に指摘した上で、法構造を踏まえた詳細なあてはめをしていくという答案が求められます。
問題演習を何度もこなすことで、答案の質を向上していく必要があります。これにより、2点目の「あてはめの仕方をマスターする」という点もクリアできるようになります。
【行政法の具体的な勉強内容】頻出論点を中心とした勉強
行政法の勉強内容は、まずは予備校の入門講座や『基本行政法』等の基本書で、行政法の基礎知識をざっくりと頭に入れることが大事です。
特に「処分性・原告適格・訴えの利益・行政裁量」の部分と「行政手続法」や「訴訟類型」の部分はしっかりと読み込みましょう。その他の部分は、学習初期の段階では、一通り触っておくくらいでも良いかと。
その後で、「基礎演習行政法」でまずは簡単な問題演習を行い、「事例研究行政法」や「重要問題習得講座」でより高度な問題に取り組みましょう。
処分性・原告適格・訴えの利益・行政裁量の問題に関しては、何度も何度も解きなおすことで確実にマスターしたいところ。
【民法】の教材や予備校講座について
次は、民法の教材や勉強について書いていきます。
【民法】の教材や予備校講座について
民法の教材の中で、司法試験合格に特に役立つと思うものは下記の通りです。
・民法の基礎・総則(基本書)
・民法の基礎・物権(基本書)
・道垣内担保物権法(基本書)
・プラクティス民法 債権総論(基本書)
・基本講義 債権各論(基本書)
・吉村不法行為法(基本書)
・窪田家族法(基本書)
・趣旨規範ハンドブック・民法(参考書)
・択一六法・民法(参考書)
・読み解く合格思考・民法(問題集)
・事例で学ぶ民法演習(問題集)
・民法判例百選I 総則・物権(判例集)
・民法判例百選II 債権(判例集)
・民法判例百選III 親族・相続(判例集)
・短答過去問パーフェクト・民法(短答過去問集)
・入門講座(伊藤塾、資格スクエア、アガルートアカデミー等)
・重要問題習得講座
民法は勉強範囲が広くて、必要な基本書の量もかなり多くなってしまいます。
基本書の通読がマストというわけではありませんが、手元に揃えておくと便利です。
【民法の勉強のポイント】趣旨・要件・効果を強く意識する
民法の論文の勉強で特に重要なポイントとなるのは「判例の規範や条文(制度)の趣旨を頭に入れる」「要件・効果を意識した答案」の2点です。
これらは基本書(あるいは予備校本や予備校入門講座のテキスト)の読み込みと問題演習の往復をこなしていけば自然とできるようになると思います。
なお、司法試験論文の民法科目は短答知識とも思えるような細かい点が問われることもありますし、受験生の手が回らないことが多い家族法の分野からも出題されることよくあります。
これに対応するための方法として、短答過去問集をひたすら周回するというのがおすすめです。
短答過去問集を回しておけば、細かい知識も頭に入れられますし、出題頻度の高い判例の規範等にも何度も触れられるからです。
【民法の具体的な勉強内容】範囲が広いため、早めに1周するべき
民法は範囲がとても広く、勉強の負担が一番大きい科目です。
なので、まず意識するべきなのは、早い段階で1周終わらせるということ。
とにかく民法総論~家族法までを、予備校の入門講座なり基本書なりで一通り勉強するのが大切です。
基本書については、民法の場合には、学説等の深い知識を頭に入れる必要性は必ずしも高くはないので、正直なところ、何を使用しても良いとは思います。一応、個人的なおすすめは上記のもの。
資格スクエアやアガルートアカデミー等の入門講座を利用している人は、そのテキストで十分すぎます。
民法の問題演習については、『読み解く合格思考・民法』が問題検討の順序や答案の書き方を学べるので非常におすすめ。
あとは網羅性のある問題集を一冊グルグル回しつつ、基本書(または入門講座のテキスト)を復習していけばオーケーです。
【刑法】の教材・勉強のポイント・勉強内容について
次に、刑法の教材や勉強内容について書いていきたいと思います。
【刑法】の教材や予備校講座について
刑法の教材や予備校講座の中で、個人的に司法試験対策として役に立つと感じるものは下記の通りです。
・基本刑法I 総論(基本書)
・基本刑法II 各論(基本書)
・呉明植基礎本シリーズ・刑法総論(予備校本)
・呉明植基礎本シリーズ・刑法各論(予備校本)
・アガルートの合格論証集(参考書)
・ロースクール演習刑法(問題集)
・刑法演習ノート(問題集)
・刑法総論の悩みどころ(参考書)
・刑法各論の悩みどころ(法学教室の連載)
・刑法判例百選I 総論(判例集)
・刑法判例百選II 各論(判例集)
・短答過去問パーフェクト・刑法(短答過去問集)
・司法試験、予備試験過去問
・入門講座(伊藤塾、資格スクエア、アガルートアカデミー等)
・重要問題習得講座
刑法のおすすめ本の詳細についても下記の記事等でまとめていますので、そちらをご覧いただければと思います。
関連記事:刑法のおすすめ基本書・参考書・演習書など【司法試験一発合格者が推薦】
【刑法の勉強のポイント】刑法体系を理解して答案を書けるようになる
刑法の勉強のポイントは
「刑法の体系を理解した答案構成の型を覚える」
「構成要件の定義を暗記する」
「あてはめで使う具体的要素を頭に入れる」
の3点です。
※近年は、司法試験刑法の論文科目で出題傾向の変化がありまして、複数の見解から論述させるタイプの設問が出現しました。このタイプの問題でしっかりと点を稼ぐには「判例・学説の内容とそれぞれから導かれる結論を理解する」という点も重要なポイントとなります。なので、上記の3点に加えて、判例・複数の学説を理解するための勉強も行いましょう。
刑法の体系を理解した答案構成の型を覚えるというのは、例えば「構成要件→違法性→責任」とか「客観的構成要件→主観的構成要件」の順番で答案を書くという刑法のお約束を頭に入れるということです。
これは、答案例付きの問題集で答案構成を学習し、実際に答案構成を自分自身で考えてみるという作業で身に付けることができます。
「構成要件の定義を暗記する」という点は、特に刑法の論文科目では重要です。
刑法の論文試験で構成要件の定義を間違えるというのはかなり致命的であり、定義を間違えるとあてはめの内容まで間違えることになるため、その要件の部分では点数が全然取れないということになってしまいます。
刑法各論の基本書、予備校本、予備校の入門講座テキストや参考書で、しっかりと定義を確認しておきましょう。
ちなみに、構成要件定義集を作成すれば、作成過程で暗記もできますし、試験直前の確認作業も楽になります。
「あてはめで使う具体的要素を頭に入れる」というのは、刑法の論文試験では問題文の具体的事実の中にあてはめで使う事実が沢山ちりばめられています。
その具体的事実をどれほど沢山拾うことができるのか、というところでかなり点数に差が付きます。なので、あてはめで使う事実をしっかりと頭に入れる必要があります。(例えば、殺意の認定や強盗罪の犯行を抑圧する程度の暴行等、あてはめの仕方が重要になる要件が多数あります)
この点も、刑法各論の基本書、予備校本、予備校の入門講座テキストを使うことがおすすめできますし、さらに問題演習で「あてはめ」の部分の答案例や解説に注目するというのも有効です。
【刑法の具体的な勉強内容】問題演習メインの勉強が効果的
刑法の勉強内容として個人的におすすめできるのは、とにかく問題集を何度も周回すること。
特に、答案例付きの問題集や重要問題習得講座のテキストを使って、答案の書き方や流れを身に付けることは非常に効果的です。
基本的な知識は基本書又は入門講座で早めに押さえて、あとはひたすら問題演習をする。
論点の理解が足りていないと感じた時には基本書で該当部分を読むことで知識を補完すればよいです。
あとは、論文試験で論証をちゃんと書けるようになるために、『アガルートの合格論証集』で論証パターンを頭に入れることも重要です。
刑法の論文試験は時間との勝負という側面も大いにありますが、機械的に論証を吐き出すことで途中答案を避けることができます。
また、論証を思い出す作業に費やす時間が少なくなれば、その時間を問題の分析や答案構成やあてはめ等の時間をかけるべきポイントに回すことができ、より評価される答案を書くこともできます。
刑法は問題演習の量を多めにしながら、典型論点の論証を暗記するというのが一番の勉強です。
※前述の通り、近年は複数の立場からの論述を求める設問が出題されています。なので、判例・通説だけでなく、有力説や少数説などの学説も勉強する必要性が高まっています。これについては、『刑法総論の悩みどころ』で各論点の判例と学説を整理しながら議論しているため非常におすすめです。あとは、基本書を読みながら理解を深めることが有効です。
【民事訴訟法】の教材・勉強のポイント・勉強内容について
次に、民事訴訟法の教材や勉強内容についてまとめていきます。
【民事訴訟法】の教材や予備校講座について
民事訴訟法の教材や予備校講座の中から、個人的に役に立つと思われるものは下記のものになります。
・基礎からわかる民事訴訟法(基本書)
・リーガルクエスト民事訴訟法(基本書)
・趣旨規範ハンドブック(参考書)
・ロースクール演習民事訴訟法(問題集)
・基礎演習民事訴訟法(問題集)
・民事訴訟法判例百選(判例集)
・司法試験過去問
・旧司法試験過去問
・入門講座(伊藤塾、資格スクエア、アガルートアカデミー等)
・重要問題習得講座
※『基礎からわかる民事訴訟法』と『リーガルクエスト民事訴訟法』はいずれも受験生に人気の基本書です。どちらか一方を選んで使うのが良いです。個人的には、基礎からわかる民事訴訟法が事例を中心に解説しているため分かりやすかったのでおすすめです。
民事訴訟法はいろんな教材を使うよりも、使用教材を絞って、何度も読み込んで理解度を高めていくのが重要かと思いますので、他の科目よりも少なめになっています。
民事訴訟法の書籍についても、詳細を紹介する記事を下記のように掲載していますので、そちらも参考にしてください。
関連記事:【司法試験一発合格者が選ぶ】会社法のおすすめ基本書・参考書・問題集・判例集などの本一覧
【民事訴訟法の勉強のポイント】民訴法上の重要概念を徹底的に理解する
民事訴訟法の勉強で重要なポイントとなるのは以下の通り。
「民事訴訟法上の重要概念の理解を深める」
「定義を確実に暗記する」
「要件事実を意識して答案を書けるようにする」
最初の点については、民事訴訟法では弁論主義・処分権主義・訴訟物・既判力等、試験で頻出する超重要概念があります。
これらのような民訴法上の重要概念をしっかり理解することがとても大切であり、それがすべてであると言っても過言ではありません。
そのためには、基本書や予備校の入門講座でしっかりと理解できるまで学習するとともに、判例百選で判例と解説を読むのが効果的な勉強になります。
「定義を確実に暗記する」という点については、民事訴訟法の論文答案では、上記のような重要概念の定義を示す必要があるため、定義の暗記が必須事項になるというわけです。
そして、非常に重要なのにもかかわらず、受験生の中で意識が薄くなりがちなのが3点目の要件事実に対する意識です。
民事訴訟法の論文答案を書く際に、主要事実と間接事実の違いを踏まえた答案が求められる論点があります(例えば、裁判上の自白など)。
要件事実を理解したうえで、それを踏まえた事案分析が出来ていると高評価に繋がりやすいため、民事訴訟法の学習が進んだ段階で、要件事実の勉強もしておいたほうが良いと思います。
なお、要件事実の教材については、下記の記事でおすすめをまとめていますので、気になる方はチェックしてみてください。
関連記事:【司法修習生必見】要件事実の学習に絶対おすすめな本まとめ〜予備試験受験生や法科大学院生にもおすすめ〜
【民事訴訟法の具体的な勉強内容】比較的、基本書の読み込み等のインプットが重要
民事訴訟法の勉強内容としては、まずは基本書や予備校の入門講座で基本知識の習得をするという点が大切になります。他の科目よりも、インプットの重要性が高い科目であると思います。
ですので、問題演習よりも基本書や入門講座による知識のインプットに重点を置いた勉強にしましょう。
問題演習については、『ロースクール演習民事訴訟法』を何度もやり込むことと、司法試験の過去問に取り組むことが効果的です。
また、司法試験の民事訴訟法では、事案処理よりも論点理解を示すという点が重要になるため、旧司法試験のような論点理解度を問う問題に取り組むことも有効な勉強になります。
旧司法試験で問われた問題が新司法試験で再出題されるというケースも多いので、旧司法試験の過去問に挑戦する意義は大きいです。
定義や要件を暗記する際に役立つのが『趣旨規範ハンドブック』です。これで一通りの定義を暗記して、司法試験や旧司法試験の問題を何度もやり込みましょう。
【刑事訴訟法】の教材・勉強のポイント・勉強内容について
次に、刑事訴訟法の教材や勉強のポイントなどを書いていきたいと思います。
【刑事訴訟法】の教材や予備校講座について
刑事訴訟法の教材や予備校講座のうち、司法試験に役立つものとしては下記のものがあります。
・リーガルクエスト刑事訴訟法(基本書)
・呉明植基礎本シリーズ・刑事訴訟法(予備校本)
・刑事訴訟法入門(参考書)
・ロースクール演習刑事訴訟法(問題集)
・司法試験過去問
・刑事訴訟法判例百選(判例集)
・入門講座(伊藤塾、資格スクエア、アガルートアカデミー等)
・重要問題習得講座
刑事訴訟法についても、下記の記事で書籍の詳細等を書いていきますので、ご覧ください。
関連記事:【司法試験一発合格者がおすすめ】刑事訴訟法の基本書・参考書・問題集など
【刑事訴訟法の勉強のポイント】捜査法・証拠法の重要論点を理解する
刑事訴訟法の勉強については、比較的やりやすいと感じる受験生が多いと思います。
というのも、司法試験の刑事訴訟法では、基本的に「捜査」「証拠」の分野からそれぞれ出題されることが多く、しかも、重要論点・基本論点からの出題がほとんどで、過去出題歴のある問題も多いです。
なので、(民法等の科目と比較すると)学習範囲はあまり広くはなく、マイナーな論点まで必死になって覚える必要性もそれほど高くありません。
刑事訴訟法の勉強の中で特に気合を入れて勉強してほしいのが「伝聞証拠」の部分。
「伝聞証拠」は刑事訴訟法の中でも、試験の出題頻度が非常に高く、重要性があるのですが、理解が非常に難しいので挫折する人も多い部分でもあります。
刑事訴訟法の論文試験では、「伝聞証拠」の問題が出題された場合に、書き負けないように理解を深めておくことが肝要となりますので、「伝聞証拠」の部分については、基本書・判例集の読み込みを特に重視しましょう。
【刑事訴訟法の具体的な勉強内容】重要論点を基本書や問題集で徹底的に学習する
刑事訴訟法の勉強内容に関しては、基本書・判例集・メイン問題集をひたすら回しておけば十分だと思います。
マイナー論点が出題されることは少ないので、捜査・証拠の重要論点の理解度を深めていくことが合格の近道です。
基本書は『リーガルクエスト刑事訴訟法』が人気でおすすめですが、資格スクエアやアガルートアカデミー等の入門講座を受講している人は、その入門講座のテキストでも良いです。
問題演習については、メイン問題集1冊だけだとちょっと少ないので、余裕があれば、問題数の多い問題集や予備校の問題演習講座も使用するとなお良し。(おすすめはアガルートアカデミーの『重要問題習得講座』)
加えて、刑事訴訟法の判例百選は解説が非常に丁寧で優れているため、特に重要な判例の解説に関しては、しっかりと読み込むことで重要論点の知識を深めることができます。
刑事訴訟法の論文試験では、過去に出題された論点が再度出題されることもよくあるため、司法試験本番が近づいてきたら過去問をやり込むことも非常に有効な勉強になりますね。
【会社法】の教材・勉強のポイント・勉強内容について
最後に、会社法の勉強について、まとめていきたいと思います。
【会社法】の教材や予備校講座について
会社法(商法)の教材の中で、司法試験や予備試験の対策として効果的だと感じるものは下記の通りです。
・リーガルクエスト会社法(基本書)
・田中亘会社法(基本書)
・ひとりで学ぶ会社法(問題集)
・事例研究会社法(問題集)
・新論文の森 商法(問題集)
・司法試験過去問
・予備試験過去問
・会社法判例百選(判例集)
・入門講座(伊藤塾、資格スクエア、アガルートアカデミー等)
・重要問題習得講座
※『リーガルクエスト会社法』と『田中亘会社法』はどちらか一つだけで十分です。『リーガルクエスト会社法』は比較的コンパクトで分かりやすい解説、『田中亘会社法』は非常に詳細で読みごたえのある解説という特徴があるので、好みの方を選びましょう。ちなみに、私はメインが『リーガルクエスト会社法』でサブ的に『田中亘会社法』を使用しました。最近は、『田中亘会社法』の方が人気が高いという印象です。
会社法の教材に関しても、下記の記事で詳細をまとめていますので、そちらも併せて読んで頂ければ幸いです。
関連記事:【司法試験一発合格者が選ぶ】会社法のおすすめ基本書・参考書・問題集・判例集などの本一覧
【会社法の勉強のポイント】条文操作に慣れる、頻出論点中心に学習するべき
会社法の勉強では以下の点が重要なポイントとなります。
「会社法の頻出論点を理解する」
「条文操作に慣れる」
「手続きを頭に入れる」
特に重要な点が最初の「会社法の頻出論点を理解する」です。
会社法の論文試験では、設立、株式の発行、取締役の責任、取締役会や株主総会の決議の効力、組織再編等から出題されることがほとんどです。
ですので、これらの分野の論点を徹底的に学習することがとても重要となります。学説をいくつも勉強する必要はなく、判例通説を学習していれば十分答案を書くことができます。
また、会社法は条文の数が多く、個々の条文が長いので、条文を探すことで時間を使ってしまう恐れがあります。
423条や309条等、確実に覚えておくべき条文は当然ですが、それ以外の条文もすぐに見つけられるように条文操作に慣れておきましょう。
どのような規定がどのあたりに存在するのかという当たりを付けられるだけでも、条文を探す時間をかなり省略できます。
加えて、会社法の論文試験では、手続きの流れを問う問題がしばしば出題されるため、取締役会や株主総会の招集手続、新株発行の手続き等の各種手続き規定も頭に入れておくことが重要です。
【会社法の具体的な勉強内容】ざっくり基礎知識を押さえたら、重要論点の問題演習を徹底する
まずは基本書なり予備校の入門講座なりで基本事項をざっくりと頭に入れるというのは他の科目と同様。
その後は問題演習をガンガン行っていきましょう。個人的には、『ひとりで学ぶ会社法』が初学者向けの問題集としては非常に丁寧で、条文操作も学習できるためおすすめです。
会社法の(特に頻出論点について)力が付いてきたと感じられた段階で、『事例研究会社法』や等の問題集に取り組んで、実際に答案を書いていくと良いです。
司法試験が近づいてきたら、司法試験の過去問の分析をする必要があります。
また、会社法に関しては、予備試験の過去問で出題された論点が司法試験で出題されるケースもあるため、予備試験の過去問も解いてみることをおすすめします。
なお、会社法の他に、手形小切手法や商行為・商法総則からの出題も考えられます(出題可能性は極めて低いですが)ので、『新論文の森 商法』等の手形小切手法や商行為・商法総則の問題を扱った問題集で少し確認しておくと安心できます。
手形小切手法や商行為・商法総則の問題については予備試験で出題されたことがあるので、予備試験の過去問を確認しておくことも一応やっておくと良いですね。
【最後に】本記事で紹介している勉強をこなすことで合格水準に乗れる
以上、司法試験の法律基本科目のおすすめ教材、勉強のポイント、具体的な勉強内容について、司法試験一発合格者の経験を踏まえて私見を述べさせて頂きました。
本記事でまとめた内容を実行して頂ければ、司法試験で合格水準に達することは十分可能ではないかなと思います。
もちろん、勉強法や参考書には、人によって合う・合わないがあるため、本記事の内容が唯一の正解であるなんてことはあり得ません。
ただ、実際に司法試験に一発で合格できた私の実体験としては、本記事にまとめた勉強内容でも十分合格レベルに乗ることができると感じております。
本記事の内容を参考にしつつ、自分なりに改善して、自分にとって最善の勉強内容を見つけて頂ければいいのかなと思います。
本記事の内容が、司法試験や予備試験受験生のお役に立つものであれば幸いです。
なお、ご質問等はTwitter()のDMに送っていただければ、可能な限り回答したいと思いますのでよろしくお願いします。