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司法試験や予備試験の受験生であれば、おそらく1冊くらいは基本書を持っているかと思います。
ただ、「基本書を読むのが苦手」という人もいると思いますし、実際、司法試験に一発で合格できている私自身、基本書を読むのは非常に苦痛で苦手でした。
巷には、基本書以外にも、法律学習者が勉強しやすい形で法律知識をまとめて作られている予備校本なるものもありますし、「基本書v.s予備校本」という構図でたまに論争が生じたりしてます。
それくらい、基本書を読むことに苦労している人が多いということだと思いますが、そもそも司法試験や予備試験の合格において基本書を全て読む=通読する必要があるのか?という疑問をお持ちの方もいると思うところ。
そのような疑問に対して、司法試験合格者の私が受験勉強の経験から基本書の通読についてどう感じているのか、を今回の記事にまとめたいと思います。
また、基本書を読む際にどのように読めばいいのか、基本書の読み方がわからないと悩みがあるかもしれませんので、本記事の中でその悩みについても私なりの答えを示します。
司法試験・予備試験の受験を考えている方には、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
Contents
【結論】司法試験・予備試験の合格のために、基本書の通読は不要です
まずですが、「基本書って通読しなきゃいけないの?」という疑問が、おそらく多くの学習者の中で抱くことになるかと思いますし、実際、私自身も学習初期~中期くらいの段階では基本書の通読が必要なのか分かりませんでした。
司法試験の受験が終わり一発で合格できた私の意見を言いますと、結論的には「基本書の通読は必須ではない」ということになります。
というのも、基本書には司法試験的にはそれほど重要ではない細かい知識まで記載されていることが多いので、すべてに目を通すというのは割と効率が悪い学習になるおそれがあるからです。
もちろん、司法試験や予備試験では細かいことが問われることもあるので、通読できるのであればそれに越したことはないのですが、、、
とはいえ、科目数も科目ごとの内容も多い司法試験や予備試験では、あらゆる知識を完璧に頭に入れる勉強法は結構ナンセンスだと思います。
それよりも、最初はある程度頻出論点に絞って勉強したうえで、徐々に学習範囲を広げていくほうが、合格には早く近づくのかなと思うところ、、、
私自身、最初は「全部覚えてやる」という意気込みで、無計画に勉強をしていた時期もあるのですが、結局は覚えることが多すぎて、試験で重要な論点の理解が遅れてしまったという失敗があります。
司法試験や予備試験の論文は相対評価で成績が付くので、受験生の多くがきっちり勉強している重要論点の学習を疎かにするのは得策ではありません。
その意味で、基本書は通読するのではなくある程度範囲を絞った読み方のほうが良いのではないかというのが、司法試験合格者の一人としての意見です。
基本書は読めば勉強になるけど、司法試験や予備試験との関係ではすべてを読む必要性は感じません。
おすすめしたい基本書の読み方
上記の通り、司法試験や予備試験の合格を目指すにあたって、基本書の通読は必須とまでは言えないし、個人的にもあまりお勧めできません。
では、私が基本書の読み方をおすすめするとしたらどんな方法がいいのか、という点についてここから書いていきます。
ぜひ、司法試験や予備試験の学習をするうえで、参考にしていただければ幸いです。
要点だけに絞って読み進める
まず一つ目のおすすめな基本書の読み方として、要点に絞った読み方をする、という方法があります。
細かい知識は学習が進んでから徐々に増やしていけばいいので、とりあえずは司法試験や予備試験の関係で重要な点に注力して読み進めるのが効率的。
例えば、重要論点について書いているところだけ読むとか、論文試験での出題可能性の低いところは飛ばすとかですね。
ただ、本当に初学者の段階だと何が重要論点なのかというのは分からないと思います。
ですので、まずは『伊藤塾呉明植基礎本シリーズ』や『伊藤真試験対策講座』に書かれているランク付け(A・B・C)を確認してみるとか、『判例百選』などの判例集を見て、判例の関連する分野を基本書で読むとかがいいのではないでしょうか。
辞書的な使い方をする
つぎに紹介する基本書の読み方は、基本書を辞書的に使う、というものです。
辞書的に使うとは、学習を進めている段階で何かわからないことや気になる点があったときに基本書で該当部分を確認するだけ、という方法です。
まずは入門書や予備校の入門コースで基礎知識を入れて、問題を解いていったりテキストを読んでいったりするうちに、疑問が浮上してきたら基本書で確認するという感じ。
もはや基本書を読むことを諦めるようなものなのですが、、、
とはいえ、前述のとおり、基本書を通読するのは効率悪すぎですし、無作為に読むというのもあまりお勧めできません。
読む範囲を絞るのなら、自分の学習にとって一番効果的な部分だけを読むべきでして、それの一番良い方法が「わからない分野だけ読む」という読み方というわけです。
嫌いな分野、苦手な分野だけ読む
読む範囲を絞る基本書の読み方として、「嫌い(苦手)な分野だけ読む」というのも非常にお勧めです。
この読み方が効果的なのは、司法試験や予備試験の対策として非常に理にかなっている方法だからです。
司法試験や予備試験で大切なことは、いかに苦手科目を無くすのか、という点。
1科目でも「足切り以下」になるとその時点でアウトですし、そうでなくても1科目かなり低い点を取ってしまうと、相対評価である以上、他の科目で挽回するのは非常に難しくなってしまいます。
1科目内にも同様のことは言えまして、ある論点で他の受験生に書き負けてしまうと、残りで挽回するのは非常に困難です。
なので、苦手な部分を埋めるために、基本書は「嫌い(苦手)な分野」に絞った読み方をするというのが効果的なわけです。
好きな科目、得意な科目は通読もあり
さて、ここまで司法試験や予備試験の学習で「基本書の通読は不要」「範囲を絞った読み方がおすすめ」といった話をしてきました。
ですが、基本書を通読するのがおすすめできる場合もあります。
それは、好きな科目や得意な科目の基本書を読む場合です。
基本的に基本書の通読は効率悪いのであまりお勧めはしないのですが、好きな科目や得意な科目の場合は、基本書を読んでいてもあまり大きな負担を感じないことが多いですし、サクサク読める部分もあると思うので、案外効率悪くはありません。
もちろん、好きな(得意な)科目の基本書を読む場合でも、「すべてを読む(通読する)必要はない」と感じた場合には、重要論点部分のみを読むとかで通読しないというのも全然ありです。
ここで話しているのは、もしも基本書を通読するのであれば好きな(得意)科目だけでとどめた方が良いかもしれないということ。
あくまで、基本書の通読は必要ないというスタンスで学習した方が、効率読む学習できますよということをお伝えしたいです。
通読するのであれば予備校本がおすすめ
というわけで、基本書の通読は原則として不要だと考えているのですが、とはいえ初学者が一通り基礎知識を入れるためには、テキストをある程度読まないと断片的な知識のままになってしまいます。
そこで、個人的にお勧めしたいのが、まずは(軽めの)予備校本を通読すること。
例えば、『伊藤塾呉明植基礎本シリーズ』なんかは、割とあっさりした記述ですし、非常にコンパクトに要点がまとめられているので、基本書よりも通読の負担が圧倒的に小さく済みます。
あるいは、『伊藤真試験対策講座』のような結構ハードな予備校本については、(重要度に応じたランク付けがあるので)まずはAランクの部分だけ読んで、その後にBランク、Cランクというように手を広げていく読み方もありです。
ランク付けで重要部分が明らかになっている予備校本はこのような読み方ができる点でメリットがあります。
基本書よりも非常にメリハリをつけて読むことができるので、それだけ通読もやりやすいのかなと思いますね。
初学者は基本書中心の勉強よりも、予備校の入門講座がおすすめ
基本書はサブ的な使用にしたほうが良いといった内容を述べてきましたが、基本書にせよ予備校本にせよ、そもそも書籍をじっくり読んで学習するのが苦手なんです、という方もいるかもしれません。
その方々におすすめしたいのは、学習の初期(基礎知識を入れる段階)は、予備校の入門講座を利用するということです。
初学者の段階だと、まずはそれぞれの科目の基礎・基本をざっくりと頭に入れるのがスタートかなと思いますが、基本書や予備校本で学習するのが苦手と感じるなら、最初は予備校の映像講義のほうがおそらく勉強しやすい。
最近では、資格スクエアやアガルートアカデミーなど、オンラインで映像授業を比較的低価格で受けられる予備校もありますので、初学者のうちはそのような予備校講座を利用するのが一番効率良いのかなと思います。
私自身、司法試験を受験すると決めて学習を始めた頃は、(基本書の内容が全然理解できなかったので)まずは予備校の入門講座で基礎知識を入れることにしました。
そのおかげで、かなりスムーズに基礎知識を学ぶことができましたし、その後に基本書を読んだとき、初期のころよりも断然理解できるようになっていました。
初学者の場合は、基本書の読み方を工夫するとかよりも、まずは予備校の入門講座で基本事項を頭に入れるのが先決かと思います。
※参考までに、私が司法試験受験のために受講した予備校講座の一覧やおすすめの予備校を下記の記事にまとめています。初学者の方の予備校選びの参考になると思いますので、ぜひご一読ください
おすすめの基本書・予備校本を知りたい方が読むべき記事
最後に、私が過去の記事で基本書や予備校本の中でおすすめのものをまとめていたりしますので、そちらの記事を紹介したいと思います。
司法試験や予備試験の受験を考えている方には非常に役立つと思っていますので、ぜひご参考にしていただければ嬉しいです。