法科大学院(ロースクール)

ロー入試の勉強について徹底解説〜法科大学院への進学を考えている人へ〜

この記事では、ロースクールの入試に向けた勉強について、何を勉強すればいいのか目標レベルはどのくらいなのか等を徹底的に解説していきたいと思います。

ロー入試はそこまで難しい問題が出題されるわけでもないのですが、かといって何を勉強すればいいのか分からないという方もいるかと思いますので、そのような方に向けてロー入試の勉強についてまとめておきたいと思います。

法科大学院に進学して司法試験を受験することを目指している人には勉強の方針として役立てていただけると幸いです。

なお、本記事の内容は、法科大学院の進学を目指さずに予備試験の合格を目指しているという人や法科大学院の未修者コースに進学予定の人にとっても、各科目の一応の到達点として参考になるかと思いますので、気になる部分だけでも読んでいただけると嬉しいです。

 

Contents

ロースクールの入試はコースによって異なる

ロースクール(法科大学院)には以下の2種類のコースがあります。

・未修者コース

・既修者コース

それぞれの違いについて簡単に言うと、「未修」は法律の学習をしたことがない人向け「既修」は法律の学習をしたことがある人向けという感じです。

つまり、法律知識を既に一定程度習得していることが前提となっているか否かということ。

そして、「未修」コースの入試は小論文や面接などが中心であるのに対して、「既修」コースの入試は法律科目の論文試験が中心となります。

今回、ロースクール入試の勉強について記事を書くにあたって、対象となるのは主に「既修コース」を目指している方です。

ロー入試の法律論文試験で大切なことやそれに向けた勉強について書いていきますので、「未修コース」を考えている人には当てはまらないかもしれません。

ですが、初期の法律勉強としては参考になるとは思いますので、未修コースに進学した後の勉強スケジュールの参考にでもしていただけると幸いです。

 

主要ロースクールの試験科目について

そんなわけで、ロースクール入試に向けた勉強について書いていきます。まずは、各ロースクールの試験科目を軽くまとめていきます。

全ての法科大学院を書くと果てしなく長いまとめになってしまいますので、国立私立あわせて合格者数等が上位の法科大学院をピックアップしていきます。

東京大学法科大学院

・公法系(憲法・行政法)

・刑事系(刑法・刑事訴訟法)

・民事系(民法・商法・民事訴訟法)

一橋大学法科大学院

・憲法

・民事系(民法・民事訴訟法)

・刑事系(刑法・刑事訴訟法)

京都大学法科大学院

・憲法、行政法

・民法、民事訴訟法

・刑法、刑事訴訟法

・商法

大阪大学法科大学院

・公法(憲法・行政法)

・民事法1(民法)

・民事法2(商法・民事訴訟法)

・刑事法(刑法・刑事訴訟法)

慶應義塾大学法科大学院

・憲法

・民法

・刑法

・民事訴訟法

・刑事訴訟法

・商法

早稲田大学法科大学院

・憲法

・民法

・刑法

・民事訴訟法

・刑事訴訟法

中央大学法科大学院

・憲法

・刑法

・民法

・商法

・民事訴訟法

・刑事訴訟法

以上が、主要ロースクールの試験科目です。

見て分かる通り、憲法・民法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法はいずれの大学でも試験科目として設定されているのに対して、商法や刑事訴訟法はそもそも試験科目として要求されていないところもあります

なので、自分の志望している法科大学院ではいずれの法律科目が試験として設定されているのかをしっかりと確認して勉強する方が、効率的にロー進学を目指すことができます

※いずれ司法試験を受験するとなると必ず全ての科目を勉強する必要がありますので、まだ学部1・2年の方々などは網羅的に勉強しておいた方がいいです。予備試験を受験することも考えつつ勉強していくのが良いと思います。

 

ロースクール入試に向けた勉強を科目別に解説

ここからは法科大学院の入試に向けた勉強について科目別に解説していきます。

かなり長くなりますので、自分の苦手科目や不安な科目のパートだけを読むというのでも十分だと思います。

 

ロー入試の勉強:総論編

まずはロー入試対策として各科目に当てはまる一番大切なことを示しておきます。

法的三段論法をマスターすること(答案で示すこと)

これが非常に基礎的で大切なことながら、意外とできる人とできない人ではっきりと分かれる部分です。合否に直結すると言っても過言ではありません。

法的三段論法を使用して答案を書くとは、つまり、

大前提:規範

小前提:あてはめ

結論

という流れに沿って答案を構成するということです。

なので、ロースクールの入試で答案を書く際には、

大前提:〇〇ならば△△である

小前提:本件において、甲の行為は〇〇に当たる。

結論:したがって、甲の上記行為により△△となる。

みたいな感じで、法的三段論法の型を守りつつ答案を作成する必要があるということです。

なお、大前提の部分については、通常は判例の規範等を書くことになります。そして、その際には、例えば条文の趣旨などの理由づけを挙げつつ規範を導いていきます。

いまいちイメージか掴めない方は、上記のことを意識しつつ司法試験や予備試験の合格答案や答案例付きの問題集などを読んでみるといいかもしれません。

 

ロー入試の勉強:憲法編

ここからは、憲法のロースクール入試について書いていきます。

 

ロー入試の憲法は、ほぼ人権から出題。答案の書き方に慣れれば大丈夫。

ロースクール入試の憲法の出題は、ほぼ全て人権から問われます。

精神的自由からも経済的自由からも出題はあり得ますが、いずれにせよ基本的人権の判例知識や学説知識が問われることとなります。

また、判例や学説の知識が問われるといってもそこまで深く理解していなければ合格できないということはなく、憲法論的思考法の方がより重要になります。

その意味で憲法答案の書き方はしっかりと押さえておきましょう

憲法の答案の流れは以下のような感じになります。

保護範囲
⬇︎
制約
⬇︎
正当化(審査基準の定立)
⬇︎
当てはめ

この流れに沿った答案を、判例や学説のキーワード等を利用しながら作成していければ、ロー入試の段階では十分合格レベルになります。

審査基準の定立については特に重要でして、問題の事案類型(何の自由が問題となっているか、制約の強度はどれくらいか、など)を考えながら、その類型にあてはまる基準を書く必要があります。

この辺りの憲法の問題に特有の答案の書き方については、後述で紹介します『憲法 事例問題起案の基礎』や『憲法の急所』の序章を参照すると良いです。

憲法の試験では暗記事項はかなり少なく済む(検閲の定義や漠然不明確ゆえに無効の法理など)ので、それだけは確実に暗記しつつ、他は問題集や参考書と判例集を使用して基本的人権の問題を解くことに慣れれば大丈夫

ロー入試の勉強:憲法

  • 基本的人権の問題の「答案の書き方」を押さえる
  • 最低限の暗記事項(検閲の定義や目的効果基準)を確実にする
  • 基本的人権ごとの事案類型と審査基準を把握する
  • 判例のキーワード(表現の事前抑制なら「萎縮効果」とか平等なら「自分の努力で変えられない」とか)を覚えておく

 

ロー入試憲法の勉強は、判例集をメインにして、問題演習で答案の書き方を覚える

ロースクール入試の憲法でのための具体的な勉強については、メインとなるのは判例集を読むことです。

憲法は他の科目よりも判例学習がメインになるので、これを中心にやるべきです。

あとは、答案の書き方が独特な科目でもありますので、答案例付きの問題集を見ながら実際に答案を書いてみることをお勧めします。

では憲法のロー入試対策として、具体的に使用することをお勧めする書籍等を紹介していきます。

まず、憲法の基本書は『基本憲法』が判例を多く紹介しながら解説しているので非常にお勧めです。また、事例問題の答案作成についても、コラムで触れていますのでその点でも受験生には非常に有用。

ただ、基本的人権しか扱っていないので、統治分野も勉強したいという不安を抱える人は『憲法学読本』が人気でお勧めです。

参考書としては、『憲法 事例問題起案の基礎』が憲法の答案作成法について丁寧に説明している良書。憲法の規範定立方法など、憲法の学習者が答案を作成する際に覚えるであろう疑問を解消する内容となっています。

あとは、『憲法の地図』は憲法の判例の事案類型が整理できるためお勧めできます。

問題集としては、少し難しいかもしれませんが『憲法の急所』が憲法の事例問題を解く際の思考過程を丁寧に言語化してくれているものなのでお勧め。

それと、『読み解く合格思考(憲法)』も(司法試験の問題等を使用していますが)予備試験と司法試験の合格者が答案を作成する方法について解説しているので非常に使えます。

判例集は無難に『判例百選(憲法)』を使用すればいいのですが、理想的には重要判例(薬事法違憲判決とか東大ポポロとか)は全文を読みたいところ…ただ、ロー入試ではそこまでやる必要もないかも…

あとは、志望校の過去問を見て、どのような問題が出題されるのか、自分で答案を書けそうかといったことを確認しましょう。

 

ロー入試の勉強:民法編

ここからは、ロースクール入試科目のうち民法の試験や勉強について書いていきます。

 

ロー入試の民法は、論点抽出できるかどうかでほぼ結果が決まる

民法の試験は基本的には、「条文」を見て「要件」と「効果」を把握することが最重要となります。なので、まずは基本論点について条文を素早く示せるようになる必要があります。

全ての法律科目について言えることではありますが、法律の条文解釈がメインになるのが法学なのですから、まずは条文を引けるようになるのが最優先事項。

その上で、各条文につき「趣旨」を理解して答案で示せるようになる、というのが民法の勉強の目標です。

法科大学院の入試においては、非常に難しい論点が出題されることはそこまで多くないですし、仮に難しい問題が出題されたとしても大半の人はできないので気にしない。

それよりも、

具体的事案から論点を適切に抽出できているか

それに法律の解釈を示して結論を出せているのか

という基本的な事項が大切になるので、まずはその部分をしっかり出来るように条文把握と趣旨の暗記が大切です。

ロー入試の勉強:民法の目標

  • 具体的事案から論点抽出できるようになる
  • 論点に対して関連条文を引けるようになる
  • 重要条文につき、趣旨・要件・効果を把握する
  • 上記を答案上で適切に示せるようにする

ロースクールの入試段階であれば、重要論点が把握できている、判例の規範がそれなりに書けている、条文から趣旨等を踏まえて論述できている、といったことが出来るようになれれば確実に合格レベルになります。

細かい論点まで勉強する必要はありませんので、基本論点だけは落とさないというスタンスで勉強しましょう。

 

ロー入試対策としての民法の具体的勉強について

「具体的には何をすればいいのか?」という点についてですが、具体的にやっておくといいと思うおすすめは例えば下記のようなもの。

基本書は何でもいいですが、通読するのは(時間的余裕がない限り)やめておいた方がいいです。コスパ悪い。

問題集を解きながら理解が足りていないと感じた論点の部分だけを補充的に読んでおく、くらいで十分だと思われます。

通読するなら『呉明植基礎本シリーズ・民法(GOシリーズ)』(総則・物権だけ)の方がいいですし、論証パターンも載っているので答案作成のイメージが掴めます。ロースクールの入試であれば十分役に立つ予備校本です。(伊藤塾試験対策講座(民法)よりもコンパクトでおすすめ)

あとは問題集を1、2冊利用するのと志望校の過去問を解いてみるというのが効果的。

特に過去問については、各大学ごとに出題の趣旨という形で概ねの正解筋を公開していたりしますので、志望法科大学院のホームページから確認するというのがいいです。

問題集は正直各自の好きなものでいいですが、おすすめは上記の2冊。

あとは、論証を覚えるために、『工藤北斗の合格論証集“民法”』は非常におすすめ。民法の大半の論点は押さえられるし、答案の書き方もイメージが掴めます。片手に置きつつ、問題集や過去問を解いていけば合格を争えるレベルには乗れるはず。

 

ロー入試(民法)の優先事項

民法の優先事項については、民法総則・物権・財産権は圧倒的に大切家族法については重要論点だけ知っておけば十分という感じ。

そもそも、ロースクールの授業でも家族法については他の分野に比べて比重が少なくなっている(と感じられる)し、実際のロースクールの入試問題や司法試験等でも家族法がメインで問われることは少ない。(小問で出題はある)

なので、民法の勉強の中で一番優先順位が低いのは家族法です。

ただし、家族法の中でも論文試験で頻繁に問われる重要論点はあります。(例えば、日常家事代理や親の利益相反など)

そのような重要論点だけは基本書・参考書を利用して押さえておきましょう。数は多くないのでそこまで負担は大きくなりません。

ロー入試:民法勉強の優先順位

総則・物権・財産権 ➡︎ 非常に大切

家族法 ➡︎ 超重要論点のみ大切

民法は勉強範囲が膨大なので、基本的論点を押さえておくだけでも合格を狙えるレベルにまで到達すると思います。前述した参考書等を使用しつつメリハリをつけながら、基本論点を頭に入れましょう。

「何が基本論点・重要論点なのか分からない!!」という方は、『伊藤塾試験対策講座』や『GOシリーズ』にランク(A・B・C)が付されているので、それを参考にしましょう。

 

ロー入試の勉強:刑法編

それではロー入試の刑法について、試験や勉強する際に意識すべきことについて書いていきます。

 

ロー入試の刑法は、要件を逐一丁寧に検討すれば大丈夫

ロー入試の刑法の試験については、おそらく各科目の中でも答案は書きやすい(論点は分かりやすい)試験だと思います。

刑法総論も刑法各論も、いずれからも出題可能性はあります。また、出題論点も多岐にわたるので勉強の範囲を絞って対策をとることは難しいです。

とはいえ、刑法については答案の型自体は比較的単純でして、基本的な書き方は、

構成要件該当性(各要件につき定義を書いて当てはめる)
⬇︎
違法性阻却事由(各要件につき規範定立して当てはめる)
⬇︎
責任阻却事由(問われることは比較的少ない)

という流れに沿って書いていけば無問題。なので、刑法の勉強をする際には、上記のような体系に従って学習していき、どこでどの論点が関わってくるのかというのを意識しましょう

刑法の試験で大切なことを挙げておきます。答案を書く(勉強する)際には、以下のような点を意識してみてください。

ロー入試の勉強:刑法

  • 構成要件→違法性→責任の流れは絶対に崩さない
  • 論点を落とさない(要件を丁寧に検討)
  • 構成要件等の定義を確実に書く
  • あてはめでは使える事実を出来る限り使う
  • なるべく速く書く(書くことが多いから)

なお、刑法の試験では(法科大学院の入試では特に)判例の事案がそのまま出題されたり、複数の判例が組み合わさって出題されたりします

判例を中心に勉強しておけば「この事案知ってるぞ!!」となることがよくありますので、判例百選等を使用して判例を読んでおくとかなり役立ちます。

 

ロー入試に向けた刑法の具体的勉強について

ロー入試に限らず、刑法の勉強は演習中心に行うのが一番だと思います。

というのも、刑法の試験は前述のように書き方自体は結構明確ですし、要件の定義等も大半の人はちゃんと覚えて書きますので、大きく差がつくとすれば「具体的な事実の使い方」になります。

例えば、正当防衛における防衛行為の相当性や故意の認定など、規範定立は誰でも出来るけど問題文に示された具体的な事実をいかに上手く使ってあてはめを充実させられるかで差が開く、という論点が多くあります

なので、刑法の学習は問題演習を中心として、どの事実がどのように評価されて結論付けられているのかという相場観を養うことが大切。

では「ロー入試に向けての勉強で何を使用すればいいのか?」という点について、おすすめの参考書や問題集をまとめておきます。

刑法の基本書司法試験受験生や法科大学院性にダントツで人気のある基本刑法』がおすすめです。他にも山口刑法も人気はありますが、基本刑法の方が分かりやすいので読むのが楽です。

呉明植基礎本シリーズ・刑法(GOシリーズ)』もコンパクトにまとめっていますし、重要論点の論証例も載っているので結構便利です。(特に初学者)

ただ、『基本刑法』でも十分だと思いますので、論証例などを他で代替すればそこまで重要でもありません。

論証例については『工藤北斗の合格論証集 刑法・刑事訴訟法』を使用すれば十分すぎます。基本刑法と工藤北斗の合格論証集がおすすめのセットです。

判例の学習は判例百選を使っておけば無問題。基本書を読みながら、出てきた判例を『判例百選(刑法)』で確認するという流れの勉強です。

問題演習については、『受験新報』という法学徒向けの雑誌の最後に掲載されている問題演習がおすすめです。事案の長さや難易度的にもロー入試に向いていますし、解説も非常に分かりやすいです。

『ロースクール演習刑法』も『受験新報』の問題演習を使用していたりしますので同様に解説が秀逸でおすすめ。(両方とも大塚裕史先生が解説を担当してます。なお、基本刑法の著者の一人でもあります。)

あとは過去問を中心に演習を積んでいけば、ロー入試の段階だと他の学生に劣ってしまうことは避けられると思います。

刑法のおすすめ基本書や参考書などについては下記の記事でもまとめていますので、そちらも参考にして頂けると幸いです。

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ロー入試の勉強:民事訴訟法編

ここからはロー入試の民事訴訟法科目について書いていきます。

 

ロー入試の民事訴訟法は、重要テーマから出題される可能性が大

法科大学院の入試の民事訴訟法については、得意・不得意が明確に現れる科目だと言えます。

民事訴訟法は非常に理論チックなところが多いですし、「民訴は眠素」とも言われるくらいつまらないと感じる人が多い科目ですから。

とはいえ、ロー入試の段階ではそこまで難しい問題が出題されることも多くはなくて、大体は民事訴訟法の重要論点(既判力とか弁論主義とか)から出されます

なので、ロースクール入試の民事訴訟法対策としてはまずは基本論点をしっかりと押さえることが最優先。

逆に、重要論点以外から出題されることは多くないですし、出題されても他の受験生と大きな差がつくことがほとんどありません。基本論点がとにかく大切ということを認識しておきましょう。

また、民事訴訟法の答案では概念の定義を書くことがマストになります。(例えば、弁論主義とは、処分権主義とは、等)

これを落とすとかなり痛手になります。

答案の流れとしては、定義➡︎趣旨➡︎規範定立➡︎あてはめ、というパターンが非常に多かったりしますので、民訴を勉強する際には定義や趣旨をしっかりと暗記しておきましょう。

定義の暗記は基本書(おすすめは高橋宏志先生の基本書など)や問題集、あるいは予備校出版の参考書(趣旨規範ハンドブック)を使用するのがおすすめです。

ロースクール入試・民事訴訟法の試験やそのための勉強で大切なことをまとめておきます。

ロー入試の勉強:民事訴訟法

  • 定義や趣旨を正確に暗記、書けるようにする
  • 重要テーマを中心に学習する
  • 定義➡︎趣旨➡︎規範定立➡︎あてはめという流れに従う
  • 基本書などで民訴の理論面をしっかり理解する

 

ロー入試の民事訴訟対策は、定義や趣旨を徹底暗記

ロースクールの入試の民事訴訟法対策としてやるべきことについてですが、民事訴訟法は他の科目よりも基本書の読み込みが大切になる科目だと思います。

問題を解いていくよりも、基本概念の定義を覚えたり趣旨を正確に暗記するということが大切になります。

例えば、弁論主義・処分権主義・既判力などの定義や趣旨を答案で書けなければそれだけで不合格になってしまうレベル。なので、これら暗記は徹底する。

あとは、これらのテーマに関係する論点を基本書なり参考書なりで確認しておきましょう。

民事訴訟法は非常に難しくて嫌いと感じる人が多い科目だと思いますので、定義や趣旨をちゃんと書けて、そこから論理的に答案を構成していくということさえできれば十分合格点に到達すると思います。

ロー入試に向けた民事訴訟法の勉強でおすすめの参考書等をまとめておきます。

まず、民事訴訟法の勉強の中心は基本書を読むことになります。基本書は『基礎からわかる民事訴訟法』、重点講義民事訴訟法リーガルクエスト(民事訴訟法)がそれぞれ人気なので、いずれか選んで使用するといいでしょう。

訴えの利益・処分権主義・弁論主義・既判力・複雑訴訟あたりを特に重視して何回も読むのがいいです。とにかく、民訴理論の理解と定義や趣旨の暗記を徹底する。

定義等は『趣旨・規範ハンドブック〈2〉民事系』にもまとめて載っているので、そちらを参照するといいかと思います。

答案の形や論証例は『工藤北斗の合格論証集 商法・民事訴訟法』で確認する。

問題集は『基礎演習民事訴訟法』が評価が高いのでいいと思いますが、個人的には『ロースクール演習民事訴訟法』の方が解説があっさりしているのと答案作成上の注意点が書かれているのでおすすめです。

あとは志望校の過去問を検討するという感じ。

民事訴訟法の勉強のメインは基本書の読み込みになりますので、ちょっと退屈と感じるかもしれませんが、論文試験で頻出の事項だけでも理解しておくべきです。

 

ロー入試の勉強:刑事訴訟法編

ここからは、ロースクール入試の刑事訴訟法について書いていきます。

 

刑事訴訟法の試験では頻出事項からの出題が多い=対策は取りやすい

法科大学院の入試科目の中でも、刑事訴訟法の勉強は一番やりやすいと感じる人が多いものかもしれません。

刑事訴訟法は捜査法と証拠法(あと公判)に大きく分けられて、その中でも例えば伝聞法則や強制処分と任意処分の区別など重要論点からの出題が非常に多いからです。

答案の書き方自体も論証集や答案例付きの問題集を使用すれば比較的パターン化しやすいと思います。

刑事訴訟法の試験において勝負所は、あてはめ

問題文の事実をいかに多く、上手く使うことができるのかという点で大きく評価が別れます。

なので、問題演習を中心に勉強しつつ、判例をしっかりと読み込んでどのような事実を使用すればいいのかという感覚を養っておきましょう

法科大学院の入試の刑事訴訟法の試験やそのための勉強で重要なことを簡単にまとめます。

ロー入試の勉強:刑事訴訟法

  • 問題文の事実の使い方や評価を上手くする
  • 「強制処分と任意処分」「伝聞」は特に重要
  • 重要論点の論証例を簡潔に書けるようにする
  • 判例百選等で判例を読み込んでおく

 

ロー入試の刑事訴訟法対策は、判例学習と問題演習を中心に行う

刑事訴訟法の勉強の中心は、判例学習と問題演習です。

例えば、現行犯逮捕や捜索の事例が出題された時には、要件を示すことは当然として、勝負を分けるのは問題文の事実整理になります。つまり、あてはめの良し悪しで差がつくということ。

他にも、伝聞や自白の問題でもその傾向があります。

なので、刑事訴訟法の理論面について基本的なことを押さえるのは必要なのですが、それよりも事実の使い方を学習する方がより重要度が高いと言えます。

そのような事実処理の力を培うには判例を読み、問題演習を積み重ねるのが一番です。

では、ロー入試に向けた刑事訴訟法の勉強に使用できるおすすめのものを紹介していきます。

刑事訴訟法の基礎知識については『呉明植基礎本シリーズ・刑事訴訟法(GOシリーズ)』を一通り読んで学習しておけば十分だと思います。

正直、刑事訴訟法に関しては基本書を読むのはそこまで必要性があるとは思いません。判例がしっかり規範定立しているというのが多いですし、『判例百選(刑事訴訟法)』の解説も優れているのでロー入試段階だとそれで十分です。

基本書を読むのは「伝聞」の部分くらいにとどめておいてもいいかと思います。

論証は他の科目と同様に、『工藤北斗の合格論証集 刑法・刑事訴訟法』を確認するので足ります。

あとは、補完的に使用するのをお勧めできる参考書が『刑事訴訟法入門』『判例講座 刑事訴訟法』です。両方読む必要はないかもしれませんが、両者ともに刑事訴訟法の重要テーマを分かりやすく解説しているものなのでおすすめです。

問題演習は『事例演習刑事訴訟法』を利用している人が多いと思いますので紹介させていただきますが、かなり高度な解説で行き過ぎ感もありますので、ロー入試のためならば『ロースクール演習 刑事訴訟法』の方が使えると思います。

それと、予備試験の問題もロー入試の問題に近いものがありますのでおすすめ。当然、志望校の過去問検討も忘れずに行いましょう。

 

 

ロー入試の勉強:商法(会社法)編

ここからはロー入試科目のうち、商法について書いていきます。

 

商法の試験では、会社法の頻出論点に出題が偏る傾向

法科大学院入試の商法(会社法)については、そこまで難しくないですし定番の論点等が多く出題される傾向にある(取締役の責任とか利益相反とか)という感じです。

上位ロースクールの中でも商法(会社法)は試験科目として設定していなかったりしますので(例えば、早稲田や一橋)、受験生の中でもロー入試段階では比較的勉強が進んでいない人が多い科目と言えるかもしれません。

なので、他の科目よりも勉強の優先度的には下がってしまいます。やはり、民法や刑法の方が圧倒的に勉強が必要です。

法科大学院入試のための商法(会社法)の勉強としては、取締役の義務・責任や株主総会といった重要論点を徹底することが大切で、設立や組織再編など他の分野については優先度は下がります

まずは利益相反や競業避止義務といった取締役の義務・責任と株主総会を基本書等を利用して学習しましょう。

また、商法(会社法)の試験では条文を引くことが非常に重要になりますので、問題演習等を行う際には条文を確認することを徹底しましょう。

特に、会社法の条文は長々しくて括弧書も多く複雑なので、一回でも目を通したことがあるかどうかは結構大きな差になります。

あとはロー入試の商法(会社法)で答案を書く際には、要件を一つずつ丁寧に検討していけば合格レベルの答案にはなります。

ロー入試の勉強:商法

  • 要件検討を丁寧に行っていく
  • 取締役や株主総会の勉強が最重要事項
  • 論証集などで論証パターンを覚える
  • 条文が複雑なので、重要条文だけでも慣れておく

なお、試験科目としては「商法」とされていても、実際のところ出題されるのはほぼ「会社法」からです。

東京大学法科大学院では出題されることもあるのですが、それ以外のロースクールでは「会社法」以外に商法総則・商行為や手形法から出題されることはまずありません。

全く勉強しないのは不安かもしれませんが、志望校の過去問を見ながら出題可能性がどれくらいあるのかを把握した上で勉強を進めるのが良いかと思います。

 

ロー入試商法の勉強は、会社法の頻出論点の理解を徹底する

ロー入試の商法は、取締役の責任や株主総会といった分野から出題されることが非常に多いです。

特に、取締役の責任に関しては、複数の取締役を問題に関与させてそれぞれ違いに気づけるか、という事案処理能力を問う問題が出題されたりします。

なので、このような点に関係のある論点を扱っている問題をたくさん解いておくのが良いと思います。

具体的には、423条や429条、利益相反、競業避止義務、経営判断原則、重要な財産の処分、などがよく問われる論点なのでこれらについては問題演習を積んだ上で、論証集等で答案を書くイメージをしっかりと身に付けましょう。

あとは、株主総会の手続き(招集手続きなど)もしっかりと頭に入れておく必要があります。

商法は条文操作が特に大切な科目なので、問題を解くときや基本書等で勉強する際には逐一条文を確認する癖をつけると良いかと思います。

ロー入試の商法対策としておすすめな教材をまとめておきます。

まず、会社法の基本書については『リーガルクエスト会社法』がコンパクトにまとまっていて読みやすいのでおすすめです。

必ずしも通読する必要はないと思いますが、少なくとも取締役や株主総会などの頻出分野と設立、事業譲渡などの重要論点部分には目を通すと良いです。

論証集は『工藤北斗の合格論証集 商法・民事訴訟法』あるいは『趣旨・規範ハンドブック〈2〉民事系』がおすすめです。いずれかだけでも十分。

問題集は『えんしゅう本・商法』や『論文の森(商法)』といった、と予備校出版の答案例付きのものが良いと思います。

ひとりで学ぶ会社法』についても、条文操作を丁寧に勉強するのにぴったりでしっかり読んで勉強すれば力はつくと思いますが、本気で取り組むのは辛い問題集です。

予備校の過去問もロー入試対策として使えます。志望校の過去問では、どの分野からの出題が多いのかとかどのような問題が多いのかを確認しておきましょう。

 

ロー入試の勉強:行政法編

ここからは、ロースクール入試科目の行政法について書いていきます。

 

行政法の勉強は、処分性・原告適格・訴えの利益・行政裁量がメイン

ロースクールの入試科目として行政法が出題される大学院はかなり少ないです。

本格的に勉強している受験生も意外に少ないので、あまり力を入れすぎる必要もない科目と言えるかもしれません。(とはいえ手を抜くのも危険ですが…)

逆に、行政法をしっかり勉強しておくと他の人に差を付けられるかもしれませんので、勉強してみて得意だと感じたらがっつり勉強するというスタイルもありかと思います。

行政法の試験で頻出の論点といったら、処分性原告適格訴えの利益行政裁量です。

なので、最低でもこれらの部分だけは基本書を読んで、判例を確認して、問題を解いておくことをお勧めします。

あとは国家賠償請求損失補償行政手続法などが比較的重要になるので、これらについても押さえておければなお良し。

それと訴訟類型については要件や規範をしっかりと勉強しておくべきです。例えば、取消訴訟、義務付け訴訟、差止め訴訟などの要件を確認です。

行政法は答案で書く論証の形がほぼ決まっているというか、判例の規範をそのまま書くというのが多いので、絶対に覚えないといけない規範(処分性や原告適格など)だけは確実に暗記しておきましょう。

加えて、行政法の試験では処分の根拠条文や条文の要件解釈など、試験現場での条文操作が必要になります。

なので、問題演習を通じて行政法の条文を読み解くことに慣れるのも大切です。

ロー入試の勉強:行政法

  • 判例の規範を確実に覚えて書けるようにする
  • 処分性や原告適格など、頻出論点を徹底的に勉強
  • その他の論点は、軽くでも十分
  • 訴訟類型は条文を引きながら要件等を検討できるようする
  • 本番では根拠条文や関連条文を答案で示す

 

行政法のロー入試対策としては、メインどころをやっておけばとりあえずオーケー

行政法の試験対策としてやるべきことは、前述したようなメインどころを基本書で確認&問題演習で十分です。

行政法は勉強が進んでいない人が多いので、ある程度勉強していればロー入試段階でも十分合格レベルに乗ることができます。

判例も膨大に存在するのでたくさん読み込むのは効率が悪いため、基本となるもの(大田区ゴミ焼却炉事件など)だけ読んで規範を覚えていれば大丈夫

ロースクール入試の行政法におすすめな参考書等については、下記のような感じです。

行政法の基本書は、『基本行政法』が分かりやすくてオススメです。試験対策向けと言える基本書なので、ロー入試や司法試験の勉強としてぴったりです。

問題集は『基礎演習行政法』が(難易度は非常に低いですが)解説が素晴らしく理解しやすい形でまとまっているので、特に行政法初学者に人にはすごくお勧めできます。

処分性など重要テーマの考慮要素を丁寧に解説しているので、まずはこれで行政法の問題を解く基礎をつけるのが良い。

より難易度の高い問題集として、『事例研究行政法』が定番ものとして評価が高いです。ただ、司法試験の勉強としても用いられることの多い問題集なので、ロー入試の段階では少しハードかもしれません。余裕がある方は使用してもいいかもという感じです。

 

ロー入試で合格するのに役立つ予備校の講座まとめ

ここからは、ロー入試で合格するために役立つおすすめの予備校講座をまとめて紹介しておきたいと思います。

ロースクールの入試であれば独学でも全然いけるとは思いますので、上位ロースクールにどうしても入りたいと思っている人や学費免除を勝ち取りたいと思っている人をメインの対象者として紹介していきます。

もちろんその他の人にも参考になると思いますので、ロースクール受験生はぜひここで紹介した講座を確認していただけるといいかなと思います。

ロー入試おすすめ講座① 重要問題習得講座【アガルート】

まずお勧めできる講座が、アガルートアカデミーが提供している重要問題習得講座です。

これは論文試験で出題されることが多い論点を中心に、各論点を網羅的に習得する講座です。

オリジナル問題だけでなく、法科大学院の過去問や旧司法試験の問題も扱っていたりしますので、ロー入試の対策としてかなり有用です。

しかも、テキストは講師の工藤北斗先生が作成した答案例が付いていますので、それを参考に自分が答案を書く際の論証や論文答案の書き方などを学ぶことができます。

論文試験対策の講座としては圧倒的におすすめなので、気になる方はアガルートの公式サイトからサンプル動画を無料で視聴してみると良いと思います。

<講座情報>

重要問題習得講座(7科目) 98,000円(税込)

 

ロー入試おすすめ講座② 論文マスター【伊藤塾】

伊藤塾の『論文マスター』も上記と同様に、論文試験対策として重要論点を中心に扱っている講座です。

ただ、重要問題習得講座よりも講座価格が高いというのと問題の数も少ないというのがイマイチな点です。

扱われる問題は旧司法試験の問題が中心で、各問題について解答例が付されているので、ロー入試のみならず予備試験や司法試験の対策としても使えます。

伊藤塾の講座の中でもかなり人気のあるものなので、信頼性などを重視する方はチェックしてみても良いかもしれません。

<講座情報>

論文マスター(7科目) 349,500 円(税込)

 

ロー入試おすすめ講座③ 総合講義300【アガルート】

総合講義300』は、アガルートアカデミーが提供している初中級者向けのインプット講座です。

最新判例や学説をフォローしている講座で、初学者の段階からでも法律の知識をインプットすることができる基礎講座です。

基本書を読んで基礎知識を身につけるのが苦痛だから動画授業で勉強したいという方に向いています。

学部3年などでじっくり勉強したい方には特にお勧めできる講座。ただ、もうロー入試直前という場合にはこの講座を受けている時間的余裕がないと思いますので避けた方が良いかと思います。

ある程度腰を据えて勉強できる余裕があり、法律試験の知識を基礎から勉強したいという人にはおすすめです。

<講座情報>

総合講義300(7科目) 294,000円(税込)

 

 

学部初期の段階なら、資格スクエアの入門講座パックがコスパ的におすすめ

最後に、学部1・2年という法律学習の初期段階の方については、上記のような講座よりも入門講座を受講する方がコスパ的にもおすすめです。

人気のある法律予備校だと伊藤塾ですが、講座価格が非常に高い(入門講座だと100万円は必要です)のが難点です。

個人的におすすめなのは資格スクエアの入門講座パックで、これは基礎講座の他に論文対策講座や短答対策講座など予備試験の合格を目指すために必要な講座が勢揃いしたパックです。

豊富な講座がひとまとめになったパックが他の予備校よりもかなり低価格で受講できる(50万円or75万円ほど)ので、講座内容と費用とのコスパ的にはかなり良いです。

資格スクエアの入門講座を利用して予備試験に合格する人も多いですし、最近はかなり評価が高まっていますので、予備校の入門講座を利用することを考えているのでしたら圧倒的におすすめできます。

ちなみに、予備試験向けとはいえ、もちろんロー入試を目指している学部1・2年生などの方でも問題なし。(予備試験の合格を目指した講座ですから、ロー入試にも対応可能

学部初期の段階なら、法科大学院の進学を目指しつつ予備試験の受験も考えた方が絶対にいいので、入門講座の受講を考えているのならチェックしてみるのをおすすめします。

※資格スクエアの講座は無料講義体験できますので、興味のある方は下記のリンクから実際に講義を体験受講してみると良いかもしれません。

 

資格スクエアや他の予備校の評判や特徴などは、他の記事でもまとめていますのでそちらも確認していただけると幸いです。

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