書評(労働法)

【書評】『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』〜問題数の多さが魅力的な労働法問題集〜

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こんにちは

今回は予備校から出版されている労働法の問題集、『司法試験論文 選択科目えんしゅう本〈1〉労働法』について書評を書いていきたいと思います。

司法試験の選択科目として労働法を考えている人には、ぜひ本記事の書評をご参考にしていただけると幸いです。

Contents

『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』 辰巳法律研究所

今回紹介するのは辰巳法律研究所から出版されている『司法試験論文 選択科目えんしゅう本〈1〉労働法』です!!!

『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』の特徴と評価

『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』は辰巳法律研究所から出版されている、いわゆる予備校本

特徴的なのは、労働法の問題集の中でも出題されている問題の数がかなり多いという点です。

本書の問題数は、合計で56問

これは、例えば『労働法演習ノート』や『事例演習労働法 第3版』と比較しても多くなっています。

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そして、その問題のうち17問は新司法試験の問題が掲載されていて、残りの39問はオリジナル問題と旧司法試験の問題となっています。

問題のレベルはそこまで難しい訳でもなく、簡単すぎる訳でもない。割と標準的なレベルの問題集であると言えます。

また、本書の問題のほとんどは10行以内の短いものとなっていまして(新司法試験の問題を除く)、中には1行問題(例えば、就業規則と労働契約の関係について論ぜよ、、、など)もあります。

問題の種類は、個別的労働関係法が23問集団的労働関係法が13問、その他新司法試験の問題がサンプル問題と平成18年〜24年までの17問となっていまして、かなりバランスのとれた内容となっています。

本書の構成は、問題文→答案構成例→合格者からのアドバイス、というものとなっています。

特に解説的なものは付されておらず、答案作成上の注意点や関連判例が軽く触れられている程度になっています。

新司法試験の問題に関しては、出題の趣旨・採点方針・採点実感が付されていますが、こちらについても解説はありません。

なので、本書は初学者が利用するには少々ハードルが高いため、対象としては司法試験受験生(選択科目労働法)やロースクール生などの労働法中級者以上向けの問題集となるでしょう。

 

『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』の良いところ

ここから『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』のいいところを紹介していきます。

 

問題数が多い

まずは、『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』では問題数の多さが目を引きます。

全体で57問という問題数は、労働法の問題集の中でも比較的多めとなっています。

触れられている論点もバラバラですので、本書を1冊やりこむことでかなりの数の論点に触れられると思われます。

 

短時間で周回可能

本書は解説がなく、問題を解いた後で答案構成例をひたすら確認するというような使い方が向いている問題集となっています。

これは、プラスでもあるしマイナスでもあるのですが、良い面を見ると短時間で周回することができるというメリットがあります。

じっくり読み込むというのには向いていないかもしれませんが、自分が理解できている論点と勉強不足の論点を短時間で確認できるため、あっさりした内容にも良い面がありますね。

 

新司法試験の問題の答案構成例が読める

本書の良いところとして、新司法試験の問題が付属されていて、それぞれにつき答案構成例が付いている点が挙げられます。

全部で17問もありますので、司法試験受験生にとっては良い腕試しとして使えるかもしれません。

司法試験労働法の問題を解説してくれている問題集は非常に少ないので、本書のように新司法試験の問題を扱っているものはかなり貴重ですね。

 

『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』のイマイチなところ

ここから『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』のイマイチなところを挙げていきます。

 

問題に解説が付いていない

何度か触れましたが、『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』には解説が付いていません

答案構成例を確認すれば、どの筋で答案を書けば良いのかが分かるし、「合格者の目」と「ワンポイントアドバイス」というちょっとした説明がありますので、それを見れば十分とも思えます。

ただ、全然労働法の学習が進んでいないとかまだ始めたばかりの人には解説が薄すぎると思いますので、ある程度勉強してから本書に取り組んだほうがいいでしょう。

 

司法試験の問題が平成24年までしかない

『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』は司法試験用の問題集としては少し古いかなぁという印象があります。

出版されたのは平成25年ということで、平成24年までの新司法試験の問題しか扱っていません

また、例えばハマキョウレックス事件・長澤運輸事件など、労働法の最新重要判例も出ている中で情報がアップデートされていないのは非常に残念。

 

『司法試験論文選択科目 えんしゅう本 労働法』はこんな人におすすめ

・新司法試験の答案構成例を参考にしたい人

・新司法試験を扱っている問題集を探している人

・短時間で読める問題集が好みの人

・予備校出版の問題集が好みの人

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