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司法試験や予備試験の最難関ポイントは論文試験にあると思います。
多くの受験生にとっては、短答試験よりも論文試験の方が不安が強いものだと思われます。
また、初学者の方にとっては、論文試験の際に答案を書けないという事態に陥ることもよくあるでしょう。
司法試験一発合格者である私自身、学部試験やロースクール受験など、論文試験に挑む際には、答案をどのように書けばいいのかわからないという状況になってしまった経験がありますし、ほとんどの司法試験や予備試験合格者も同様の経験があると思います。
そこで、本記事では、私が司法試験に合格するまでの過程で経験した内容を踏まえて、論文試験で答案を書けない原因とそれに対する勉強法を書いていきたいと思います。
司法試験や予備試験受験生で論文試験が苦手な方は、本記事で紹介する勉強法を実践して頂けると、徐々に答案を書くことのハードルが下がると思いますので、ぜひ最後まで読んで頂ければ幸いです。
また、法学部生(新入生)やロースクール生(未修)など、これから司法試験・予備試験に向けて学習を始める人にとっても、将来的に合格答案を書けるようになるのに役立つ内容だと思いますので、ぜひご一読ください。
Contents
論文答案を書けない三大原因
論文試験で答案が書けないという人には大きく分けて三つの原因があるかと思われます。
論文答案が書けない原因として考えられるのは主に下記の3つのパターン。
原因① 論点抽出が出来ない
原因② 答案の書き方が分からない
原因③ 未知の問題への対応が出来ない
大体は上記が原因となって、論文答案を書くことができなかったり、書けたとしてもでたらめな答案になったりしてしまうのかなと思います。
論文試験が苦手な人は上記のパターンのいずれかに当てはまると思いますが、個々人でどれが原因となって答案を書けないことになるのかは異なります。
それぞれの答案を書けない原因に応じて、自分自身の勉強方針も変わってくるため、まずは自分が上記のいずれのパターンに当てはまっているのかを把握する必要があります。
論文答案を書けない原因を把握する方法
前述した論文答案を書けない原因3パターンのうち、自分の場合どれが理由となっているのかというのを把握する方法としては、「典型論点の事例問題を使って、いくつか答案を書いてみる」というのが一番良いかと思います。
非常にシンプルで「そんなことか、、、」と思われるかもしれませんが、結局は、答案を書いてみなければ書けない原因を見つけることもできないので、ここはやっていただきたいところです。
典型論点の事例問題が答案を書けない原因把握に役立つ理由
典型論点の事例問題を使用する理由は、典型論点は多くの受験生が論証のパターンを使用しており、答案を書ける可能性が高いからです。
司法試験や予備試験では、受験性の多くは論証パターンを使用して答案を書く部分が出てきますので、まずはそれを身に付ける必要がありますが、その基本的な論文答案の書き方が出来ているのかを確認するのが先決事項というわけです。
そして、典型論点の問題を一つだけではなく、複数使用して答案を作成してみましょう。
典型問題が一つだけだと、自分の得意不得意で答案の出来に幅があるため、答案が書けない原因を探す検証結果の精密さに欠けてしまいます。
なので、複数の典型問題を使用して答案作成したほうが、上記の原因のうち、自分がどれに当てはまっているのかというのが正確に分かることになるわけです。
答案を書けない原因を見つける術を具体的に紹介
説明が長くなりましたが、それではここからは答案を書けない原因の見つけ方を具体的に紹介していきたいと思います。
まずは、「典型論点の事例問題を使って、いくつか答案を書いてみる」というのを実行してみてください。
そして、「何を書けば良いのか分からない」と感じた場合、それは典型論点の知識が欠けているのが原因となって答案を書けないということが分かります。
つまりは、論点抽出能力が不十分というのが答案を書けない原因であるということです。
一方で、「論点はわかるけど、どう書けば良いのか分からない」と感じた場合、それは答案の書き方を覚えていないことが原因であると判明します。
逆に、答案を書けたという人は、典型論点に関しては、知識量も足りているし書き方も身についているということになります。
それでも、定期試験や模試などの本番形式の論文試験で答案を書けないということは、未知の論点に対する対応が不十分なのがその原因であると分かります。
【答案を書けない原因に分けて】答案を書けるようになるために必要な勉強法
それではここからは、司法試験や予備試験の受験を目指しているが答案を書けないと悩んでいる人に向けて、答案を書けるようになるために必要な勉強について説明していきます。
前述した、答案を書けない原因3パターン別に分けて勉強法を紹介していくので、自分に当てはめる部分だけでも読んでいただけると参考になるかと思います。
【原因①】論点抽出が出来ないという人に薦めたい論文勉強法
まずは、論点抽出できないことが原因となって論文試験で答案を書けないという人ですが、この場合は、まずは論点抽出できるようになる必要がありますね。
おそらく、このパターンに当てはめる人は、ロースクールの受験や法学部生などの、法律学習初期の段階にある人が多いと思います。
論点抽出力が不足しているのが原因の場合は、論証パターンや趣旨・定義をいくら暗記しても、そもそもその暗記事項を書く事案を把握できていないことがほとんどです。
ですので、まずやっていただきたいのが「基本論点の理解と典型事例との結び付け」です。
つまり、自分が予備校や学校の授業等で学習した入門的な知識が、具体的にどのような事例で問題となるのかを頭に入れるということです。
事例問題を見て、問題となる論点がぱっと頭に浮かぶためには、まずは、論点と事案とをしっかりとリンクさせなければなりません。
論点と事案とのリンクが出来ていないと、せっかく論点の知識があるにもかかわらず、事例問題を読んでも「何が論点かわからない」という状況に陥ってしまいます。
私自身、ロースクールの受験段階では、論証集の暗記に力を入れたにもかかわらず、論文試験で「論点が何か分からない」状況になってしまったことがあります。
まさに、答案を書けない原因とそれに対する勉強にズレがあったということですね。
なので、論点抽出力が不足している人は、具体的な事案から論点を抽出できるようになるために、論点の知識と事例を結びつけることが必要になります。
具体的には、下記の勉強法がおすすめです。
・入門講座等のテキストを事例中心に復習する
・判例集で事案と判旨の部分を読む
・典型的な問題を扱っている問題集等で沢山の事例問題に触れる
入門講座のテキストや基本書には、法律の解説とともに典型事例や関連判例が載っていることが多いので、その部分を中心に読んでいると、論点が関連する事案を認識することができます。
また、判例集の読み込みも同様に、論点と事例の結びつきを強化するのに向いています。この場合には、事案と判旨の部分だけを読むのでも十分だと思いますので、解説は気が向いたら読むくらいに考えておけば良いでしょう。
個人的に、一番お勧めしたいのが、典型論点を多く扱っている問題集等を使用して大量の事例問題に触れることです。
事例問題に触れる機会が多いほど論点抽出能力は高くなりますので、典型事例を頭に染み込ませるために、多くの問題に触れるのが一番良い勉強法かと思います。
この際には、別に答案を書く必要はありません。あくまで論点と事例を頭に入れるのが目的ですので、問題に目を通して、少し論点を頭の中で考えたらすぐに解説に目を移しましょう。
問題に沢山触れるという勉強法にお勧めしたいのはアガルートアカデミーの『重要問題習得講座』です。
この講座で使用するテキストでは、ほぼすべての典型論点に触れることができますし、参考答案も付いているので、論点抽出能力を鍛えるのにはぴったりかと思います。
あとは、予備校出版の問題集が比較的問題量も多いのでおすすめできます。
下記の記事でおすすめの基本書や問題集をまとめてその特徴を書いていますので、そちらを参考にしていただければと思います。
【原因②】答案の書き方が分からないという人に薦めたい論文勉強法
次に、答案の書き方が分からないことが原因となっている人ですが、この場合には「答案の書き方を頭に入れる」というのが最優先事項となりますね。
論点は分かっているのに書けない、、、となってしまうことがあるのが司法試験や予備試験の論文試験の難しいところでして、対策として典型論点の書き方を決めておくというのが一番です。
というわけで、答案の書き方が分からない人がやるべき勉強は、三段論法等の答案の基本形や論証パターンを用いて答案の書き方をマスターするというものになります。
具体的には、下記の勉強法がおすすめです。
・論証集等を用いて論証パターンの暗記をする
・答案例付きの問題集を使って答案を作成する
答案の書き方を身に付けるために一番良いのは、実際に模範答案を見てみることです。
特に、予備校講師が直々に作成している答案例を見ると、答案の型や論証の使い方を学習できるので、予備校本や予備校の論文講座のテキスト(問題集)はとてもおすすめです。
あとは、『合格論証集』などを使用して論証パターンを暗記しておくのも重要です。
「暗記偏重の学習」は学者先生方からは忌み嫌われるのですが、実際は、司法試験や予備試験の合格者の多くは論証パターンや規範・趣旨の暗記をしますし、司法試験・予備試験の合格には暗記がほぼ必須となります。
ですので、論証集や答案例を用いて、少なくとも典型論点の問題だけでも、自分が本番で答案を書く際のパターンを決めて暗記しておくのが良いかと思います。
答案の書き方を習得するには、予備校講座として、アガルートアカデミーの『論証集の「使い方」』や『論文答案の「書き方」』がおすすめできます。
また、先にも紹介した『重要問題習得講座』も答案例をたくさん見ることができるのでお勧めです。
他の予備校では、伊藤塾の『論文マスター』も良いと思いますが、アガルートアカデミーの『重要問題習得講座』と比べるとかなり講座価格が高いので、経済的に余裕があればおすすめできるという感じですね。
答案例付きの問題集については、下記の記事のような書評記事で答案例がついているかどうかも含めてまとめていますので、ぜひそちらを参考にしてください。
【原因③】未知の問題への対応が出来ないという人に薦めたい論文勉強法
最後に、未知の問題への対応が出来ないことが原因となって論文答案を書くことができないパターンについてです。
この場合は、論点の理解もできているし、論証も覚えているけど、自分の知らない論点(問題)が出題された時の対応が分かっていないということになりますので、未知の論点や応用論点に対する対処法をマスターする必要があります。
とはいえ、司法試験や予備試験で応用論点が出題されるとしても、多くの受験生はスラスラと解けてしまうなんてことはないので、出来ないことを前提として、「落ちない答案をいかに書くのか」という点を重点的に考えていかなければなりません。
つまり「相対評価で下位に入らない答案を書く」のが目標となるわけです。
なので、未知の問題への対応を上手にこなすために、うまく逃げられる答案の書き方を学習することとなります。
具体的には、下記の勉強法がおすすめです。
・司法試験・予備試験合格者の再現答案を読む
落ちない答案の書き方を学ぶには、司法試験や予備試験の合格者(特に上位合格者)が本番で書いたものの再現答案を読むのが一番だと思います。
司法試験や予備試験ではかなり難しい問題や応用的な問題が出題されることが多いのですが、合格者がその難問に対してどのように答案を書いているのかを分析することで、うまく逃げる答案に必要な要素を学習できます。
自分自身で司法試験や予備試験の答案を書いてみた後で、合格者(上位合格者)の作成した再現答案と比較して、自分の答案のどこがダメなのかを検討してみるのをおすすめします。
司法試験や予備試験の再現答案に関しては『ぶんせき本』が上位合格答案から不合格答案まで多数の再現答案を収録しているので、検討の役に立ちます。
司法試験に一発合格をしている私自身、司法試験の本番の前に『ぶんせき本』を使用して、難問が出題された際にどうするかを事前に決めた上で受験に臨んだことで、何とか落ちない答案を書くことができたという経験があります。
『ぶんせき本』は合格者の答案レベルを認識してそこに自分の答案を合わせるのに最適な問題集だと思いますので、司法試験や予備試験の受験を目指している方には使用することを強くおすすめします。
【まとめ】合格答案を書けるようになるために正しい勉強をするべき
以上の通り、答案を書けない原因として大きく3つのパターンがあるのですが、それぞれの原因に対応して正しい勉強を行えば徐々に答案を書くのに慣れてくると思います。
逆に、答案を書けない原因に対して、全く見当はずれな勉強法を行ってしまっては、中々答案を書けるようにはなりません。
私自身、原因と対策にズレが生じていたために、答案を書けないと悩んでいた時期が長くありました。
自分のできないところをしっかりと認識した上で、それを改善できるような勉強をするのが大切ですので、本記事で示した勉強法などを参考にして頂けると、答案作成に対する苦手意識が少しずつ薄くなると思います。
ぜひ、司法試験や予備試験受験の道に臨まれる方は、ぜひ本記事で示した方法を実践してみてください。