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こんにちは
司法試験や法科大学院入試のために刑事訴訟法を学習しなければならないという方は多いのではないかと思いますが、特に初学者の段階だと基本書選びには悩むでしょう。
私自身、初学者の頃はもちろん、司法試験のための学習を本格的に始めた後でさえ、「どの基本書(問題集)を使えば良いのか」という疑問を覚えることがよくありました。
そこで、この記事では刑事訴訟法の基本書や問題集選びに悩みを抱えている人に向けて、司法試験に一発合格できた私が受験後に思う、刑事訴訟法のおすすめ基本書・問題集等をご紹介していきたいと思います。
皆様の刑事訴訟法の参考書選びのお役に立てれば幸いですので、ぜひご参考にしてください。
Contents
【刑事訴訟法】初学者向けのおすすめ基本書・参考書・問題集など
まず初学者向けのおすすめ書籍をまとめていきたいと思います。
【基本書(予備校本)】『GO!シリーズ 刑事訴訟法』
まず、初学者が一番最初に刑事訴訟法の基礎知識を頭に入れるのに適している書籍は『GO!シリーズ 刑事訴訟法』だと思います。
『GO!シリーズ 刑事訴訟法』は伊藤塾講師の呉明植先生が執筆なされているのですが、予備校本や基本書の中でも解説のコンパクトさとわかりやすさが群を抜いて素晴らしい書籍です。
初期の頃から学者が著者の基本書を読もうとしてもハードすぎると思いますので、『GO!シリーズ 刑事訴訟法』のような解説があっさりしている書籍で、まず一周してみるのが良いかと。
ページ数で言うと500ページほどあるのですが、1ページあたりの文字数は多くないですし、難しい表現もあまり使われていないので、全体のボリュームよりは負担が少なく感じると思います。
あと、『GO!シリーズ 刑事訴訟法』の良いところをもう一点あげると、巻末に論証パターンが付いているという点です。
論証パターン集は論文試験で答案を書く際の見本みたいなものなのですが、受験生なら一度は論証集(例えば工藤北斗の合格論証集)にお世話になるので、その論証が付属している点はかなりありがたいです。
答案作成のイメージ掴みにぴったりなので、学習者には非常に役に立つと思います。
※『GO!シリーズ 刑事訴訟法』について詳細を書評として下記の記事にまとめていますので、ぜひそちらもご参考にしていただければ幸いです。
関連記事:【書評】伊藤塾 呉明植 基礎本シリーズ(GOシリーズ)〜法律初学者にまずオススメな予備校本〜
【判例集】『刑事訴訟法 判例百選』
初学者におすすめな刑事訴訟法の判例集は『刑事訴訟法 判例百選』です。
『刑事訴訟法 判例百選』は「判例百選」という判例集では一番有名なシリーズの刑事訴訟法のものです。
『刑事訴訟法 判例百選』は判例百選シリーズの中でも特に評判の良いものでして、刑事訴訟法を学習することになるなら必ず読むことになるとは思いますので、初学者の段階から目を通しておくと良いかと思います。
ただ、判例の解説では学説まで紹介されていたりしますので、初学者には少々ハードかもしれません。
最初は判旨だけとかでも良いと思いますし、逮捕や職務質問など捜査法の判例はイメージがつきやすいのでそれらだけ読むとかでも良いかと思います。
いずれは全ての判例に目を通すことになると思います。刑事訴訟法は初学者の段階でもイメージがつきやすい科目ですので、早い段階から『刑事訴訟法 判例百選』を使用しておくのがおすすめです。
【問題集】『ロースクール演習刑事訴訟法』
初学者に刑事訴訟法の問題集を何かおすすめするとしたら『ロースクール演習刑事訴訟法』が良いのかなと思います。
『ロースクール演習刑事訴訟法』の特徴は、解説が非常にわかりやすくて論旨明快に書かれている点です。
それほど深く解説しているわけではありませんが、コンパクトにサクサク読める形で問題の中身を解説しているので、初学者でも読みやすいというのが良い点です。
さらに、各問題ごとに出題の意図・論点がまとめられていて、答案作成上の注意点まで記載されています。
初学者が答案を書く際に何を気をつければ良いのか、というのがすぐに分かるようになっているのもすごくおすすめなポイントの一つ。
ただ、問題のレベルは初学者には少々難しいかもしれません。他の問題集よりは優しめだとは思いますので、前述の基本書を一度読んで基礎知識を頭に入れた後で『ロースクール演習刑事訴訟法』に取り掛かると良いと思います。
※『ロースクール演習刑事訴訟法』について詳細を書評として下記の記事にまとめていますので、ぜひそちらもご参考にしていただければ幸いです。
関連記事:【書評】『ロースクール演習刑事訴訟法』〜使い勝手の良い試験対策向き問題集〜
【刑事訴訟法】中級者以上向けのおすすめ基本書・参考書・問題集など
ここからは中級者以上向けに刑事訴訟法のおすすめ基本書・参考書・問題集などをまとめていきます。
【基本書】『リーガルクエスト刑事訴訟法』
まず中級者以上向けにおすすめしたい基本書は、『リーガルクエスト刑事訴訟法』です。
『リーガルクエスト刑事訴訟法』の特徴は、小見出しに分けた作りやコラムで解説の補充がされているなど、学習者が読みやすい構成になっている点です。
司法試験受験生の使用率もおそらくトップだと思われるくらいには、刑事訴訟法の学習者の多くが使用している定番の基本書。
刑事訴訟法の基本書選びに悩んだ時は『リーガルクエスト刑事訴訟法』を購入しておけば失敗はないかと思います。
【基本書】『刑事訴訟法(酒巻)』
中級者以上におすすめな刑事訴訟法の基本書をもう一冊、紹介しておきます。それは、酒巻先生の『刑事訴訟法(酒巻)』です。
『刑事訴訟法(酒巻)』は先ほどの『リーガルクエスト刑事訴訟法』とは異なり、少し難解で深い解説がされているのが特徴的です。
刑事訴訟法が得意な方は『リーガルクエスト刑事訴訟法』よりも『刑事訴訟法(酒巻)』を選んでも良いかもしれません。
『刑事訴訟法(酒巻)』についても司法試験受験生の中で使用している人は多い、メジャー基本書です。
かなり読み応えのある高度な議論もありますので、刑事訴訟法をがっつり学習していきたい人には非常におすすめできます。
逆に、初学者や刑事訴訟法が苦手な方が選ぶ基本書としてはおすすめできません。
【参考書】『刑事訴訟法入門』
刑事訴訟法のおすすめ参考書として『刑事訴訟法入門』が挙げられます。
これは『刑事訴訟法入門』という題名にもかかわらず、割と難しめの内容も含んでいる刑事訴訟法の重要論点の解説書です。
例えば、強制処分と任意処分・別件逮捕拘留・無令状での捜索差押えなど、刑事訴訟法の試験でよく問われる重要論点を詳細に解説しています。
非常に分かりやすくて刑事訴訟法の理解が進むため、かなりおすすめの参考書なのですが、少々難しい議論も扱っていたりしますので初学者の段階で使用するには早すぎるかもしれません。
ただ、それなりに刑事訴訟法を学習した際に読んでみると、非常に勉強になる記述が多くて、刑事訴訟法の力をより鍛えることができます。
私自身、刑事訴訟法の実力が一番上がったのは、『刑事訴訟法入門』を読んで以降だったと思っているくらい、かなりお世話になった参考書です。
刑事訴訟法を勉強する人には非常におすすめしたい一冊なので、ぜひ興味のある方は購入してみてください。
【参考書】『判例講座 刑事訴訟法』
もう一冊刑事訴訟法のおすすめ参考書の『判例講座 刑事訴訟法』を紹介します。
『判例講座 刑事訴訟法』も『刑事訴訟法入門』と同様に、刑事訴訟法の重要論点について解説している参考書になります。
『判例講座 刑事訴訟法』の特徴は、判例の紹介・引用が多くなされていることとそこまで高度な内容ではなく分かりやすく解説されていること。
各論点について、メイン判例を紹介して、その判例を中心に学説なども解説していく、という流れになっています。
そこまで難しく書かれているわけではないですがかなりボリュームのある参考書ではありますので、自分の苦手な論点について解説している部分を中心に読んでくのが良いと思います。
※『判例講座 刑事訴訟法』について詳細を書評として下記の記事にまとめていますので、ぜひそちらもご参考にしていただければ幸いです。
関連記事:【書評】判例講座 刑事訴訟法〔捜査・証拠篇〕〜判例を中心に論点を解説した参考書〜
【問題集】『エクササイズ刑事訴訟法』
中級者以上向けの刑事訴訟法の問題集としておすすめしたいものは『エクササイズ刑事訴訟法』です。
『エクササイズ刑事訴訟法』は長文問題と当てはめ中心の解説が特徴の問題集。
数ページにわたる長めの事例問題が出題されるので、司法試験のための実力試しとしてぴったり。
薄い問題集なので周回するのに向いていますが、問題自体はなかなかハードです。
イメージとしては司法試験などの刑事訴訟法の論文試験の模試感覚のような感じで使用できる問題集になっています。
長文の事例問題に慣れたいのであればかなりおすすめできる一冊です。
※『エクササイズ刑事訴訟法』について詳細を書評として下記の記事にまとめていますので、ぜひそちらもご参考にしていただければ幸いです。
関連記事:【書評】『エクササイズ刑事訴訟法』〜薄くて周回向きの演習書〜
【問題集】『事例演習刑事訴訟法』
もう一冊、中級者向けに刑事訴訟法のおすすめ問題集を紹介します。それは、『事例演習刑事訴訟法』(通称古江演習本)です。
『事例演習刑事訴訟法』は、問題自体は短めの事例ですが、解説が非常に高度でアカデミックな内容となっている問題集です。
正直、司法試験にはオーバースペック感もありますが、『事例演習刑事訴訟法』をがっつりやり込んで理解できると、刑事訴訟法の力が大きく向上すると思います。
おそらく、司法試験受験生は一度は読んだことがあるだろう、というようなそれくらいメジャーな刑事訴訟法の問題集です。
ある程度知識をつけないとイマイチ理解できないこともあるかと思いますが、しっかりと基礎知識を身につけてから取り組むには最適な演習本となっています。
【判例集】『判例教材 刑事訴訟法』
中級者以上向けの判例集としておすすめなものは『判例教材 刑事訴訟法』です。
『判例教材 刑事訴訟法』は『刑事訴訟法 判例百選』のように各判例に解説がついているわけではありません。
しかし、そのぶん判旨が長めに掲載されている点や地裁や高裁などの下級審裁判例も多く掲載されている点で、中級者以上の方が判例学習をするには非常に向いています。
特に、下級審裁判例は事実の当てはめ部分がかなり詳細になされています。当該事案の事実をかなり詳しく記載しながら当てはめを行なっていますので、論文で答案を書く際に着目すべき事実を知ることができます。
別件逮捕のように最高裁判例があまり無いような論点もありますし、下級審裁判例の判旨は司法試験の論文答案を書く際の参考としても非常に有益。
じっくりと腰を据えながら判例学習をしたい時には『判例教材 刑事訴訟法』があると便利です。
刑事訴訟法は、基本書よりも問題集と判例集中心の勉強がおすすめ
刑事訴訟法の勉強は、基本書を何度も読み込むよりは、ざっと一周したくらいで問題集や判例集での勉強を中心にするのがおすすめです。
司法試験などの論文試験では、刑事訴訟法の問題で重要になるのは事案処理能力です。
長文の事案から必要な事実を抽出する、という作業が一番のメインになります。
なので、刑事訴訟法の知識を一通り頭に入れたら、そこからは問題演習でたくさんの事例問題に触れるというのが良いかと思います。
また、判例で当てはめの相場観を身につけるのも大切です。(例えば、現行犯逮捕の明白性要件の該当性など)
私自身、刑事訴訟法に関しては基本書を通読することは一度もなく、学習の中心はほとんど問題集のやり込みでした。
基本書を使用したのは、例えば伝聞証拠や別件逮捕・勾留など、自分の中で理解が追いついていないと感じた部分をつまみ食い的に読む程度。
とにかく、判例集と演習書の往復が一番刑事訴訟法の実力をあげる勉強法になると実感しましたので、本記事で紹介したようなものを使用しながら学習を進めてみてください。
また、問題集での学習だけでは不安な方は、例えばアガルートアカデミーが提供している『重要問題習得講座』や『旧司法試験 論文過去問解析講座』などの論文対策講座を利用すると、刑事訴訟法の答案を書く力がかなり付くと思います。
私が利用していた講座について下記の記事で紹介していたりしますので、その記事などを参考にして予備校講座を利用してみても良いかもしれません。
関連記事:司法試験一発合格者が実際に受講していた予備校講座を大紹介〜おすすめも併せて紹介〜
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
当ブログには他にも法律学習に役立つような様々な記事を用意していきますので、ぜひ他の記事も読んでいただけると幸いです。